2018年06月30日

◆人民元、11日間連続で3・8%下落

宮崎 正弘

平成30年(2018年)6月29日(金曜日)弐 通巻第5742号 

民元、11日間連続で3・8%下落。向こう6ヶ月は下落容認か
   中国人民銀行筋。「輸出競争力を高め、米国の利上げには呼応しない」

 人民元が下落を始めた。11日間連続で、(6月13日のレートに対して)現
時点(6月28日)までに3・8%の下落ぶりだ(1ドル=6・60人民元)
もし数年前の1ドル=8人民元レベルに戻るとすれば、1人民元は17円
から13円になる。

中国人民銀行筋は「米国との貿易戦争に対応するため、人民元の輸出競争
力を持たせるためであり、米国の利上げによる市場の反応ではない」と
言っているが、それは実情を反映していない。

人民元は準固定相場で操作されているため、一日の変動幅は2%。した
がって、下落方向は継続的な介入でも、徐々にしか下落しないメカニズム
となっている。ウォール街は「向こう6ヶ月、人民元は下落傾向」と予測
している。

直接的に下落が始まったのは6月14日からで、海外オフォショア市場の人
民元取引からである。ドル需要が高まるのは、米国の金利であり、人民元
を高い裡に売って、とりあえずはドルに交換するのは投資家の常道である。

また通貨危機に対するヘッジである。

しかし人民元はどこまで崩落するのか。
 
もとより人民元レートは高すぎたのである。なぜなら為替は金利と経常収
支が二大要素、この列に3番目の要素として政治的要因が加わる。

市場関係者は米中貿易戦争が直接的原因とみる向きが多いが、やはり金利
である。通貨は金利の高いほうへ流れるのは自然の摂理。次に経常収支で
あり、中国の外貨準備が事実上、急激に減っており、対米黒字が激減すれ
ば、外貨が枯渇することは明らか。
 
この傾向を確認すれば、中国から投機資金も逃げ出す。それが今回の人民
元下落の根底的な要因である。
      
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIE 
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 いまさら指摘されるまでもないが、日本の宣伝下手は直らないなぁ
  悪辣な嘘放送を中国はなぜ、アメリカで執拗に展開しているのか

                  ♪
ジェイソン・モーガン『アメリカも中国の韓国も反省して日本を見習いな
さい』(育鵬社)
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いやはや題名通りの内容だが、表現された日本語が平明でありすぎるの
で、何故だろうと訝しんだ。

著者のモーガン氏はなるほどニューオーリンズに生まれ、大学では中国史
を専攻、韓国で英語教員。そしていま日本の麗澤大学で教鞭を執る。

いまの大学生はまったく敬語の使い方を知らないことに驚いて、そのせい
か、本書の叙述が平明すぎるほどやさしい日本語になった。それが意外に
効果的なのも、題名の所為である。なぜならアメリカと中国、韓国に静か
に落ち着き払って、しかし反省を促しているからである。

傲慢という治癒の見込みがないDNAの共通性をもつ米・韓・中と、「謙
虚な」、いや謙虚すぎる日本人との文化比較は、いままでにもさんざんな
されてきたし、歴史捏造に関しても、議論は尽くされている。

さはさりながら、いまも日本人は若いアメリカ人からみても自虐的であり
すぎ、反省することが好きなようだ。これは可笑しい、とモーガン教授は
驚くばかりだ。自省もほどほどにして、これを克服しなければいけないと
説く。

本書の中に展開された多くの指摘のなかでも、「情報戦争に後れを取る日
本」という項目がとくに重要である。

KGBは冷戦時代にアメリカ社会に入り込み、イメージ作戦で情報を繰っ
ていたが、その一例をヘミングウェイにみる。

KGBは「まず、ヘミングウェイ、スタインベッグといった作家、ジャー
ナリストたちをソ連に招きました。彼らの金銭欲や名誉欲を刺戟し、『貧
しい国のために協力してもらえないか』などといって正義感をくすぐり、
巧みに操ることで、ソ連が書いて欲しいものを書かせた」

これを真似る中国は「他国のメディアを買収したり、大学などの公共機関
に多額の寄付をし、中国批判をする学者にビザを与えないなど、様々な手
段を講じて、中国批判ができないようにしています」。

戦争前夜からスメドレーやエドガースノーらは中国に買収され、アメリカ
人大衆を洗脳した。

「日本は悪い国だから何をされてもしようがない。だから原爆投下や大空
襲などでの民間人の犠牲は仕方がなかった」と免罪符にしたのである」。
著者は続けてこういう。

「自国の所業を正当化するために悪人に仕立てられた日本、という訳で
す。アメリカのドラマや英語でもよくこのような陰謀が描かれ、嵌められ
た主人公は戦いますが、日本も戦わないと永遠に悪者扱いされるでしょ
う」(71−72p)。

本書はとくに大学生、高校生によんで欲しいと思った。
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