2018年06月17日

◆中国との危ないデータシェア

宮崎 正弘


平成30年(2018年)6月7日(木曜日)通巻第5719号 

 フェイスブック、中国との危ないデータシェアを認める
  華為ばかりか、レノボ、OPPO、TCLのスマホとも

米議会が燃えるようにいきりたって、フェイスブックを糾弾している。同
社は世界60のデバイス・メーカーと契約し、データシェアをしている。こ
のなかに中国の華為技術(フアウェイ)、レノボ、OPPO、TCLのス
マホが加わっていた。

すでに米国連邦政府ならびに軍、公務員は華為(フアウェイ)、
ZTE(中興通訊)の使用を禁じられており、また米軍兵士は華為、
ZTEのスマホの使用を禁止されている。

議会で「中国制裁」を騒いでいるのはなにも共和党の対中強硬派だけでは
なく、民主党とのシューマー上院議員(ニューヨーク選出)、ペロシ院内
総務など、どちらかといえばリベラルな議員のほうが、この問題では過激
である。フェイスブック問題は連邦議会で超党派の合意がある。

折しもトランプ政権は中国との貿易戦争でロス商務長官と劉?副首相との
会談が数回なされ、そして物別れに終わり、報復関税の出動が近いとされる。

中国が土壇場で出してきた妥協案は「もし、関税強化を引っ込めるのな
ら」という条件付きで、米国から700億ドルの買い物をするなどという曖
昧な風呂敷だった。

もっともフェイスブックに関しては、10代の利用者が離れつつあり、
『ニューズウィーク』(6月12日号、日本版)によれば、13−17歳の利用
率はユーチューブが85%、インスタグラムが72%、スナップチャット
が69%で、フェイスブックは51%、ツィッターは32%に落ち込んでい
ることがわかった。
        
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIE 
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 不思議な独裁者、習近平が現代中国にどうして生まれたのか
  あの日中友好ムードが、何故とげとげしい日中関係に陥没したのか

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石平v 矢板明夫『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』
(ビジネス社)
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 じつにスリルに富んだ体験談に溢れた本である。
ともに文革時代を中国で生きて、目の前で起きた惨劇を体験しただけに全
ての経験談が迫真に満ちているのだ。
 「子供の時分からこのような密告社会に身を置いていると、結論として
は誰もホンネを言わなくなる。嘘しかつかなくなる」(矢板)という実体
験が身に染みる。
 誰も信用しない社会は表面上、のっぺらぼうのシステムに見える。
 残留孤児として天津で育った矢板氏は、日本人であることがすなわち
「外国のスパイ」だとしていじめにあった。
ところが田中訪中があって、日中国交回復がなると、途端にちやほやされ
始め、その豹変ぶりになんとも言えない違和感を抱く。

対談相手の石平氏のほうはと言えば、両親は大学教授だったがために「知
識青年」として下放され、少年期を石さんは祖父の元で育った。漢方医
だった祖父は論語を教え、世間の常識を教える人だった。
 それでも周囲の環境を見ながら育つから、世の中はこんなものだと認識
していた。
 毛沢東の写真が掲載された新聞に芋を包んだだけで処刑されたおばさん
がいた。肉は配給で週に一度。極貧のなかにあっても、アメリカはもっと
貧しいと洗脳され、中国は世界一幸せな国民と信じてきた。
あの時代、情報が閉鎖され、操作されてきたからである。

 地獄の十年といわれた「文革」が終息し、やっとこさ大学が再開される
と、一斉に統一試験が行われたが、高校の先生と現役の生徒と、そして老
齢のひとも一斉に試験を受ける有様だった。生徒が合格し、先生が落ちた
という悲喜劇もあった。
 日本の映画が解禁されるや『君は憤怒の河を渡れ』と『幸せの黄色いハ
ンカチ』が凄まじいブームとなって、中国では高倉健がヒーローになっ
た。中野良子がヒロインだった。
 当時は日本を批判する社会的ムードは皆無に近く、友好友好と叫んで、
すこしでも日本に近付こうという社会風潮になった。
 北京大学をでて「配給された」仕事場が四川大学。そこで教鞭をとるこ
とになった石平氏は、本当のことを教えると周りから疎まれ、やがて日本
留学中の友人から『日本に来たら』と誘いを受けた。
じつに衝動的に日本語も出来ないのにふらりと日本に留学を決めたという。

 天安門事件で批判の嵐に直面した中国共産党は、突如『反日』に舵取り
を換え、爾後、中国において日本は敵となった。

無知蒙昧の大衆を統治するには、つねに仮想敵を必要としているからだ。
 なにしろ日本の温泉ブームにあやかった中国で、ならば一儲けと温泉発
見のために、日本から専門家を呼び寄せたが、それが『スパイ』とイチャ
モンをつけられて、まだ一年以上も勾留されている。我が物顔で中国にい
た「日中友好屋」も、なぜかスパイといわれ、まだ拘束されている。不思
議な国である。

習近平がいかに無能であるかを、両人はその体験を踏まえて、実例を具
体的に挙げて描き出す。じつに示唆に富んでいる。

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