2018年05月21日

◆ミャンマー経済の高度成長が

宮崎 正弘


平成30年(2018年)5月20日(日曜日)通巻第5706号 

 ミャンマー経済の高度成長が止まった。ヤンゴンの不動産は30%の暴落
  ロヒンギャ問題とスーチーの無能が欧米に非難され、将来に暗雲

4年前まで、ミャンマーへの期待が爆発的に大きく、市場規模が膨らむと
の予測によって世界中から投資が集中していた。民主化され、ノーベル平
和賞のスーチーがミャンマーを率いると分かって将来への発展の夢が大き
く拡がった。

街の中心に位置するトレーダーズホテルは10年ほど前にも宿泊したことが
あるが、バアに「神風」というカクテルがあった。旧日本軍がミャンマー
の独立を支援した由来からか、日本の人気は凄かった。

その近くには鴻池組など日本企業が建設した、20階建ての耐震構造複合ビ
ル「さくらタワー」が聳え立ち、オフィスと住居兼用のタワービルに外国
人駐在員が集中し、なんと1平米100ドルというレンタル料金。ヤンゴン
の象徴といわれた。

驚いたのは為替の自由化に伴い、ドルショップを開業した日本企業もあっ
たことだ。もちろん、日本料亭、居酒屋。。。。

安倍首相もミャンマーを訪問し、日本が総力を挙げてのティラワ工業団地
の着工式もあり、直後に筆者も現地を再訪し、あちこちを取材したが、ダ
ンプが行き交い、工事の槌音高く、付近には団地も造成されていた。

件のトレーダーズホテルは予約が満員で、代金も200ドルを超えていた。
仕方なくすこし離れたビジネスホテルに宿を取ったが、そこも100ドル前
後だった。偶然ミャンマーで鉢合わせした山口元大使さえ、ホテルが取れ
ず、民宿のような旅館にお泊まりだった。

首都のネピドーへ行くと、この新都市は宏大な森を開墾して造ったので、
新緑がまぶしく、ホテルはヴィラッジ形式で、静かで落ち着いた雰囲気も
あった。
 
第2の都市マンダレーはもともとが華僑の街、朝からホテルでウィスキー
をあおっていたのは、大概が雲南省からきた宝石商などの華僑だった。


 ▲なぜミャンマー経済は失速したのか?

突然、ミャンマーに不況の風が襲った。

スーチーの無能はそれまでにも指摘されていたが、少数民族(シャン、カ
チン、カレン、ワ族、そしてモン族など)への配慮に欠けること。人気が
上滑りである上、ビルマ族中心の政策に非難がおきていた。

決定的となったのはロヒンギャ問題だった。

イスラム系ロヒンギャが集中して住んだ西南部ラカイン州で暴動、内紛、
民族衝突が繰り返され、ついには70万人のロヒンギャは西隣のバングラデ
シュへ避難した。この弾圧的な遣り方に欧米の批判が高まり、投資が激減
する。

ところがラカイン州は沖合にガス、石油の海底油田があり、中国はこの地
を起点に雲南省昆明へと770キロのパイプラインを稼働させている。
 つまり中国にとっては資源戦略の拠点なのである。

2014年から2015年にかけて海外からミャンマーへの投資は95億ドルだった。

それが2017年から18年予測で57億ドル(うち46億ドルが中国からだが)に
顕現する。

熱い視線を送り、東京とヤンゴンには直行便も飛んでいる日本は、どうす
るのか。

日本企業の目玉は三菱グループが中央駅付近を「ヤンゴンの丸の内」にし
ようと手がけるツインタワーで、2020年の完成を目指している。

ところが、ヤンゴンの指標と言われた「さくらタワー」はレンタルが一平
方100ドルから、なんと3ドルに急落した。

 弱り目に祟り目、スーチー政権は末期的症状を呈する。この隙をつい
て、ヤンゴン政府に急激に密着しているのが中国という構図である。

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