2018年03月11日

◆米は北朝鮮の「時間稼ぎ」に惑わされるな

杉浦正章


非核化の真偽を見極めよ モリカケばかりの野党は目を覚ませ
 
人を錯誤におとしいれて財物をだまし取る者を「かたり」という。首相・
安倍晋三は希代のかたりが隣に住んでいると用心した方がよい。祖父金日
成も父親金正日も世界を欺いて国家を生きながらえさせてきた。

今回も厳しい国際包囲網突破を目指して金正恩は着々とかたりの布石を
打っている。韓国大統領文在寅はやすやすと突破され、金は文を使ってト
ランプを籠絡しようとしている。


北は核ミサイル完成に向けて「時間稼ぎ」をしているに過ぎない。短兵急
な対応は極東に危機をもたらしかねない。安倍が、懐疑的な姿勢をくづし
ていないのは救いだ。

ここはトランプの“前のめり”にクギを刺す必要がある。トランプは自国の
防衛のため北に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を破棄させても、日本は
核兵器や細菌兵器を搭載可能なノドン200発を向けられたまま、置き去り
にされかねない。極東情勢が激動の時に国会は朝日新聞に扇動されて野党
が森友だの加計だのの論争に明け暮れしているが、いいかげんに目を覚ま
せといいたい。

米大統領は普段はホワイトハウスの小さな記者会見場に姿を見せること
はないが、韓国特使との会談後現れたトランプの姿を見て、「危うい」と
感じたのは筆者だけだろうか。

北に踊らされて、はしゃいでいる姿だ。韓国の特使の報告に全て乗せられ
て金正恩との会談を、千載一遇のチャンスと飛びついた感じが濃厚だ。ト
ランプは北との直接交渉に持ち込むことによって、4半世紀にわたって米
国大統領を翻弄(ほんろう)し続けてきた北の核ミサイル問題を一挙に解
決出来ると踏んでいるのだろうか。そうなら愚かとしか言いようがない。
まずここは真偽の見極めが先決だ。

トランプはロシアゲートのスキャンダルでメディアの攻撃にさらされ、支
持率は30%台と、歴代大統領でも最低の状態にある。秋には中間選挙が
あり共和党は指導力欠如の大統領のせいで苦戦を免れない。

ここは外交に突破口を見出すしか道はないのだ。その弱点を狙って金正恩
はまず韓国の左派大統領文在寅を落とし、ついでトランプを落とそうとし
ているのだ。北の最終的な狙いはまず包囲網を分断し、米軍を朝鮮半島か
ら撤退させることにある。

全てがそこに向けての布石であると考えるべきなのに、トランプは目先の
舞台ばかりに目を奪われているかのようである。トランプが“伝言”だけを
頼りに「彼らの声明はとてもポジティブなもので、世界にとっても素晴ら
しい」と手放しで賞賛するような事態ではないし、韓国特使らに米朝首脳
会談を「即答」するほど、軽い問題でもない。

まずトランプは韓国の「伝言」だけに頼らず、北の外交の本質を見極める
必要があるのだ。本質とは徹底した欺瞞外交である。史上数知れぬほど国
際社会を欺いてきた北朝鮮は、2005年には、6者協議で@核計画の放棄A米
国による体制の保証B北への経済支援ーに応じた。

経済援助を得た後は、どこ吹く風で核兵器の製造にいそしんだ。今回も同
様の手口を取ろうとしているのだ。金正恩が@非核化に尽くすA核・弾道ミ
サイル実験を控えるB米韓合同演習を理解する事などを条件に、米側に早
期のトップ会談を求めている。

もともと@からBまでは米国が北に条件として提示しているものであり、金
正恩はこれを受け入れる決断をしたことになる。しかし、問題は「非核
化」が何を意味するかだ。米国は合意を急ぐあまりに詳細を詰めない妥協
をしてはならない。北に関してはつねに「やらずぶったくり」を懸念しな
ければならない

。せっかく作った“貧者の宝物”である核ミサイルを手放すとでも考えてい
るとすれば甘い。そもそも10年前とは前提条件が様変わりしているのだ。
10年前の北の要求は「核兵器製造計画を放棄する代わりに体制を保証す
る」であったが、今回は「核ミサイル攻撃能力を持った上で米国と対等に
話し合う」路線となっている。

要するに核ミサイルプログラムの再稼働を常にちらつかせながら、次から
次へと譲歩を引き出す作戦なのだ。過去にジョージ・W・ブッシュもその
作戦にはまって北をテロ支援国家から削除したが、時を経ずして核開発は
再開だ。

従って、たとえ話し合い協議に入っても、現行の厳しい国際制裁を維持す
る必要があることは言うまでもない。そればかりか北が核ミサイルを全て
破棄し、国連の視察を受け入れて、それを確認するまで手綱を緩めてはな
らないのだ。北に関しては、全てを疑ってかかるのが常道なのだ。

韓国の 文在寅は4月末にも金正恩と会談、トランプは5月までに金正恩と
会談する ことになっている。しかし、一連の会談は長い非核化の道への
第一歩に過 ぎない。安倍は会談を急ぐ必要はあるまい。一連の接触を見
極めた上で行 動に移せば良いことだ。むしろ安倍は、4月のトランプとの
会談では、北 の手玉に取られないようトランプに友情ある説得をするこ
とが肝要だ。

日米は核とミサイルを放棄させるための確たる態勢を整え、最大限の圧力
を 今こそ継続しなければなるまい。韓国の文在寅は度しがたいから説得
は利 かないが、トランプには拙速を戒め、冷静な見極めを求めるべきだ。
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