宮崎 正弘
平成30年(2018年)5月22日(火曜日)通巻第5708号
中国とインド国境に未曾有の金鉱脈。「第2の南シナ海」に化けるのか
中国、チベットの深奥部で大規模な鉱山開発を着工、一帯に投機ブーム
中印国境紛争は昨夏、73日間にわたる軍事緊張のあと、モディ・習近平の
トップ会談で、相互に150メートル後退して「停戦」が成立した。しか
し、その後も軍事的緊張はすこしも緩和されていない。
インド側からいえば「十年前に、こんにちの南シナ海の状況が予測できた
か」という懸念の拡大になる。つまり、中国が1962年の中印戦争以来
「(インド領の)アナチュル・ブラデシュ州は、もともと中国領だ」と言
い張っている以上、いつ侵略されるかわからないからだ。
日本の尖閣諸島が中国領だと言って、隙を狙っているようなものである。
ところが、インドの国境付近で最近発見された金鉱脈はレアアースなどほ
かの戦略物資をふくみ、その埋蔵は未曾有の規模と地質学者等が判定し
た。付近一帯が沸き立った。
開発すれば最低に見積もっても600億ドルのレアメタルだとされ、俄に
開発ブームがおこり、評判を聞いて、四川省から移住する人まで出はじめ
した。
実際に深く坑道が掘られ、精製工場らしき設備も整って、かなりの鉱夫が
入植した。
当該鉱山の場所はチベット自治区のルフンゼ(中国名は隆子県)。省都の
ラサから直線距離で南東へ200キロ。すでに山岳を削りトンネルを掘っ
て、中国側は道路を造った。
付近はルパ族というチベット系の少数民族が暮らす村々が点在し、毒蛇
が多いため鉈などで武装、また独特の部族の踊りが有名で、近年は中国の
諸都市から漢族の観光客がエキゾティックは踊りを見に来る。
ルパ族は僅か3500人しかいないため、中国の支配に抵抗するほどのパワー
は持ち合わせていない。
インド側からみるとアルナチュル・ブラデシュ州の北側、インドの保護国
ブータンから北東に位置し、中国軍の活発な動きが観測される。とくに
ブータンの北部に冬虫夏草を密漁するシナ人が目立ち、対立関係が続くと
ころである。ブータン北部は、いつの間にか中国に侵略されている地区が
ある。
金が掘れるとなれば、中国はインドとの国境防備にますまる力を入れ、気
がつけばあっと驚く軍事施設になっていたなどと懸念されるように、陸の
「南シナ海」に生まれ変わるかも知れない。
2018年05月23日
◆中国とインド国境に未曾有の金鉱脈
at 09:00
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