2018年06月28日

◆マティス国防長官、3日間北京を訪問

宮崎 正弘


平成30年(2018年)6月27日(水曜日)通巻第5738号 

 マティス国防長官、3日間の日程で北京を訪問
  米中間の軍事対立、緊張が増大するか、緩和方向か

 6月27日、マティス国防長官は北京空港に降り立った。米国防長官の正
式な中国訪問は4年ぶりである。

 討議される問題は次の5つであろう。

南シナ海:すでに7つの島嶼に軍事基地を建設し、3つには滑走路を造成
した中国はアジア最大の軍事的脅威だが、この海洋ルートを航行する船舶
が当該諸国にもたらす貿易額は3兆4000億ドルにも達する。

米海軍は「航行の自由作戦」を実施して、中国の南シナ海での軍事行動を
牽制してきたが、中国は自国領海であると嘯いたまま不法占拠を続けている。

米国は引き続き、自由航行作戦を堅持する。

台湾問題:台湾海峡を挟んで中国と台湾はにらみ合いを続けているが、と
くに近年、中国海軍は空母を導入して台湾制圧を目的として軍事演習を繰
り返してきた。また台湾併呑を平然と嘯く中国共産党の脅威に台湾は揺れ
ている。

米国は台湾への武器供与を増やした上、海兵隊が私服で台湾に駐留している。
 
ボルトン大統領補佐官は、沖縄の海兵隊を台湾へ移転し、台湾の安全保障
の角度を高めよと主張している。

トランプ政権は「一つの中国政策」を反古とする姿勢に転じ、「台湾旅行
法」を先に成立させた。つまりトランプ大統領の訪台も、蔡英文総統のホ
ワイトハウス訪問も合法とされたのである。

中国は激しく反撥するものの、それ以上の言動はない。

米中軍事交流:今年からリムパックに中国軍を招聘しない方針をきめたト
ランプ政権だが、これまでの「太平洋司令艦隊」を「インド太平洋司令艦
隊」と改称し、その守備範囲をインド洋にも拡げた。また前司令官のハ
リー・ハリスを駐韓大使に任命し、北東アジアの安全保障へのコミット継
続を強く示唆した。

双方の軍事交流は再開されても低レベルのものに後退するだろう。

 北朝鮮問題:6月12日の米朝会談直後に、みたび金正恩は訪中し、習近
平に報告した。中朝関係の「蜜月」を内外に印象づける目的があるが、か
えって中朝関係がぎこちなく、お互いが猜疑心でみていることが読み取れる。

非核化の約束を北が守るか、あるいは中国はそのことに何処まで深く絡ん
で入るのかをマティスは中国共産党高官との対話を通じて体得するだろう。

メディアの米朝会談の評価は低いが、なにがなんでもトランプのやること
をけなすリベラル派のメディアの偏見を割り引けば、それなりの成果をあ
げた。ともかく鎖国してきた北の頑迷な扉をこじ開け、北朝鮮ははじめて
外の世界に触れたのだ。

軍事力検証;当時、ゲーツ国防長官が訪中し、胡錦涛主席と面談した折、
中国は成都においてステルス戦闘機を公開し、むしろ知らなかった胡錦涛
が慌てた。ヘーゲル国防長官が2014年に訪中したときは、中国海軍が空母
「遼寧」に招待した。

米国も米中軍事技術交流が盛んな頃には最新の宇宙基地などを中国軍の高
官等に見せた。このようなお互いの軍事力の検証は、今後も続けられるだ
ろうか?

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