2017年12月22日

◆対北制裁が“ダダ漏れ”状態

日本も含まれると指摘ー米紙社説
 
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は20日「北朝鮮包囲網、抜け穴を全てふさげ」と題する注目すべき社説を掲載、「米シンクタンクの発表した報告書ではドイツ、フランス、日本の3カ国が、禁止されているはずの北朝鮮貿易を止められていないと」と指摘した。さらに「北朝鮮は輸出規制を厳しく執行しているはずの国々も狙っており、北朝鮮はこうした国々の輸出規制法をかいくぐるためにダミー会社を含む偽装工作も行っている」と強調した。


国連における輸出規制を米国と共に主導してきた日本が“ダダ漏れ”では、どうしようもない。同紙は「北朝鮮に経済危機の兆候が現れないのは、こうした不正行為によって説明できる」とも指摘している。政府は早急に対策をとるべきだろう。一方で同紙は中国の対応について「中国政府の気分を害することを恐れて中国の制裁違反者を大目に見る余裕は米国にはない。米財務省は先月、中国企業4社に対して二次的制裁を発動した。遅きに失したかもしれないが明るい兆しだ」と強調した。


社説内容次の通り
 ※米国の同盟国も、北朝鮮の貿易ネットワークの取り締まりには手間取ってきた。ワシントンを拠点とするシンクタンクの科学国際安全研究所(ISIS)は今月発表した報告書で、ドイツ、フランス、日本の3カ国が、禁止されているはずの北朝鮮貿易を止められていないと指摘した。同報告書は「北朝鮮は輸出規制を厳しく執行しているはずの国々も狙っており、こうした国々の輸出規制法をかいくぐるためにダミー会社を含む偽装工作も行っている」としている。


※米国との間に強い関係を持たず、監視体制も整っていない国々は、まず間違いなく対北制裁の履行にもっと時間がかかるだろう。ISISの報告書によれば、北朝鮮から武器を買っている国は13カ国に上る。国連の専門家パネルは9月、タンザニアとモザンビークが自国の防空システムの強化で北朝鮮と取引していると非難した。より一般的な対北制裁の違反には、非軍事品の輸入や建設プロジェクトなどで北朝鮮国有企業を使うことも含まれる。国連パネルはアフリカの14カ国がこうした違反をしていると指摘。このうち北朝鮮人を送還したと国連に報告したのはナミビアだけだ。


※最も不可解なのはマレーシアだ。今年2月、金正恩氏の異母兄である金正男氏がクアラルンプールの空港で北朝鮮工作員に殺害されるという事件が起きた。しかし、マレーシア政府はこれまでのところ、対北制裁を無視して北朝鮮と取引している企業の閉鎖に至っていない。


※ニッキー・ヘイリー米国連大使は先月、制裁に関する演説の中で「北朝鮮が石炭生産地を偽装する方法を使い、引き続き近隣のアジア諸国に石炭を密輸しているとの報告」について言及した。北朝鮮はまた、黄海や日本海で船舶間移送によって石油製品を手に入れている。ヘイリー大使は名指しこそしなかったが、北朝鮮の船舶は中国の港湾に寄港し続けている。


※今のところ北朝鮮に経済危機の兆候が現れないのは、こうした不正行為によって説明できる。過去数カ月でガソリンやディーゼル燃料の価格は確かに上昇したものの、現地の日常生活は大きく変わっておらず、政権は兵器への支出を続けている。


※制裁措置によって北朝鮮を交渉のテーブルに着かせようと望むなら、中国政府の気分を害することを恐れて中国の制裁違反者を大目に見る余裕は米国にはない。米財務省は先月、中国企業4社に対して二次的制裁を発動した。遅きに失したかもしれないが明るい兆しだ。違反業者や彼らに融資している中国の銀行をさらにブラックリストに載せることは、米国と同盟各国が制裁違反者をビジネスから締め出すというメッセージを送ることになるだろう。
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