2018年03月13日

◆国会は、不毛の森友問題に拘泥しているときか

                             杉浦 正章


緊迫の極東情勢に目を移せ

朝日は倒閣マニアと化した

問題は政府・自民党の封じ込め戦略がどこまで通用するかだ。封じ込め戦略とは森友学園への国有地売却の決裁文書が置き換えられていた事件を、財務省理財局内の不祥事にとどめられるかどうかだ。封じ込めに失敗すれば政権を直撃する「政局」マターだが、カギを握るのは、センセーショナリズムの極致を行く朝日新聞とこれに扇動される野党などではなく、自民党内の動向だ。


これまでのところ党内の空気は落ち着いており、事件を契機に政権に揺さぶりをかける動きには発展していない。様子見という状況であり、当分腹の探り合いが続くだろう。
 

揺さぶりをかける方法があるとすれば、野党は財務省トップである麻生太郎の辞任をまず求め、ついで麻生に責任を取らせ、安倍へと波及させるしか手はない。しかし、政権側は先手を打った。国税庁長官佐川宣寿の辞任と懲戒処分によるトカゲの尻尾切りである。麻生は「あくまで理財局内での一部の職員によって行われた。その最終責任者は当時の理財局の佐川局長である。私の進退は考えていない」と突っぱねた。
 

問題はこれによって事態が収束に向かうかどうかであるが、朝日の13日付け紙面作りを見れば、ますます煽りの姿勢を強めている。安倍にとって最悪の事態は麻生の辞任であるが、これは国会における与野党攻防の力関係が決める。野党は総選挙の大敗北で勢いに今ひとつかけるが、問題は与党内に反乱が起きるかどうかだ。自民党内はいまのところ筆頭副幹事長小泉進次郎がキャンキャン吠えているにとどまっている。


しかもその発言は「自民党は官僚に責任を押しつけるような政党ではない。その姿を見せる必要がある」と婉曲的に政治家の責任を求めている段階だ。一方、党内野党の元幹事長石破茂も「だんだん、つじつまがあわなくなってきたのかもしれない。なんでこんなことになるのか。仮に事実だとすれば、誰がどんな思惑でこんなことになったのかなということだ。与党側として、仮に不正な、少なくても法に照らして適正でない問題をかばっていると思われたら、自民党の名誉に関わることだ」と突き放し始めた。
 

しかし、これら潜在的反安倍勢力の弱点は、安倍に対抗しうる候補が存在しないことだ。まず政調会長岸田文雄は、まだ海のものとも山のものともつかない。安倍からの禅譲狙いしか戦略の決め手がないように見える。ここは“待ち”の姿勢が正しい。石破もその派閥勢力が20人では、立候補するのが精一杯であり、安倍支持勢力には及びもつかない。安倍支持は出身の細田派に加えて、麻生派、二階派だけで所属国会議員の半数を上回る。この3派の結束は今のところ固く、幹事長二階俊博も「安倍さんへの支持は微動だにしていない。野党のいうがままに総辞職することなどない」と発言している。
 

安倍と麻生の盟友関係は固いうえに、麻生を辞めさせれば、防波堤が除去され野党はかさにかかって安倍攻撃に戦略を移行させる。ここは安倍も麻生も布団をかぶって降りかかる火の粉を避けつつ、駆け抜けるるしかない。一方公明党も麻生の進退に関しては慎重だ。公明党代表・山口那津男は麻生の進退について「求められるのは財務省の態勢を建て直す責任をしっかり果たすこと」と、選択肢から除外している。

 そもそも決裁文書の書き換えはけしからんと鬼の首でも取ったように朝日は書き立てるが、焦点は国会への開示文書では「特例的な内容となる」「本件の特殊性」という文言が、なくなっていたことにある。しかしこの部分はあくまで主要部分の書き換えではなく、付随した部分に過ぎない。朝日や野党はこのような重箱の隅をつつくような問題ばかりをクローズアップさせて、重大事件扱いし、何が何でも安倍政権を倒閣に追い込むという姿勢が鼻につく。朝日は13日の紙面は1面から4面まで倒閣路線を貫いている。もはや倒閣マニアのレベルだ。

TBSなど民放も明らかに放送法に規定される「中立な報道」を逸脱した報道が目立つ。そこには、マスメディアにあってはならない平衡の感覚の欠如が著しく存在する。おりから極東情勢は激動含みで推移しており、米朝対話も日本抜きで進みかねない。いまこそ外交安保が喫緊の課題であるにもかかわらず、朝日と民放と野党の浅ましいばかりの挙げ足取りはいいかげんにせよと言いたい。


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