2018年08月02日

◆竹下派が“分裂総裁選”へ

                                  杉原 正章


“ラスプーチン”も暗躍

自らの将来を思うと暗然とした気分にならざるを得ないのが元幹事長・石
破茂だろう。依然として自民党総裁、すなわち首相への道は見えてこない
と言わざるを得ないからだ。ジタバタすればするほど、先が見えなくなる
のが石破の置かれた立場のように見える。

それにもかかわらず参院竹下派が、たった21人とはいえ石破支持に動くの
も解せない。どうも暑さで政治家も、意識が朦朧として判断力が鈍ってい
るかのようだ。

竹下派は保守本流を行く名門派閥だ。遠く吉田派に端を発し、佐藤→田中→
竹下→小渕→橋本→津島→額賀→竹下派と続いてきたが、常に時の政権の基盤
となる動きが目立ったものだ。

ところがここにきて9月の総裁選で参院側が各派のトップを切って総裁選
への態度を決定、石破を推す流れとなった。参院竹下派は31日、幹部8人
が会合、石破支持の方向を確認したのだ。「反旗」をかかげたが、一方
で、竹下派の衆院議員は、経済再生担当相茂木敏充らをはじめ首相支持派
が8割以上に上る見込み。同派は分裂投票となる。

派閥会長竹下亘は、板挟み状態となった。判断力が試されている。総裁選
の大勢は、事実上細田、麻生、岸田、二階の4派の支持を取り付けている
安倍の圧倒的優位は変わらない。

新聞はすぐにこうした動きを「森友・加計を抱える安倍への国民の不信
感」に結びつけたがるが、森友・加計は1年半たっても何も政権直撃の疑
惑など生ぜず、朝日と野党の結託が生じさせた虚構にすぎない。

加えてこの参院竹下派の動きの背景には政局と言えば顔を出す怪僧ラス
プーチンの暗躍がある。政界引退後も竹下派に影響を持つ元参院議員会
長・青木幹雄だ。

今回の青木の“仕掛け”は極めて個人的な原因に根ざしているようだ。鳥取
出身の石破が、前回の参院選における「鳥取・島根」合区選挙区で青木の
長男、一彦の再選に尽力したことへの“返礼” の意味があるといわれてい
るのだ。

引退後も“参院のドン” は健在ということになる。竹下派の参院議員らも
「石破を支持して安倍に圧力をかける」と威勢は良いが、この選択は得る
ものが少ないことを分かっていない。

というのも大きな政局の流れは安倍の3選が確実であり、安倍政権はあと
3年継続する。安倍の後は岸田が本命であり、岸田政権は6年は続くだろ
う。当然安倍の後を石破も目指そうとするだろうが、安倍支持グループの
大勢が石破を推すことはまずあり得ない。岸田を推す者が多いだろう。

そうなれば、石破派と支持グループは、かれこれ10年冷や飯を食らうこと
になりかねないのだ。10年の冷や飯ということは、政治家にとっては夢も
希望も失せるのであり、致命傷だ。従って石橋支持の選択肢はいずれ潰れ
るのが落ちだ。

青木も「真夏の夜の夢」を見るのは自由だが、議席を失ってまで政局に口
を出すのは「年寄りの冷や水」と心得た方がよい。

こうした中で幹事長二階俊博が31日、ソウルで「安倍総理への絶対的支
持を表明する。国民が真のリーダーシップを託せるのは安倍総理をおいて
他にない」と支持を表明。

衆参で総裁選対応が割れる可能性が出てきた竹下派についても、「私らの
グループはこっちが安倍さんを支持し、そっちが誰かを支持するとか、そ
んな器用なことはやらせたことはない。そんなのは派閥とは言えない」と
酷評した。確かに総裁の選択という重要局面で衆参の判断が異なるとは、
派閥の体をなしていない。名門竹下派も凋落したものだ。

こうした中で派閥間の動きも活発化しはじめており、31日夜には岸田、石
破、前経済再生相・石原伸晃、元防衛相・中谷元が会合。石破が岸田に
「私が立候補の際はよろしく」と支援を要請するなど、水銀柱の上昇と比
例するかのように生臭さが一段と強まってきた。


この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。