2018年02月11日

◆山科だより「昆虫標本@ー”カミキリ虫”」

渡邊好造

筆者の趣味の一つに「昆虫標本の作成」がある。10年間に山科疎水道で採集した昆虫を通じて、自然の残る山科を紹介したい。

山科だより「昆虫標本」1回目は”カミキリ虫”である。”カミキリ虫”は専門用語でいうと甲虫目(鞘肢目)カミキリ虫科に属し、顎が発達していて髪の毛も切断するということからこの名がついた。

昭和30年(1955年)頃、日本の”カミキリ虫”は約650種類いたらしい。そのうち120種類の標本を作成し、高校卒業時に”コガネ虫”など他の種類の昆虫とともにそっくり寄贈した。

ギブアップしたのは大学受験だった。8歳から18歳まで10年かかって作成したその標本が今も母校に保管されているとはとても思えないが、もし残っていたらすでに絶滅種になったものもあるのではないか。

 山科疎水道での採集は捕虫網を持たずに簡単に採れるもの、死んでいたものを拾ったり、踏みつけられ潰れてはいるが修復可能だったものなどで、昔のように本気で取組んでいればもっと多くの種類が集められたに違いない。採集シーズンは毎年5〜9月。

 写真の標本箱には28種の”カミキリ虫”が収められている。右下の右から2番目「シロスジカミキリ」は、胴長が5センチあり日本の”カミキリ虫”最大型種である。南アメリカや東南アジアの熱帯・亜熱帯地区では、胴長10〜15センチでもっとカラフルなものがいる。

”カミキリ虫”は害虫とは限らないが、左上から3列目までの14頭、黒地に白点の「ゴマダラカミキリ」などは生木をかじる厄介者で、3年ほど前(?)にフランスへ輸出した盆栽に卵が発見され大問題になったことがある。

 樹木の表皮をかじる(フトカミキリ)、花の蜜に集まる(ハナカミキリ)、朽木に巣くう(サビカミキリ)、羽根の文様が虎に似ているトラカミキリ)、触角が胴体の3倍半もある(ヒゲナガカミキリ)、4枚羽根の外羽根が半分しかない(コバネカミキリ)、などなど”カミキリ虫”の種類は実に多彩である。

動作は鈍いがいずれの種類も空中を飛ぶ。真ん中のゴキブリに似た7頭は、触角がノコギリの刃に似ているので「ノコギリカミキリ」といい、ゴキブリのように体がフニャフニャでない。

左下隅の台紙に貼付した小型種(写真では識別困難だが、、)ももちろん”カミキリ虫”である。

 標本は1頭残らず採集日、採集場所(もちろん山科)、採集者のイニシアル(筆者・KW))の手書きのラベルがつけてある。整肢作業をし(脱脂綿の上で形を整え4〜6日乾燥させる。小型種は台紙の上でピンセットや針で整肢し糊付け)、そしてこのラベル作成も面倒な作業であるが、標本箱におさまった姿をみると感慨ひとしおなのである。余人にはわからんでしょうな〜。

 家内をはじめ周辺に虫嫌いが多く、これまで他人への披露を控え一人眺めてほくそえんでいたが、「そうだ、"百家争鳴"の読者にみてもらおう!」と思いついた次第。虫嫌いの人、ごめんなさい。(完)

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