2018年08月08日

◆紅海ルートの原油は一日480万バーレル

宮崎 正弘


平成30年(2018年)8月3日(金曜日)通巻第5777号  

 紅海ルートの原油は一日480万バーレルという生命線
  イスラエル、多国籍軍もしくは有志連合の軍事行動に参加の用意

8月1日、ハイファの海軍幹部学校卒業式に臨んだネタニヤフ首相は、も
しイエーメンの武装組織フーシ(イランの代理兵をいわれる)が、攻撃を
続けるのであれば、イスラエルとしては選択肢が狭まり、多国籍軍あるい
は有志連合が組織されるなら、それに参加する用意がある」と演説した。

これは先週、サウジアラビアのタンカー弐隻が、バアルマンダブ海峡を通
過中に、イエーメンからのミサイル攻撃を受け、一隻が被弾し、サウジが
「当面の間、紅海ルートからの原油運搬を取りやめる」としたためである。

バアルマンダブ海峡は、紅海の出入り口にある狭窄な海峡で、幅は29キ
ロ、イエーメンの対岸はジブチとエリトリアである。

エリトリアはエチオピアの出口に位置し、ジブチには米軍基地、自衛隊、
英国軍に加えて中国人民解放軍の軍事基地があり、アデン湾の海賊退治を
主任務に日夜警戒し、タンカーなどの安全航行を護衛している。この航路
を通る船舶は夥しく、アデン湾からスエズ運河を抜ける多くの船舶がある
が、とりわけ原油タンカーが一日に480万バーレルを運ぶ、もっともクリ
ティカルな航路である。

一方、ホルムズ海峡に関しては、イランが閉鎖する用意があるといえば、
ポンペオ国務長官は「イランを支配するのはマフィア。経済制裁を強化す
る」などと言葉の戦争をエスカレートさせる一方で、トランプ大統領は唐
突に「イランの指導者といつでも会談する」とした。これに対してもイラ
ン政府の反応はまだない。
      

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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIE 
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上海の観光名所「新天地」の隅っこ、ひっそりと中国共産党第一回大会記
念館がある

嘘で固められた歴史改竄の原点が、これだ

  ♪
石平『中国五千年の虚言史』(徳間書店)
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先週から中国で大騒ぎとなっているのは偽ワクチンである。すでに45万人
分が、投与された。いまのところ死人が出ていないが、当局は製薬メー
カーの16人を逮捕した。吉林省の怪しげなワクチン・メーカーは、偽薬
で大儲けしてきた札付きのブラックと言われた。

かつては中国製ペットフーズで、米国の犬猫およそ1万匹が死亡したた
め、爾来、米国では中国製に慎重である。粉ミルクでは中国国内で赤ちゃ
んの死亡事件が続出した。

日本関連で言えば「毒餃子事件」があった。日本に来る中国人ツアーは必
ず日本製の粉ミルクを爆買いした。

前々から評者(宮崎)も、口すっぱく言ってきたが「中国人は朝起きてか
ら寝るまで、生まれてから死ぬまで嘘をつく」のである。五千年、一貫し
てそうなのである。

この本は元中国人だった石平氏だからこそ、「嘘が中国の文化である」と
断言できるのである。

そもそも「五千年」という歴史そのものが真っ赤な嘘であり、中国史は、
秦の始皇帝から延々と、ひたすら嘘だけが述べられている。

本書は、それを王朝ごとに、きわめて簡潔に、何が嘘であり、真実が奈辺
にあるかを秦、漢、新、後漢、三国鼎立、随・唐、宋、元、明、清、忠仮
眠国(中華民国)。そして現代の習王朝までの偽史を適格に暴く。

生活も出世も、すべてが嘘で塗り固められている。イデオロギーも、文学
も、嘘に満ちていて、だから中国は一級の芸術が出てこなくなった。

なぜこうなったのかを石平氏は次のように解き明かす。

「日本では『嘘つきは泥棒の始まり』であるが、中国では『嘘つきほど成
功する』なのだ。清王朝末期の李宗吾という儒学者は歴代の皇帝や古来の
英雄を分析し、1911年から『厚黒学』『厚黒経』といった、乱世を生きる
中国四千年の成功哲学についての論考を発表した。(中略)成功の要諦
は、『面の皮は城壁より厚く、腹は石炭より黒く生きよ』というものであ
り、いかに鉄面皮で恥知らずになるか、そしてどこまでも腹黒く、自分の
利益のために何でもすることが重要だと説いている」のである。

いまの中国人が学校で習う嘘だらけの歴史は、共産党がいかに由緒正し
く、しかも抗日戦争を戦った主体であり、権力に合法性があるかを徹底的
に偽史観の塊で記述している。

共産党は匪賊、山賊が本質であり、抗日戦争は国民党が戦ったという真実
を語ると「偽史」と批判される。でっち上げの成功例が「南京大虐殺」
「731部隊」などだ。

なにしろ「第1回共産党大会」なるものが、すこぶる怪しいのである。

上海の観光名所「新天地」にひっそりと中国共産党第1回大会記念館があ
るのだが、嘘で固められた歴史改竄の原点が、これだ。

この場所は元フランス租界である。会場となったのは李漢俊の自宅だっ
た。評者(宮崎)も、何回か上海にある「中国共産党第1次全国代表大会
跡地記念館」を見学したことがある。

飾ってある金ぴかの銅像、初回参加者13名のレリーフ、当時、確かに参加
はしたが、チンピラでしかなかった毛沢東が、会議で発言しているオブ
ジェも飾られていて、思わず吹き出しそうになる。

共産党は陳独秀が創立した。この指導者は歴史から殆ど抹消された。
周恩来はこのとき巴里にいて、会議には欠席しているし、戴季陶は、この
ときすでに党を離れて、日本にいた。

ならば誰々が参加したのか?。

 李漢俊(東大出身)、李達(東大)、陳公博、包恵僧(陳独秀の代
理)、張国寿、劉仁静、陳譚秋、董必武(日本大学)、毛沢東、何淑衝、
トウ恩銘、王尽美、周仏海(東大)、この13人にコミンテルンからマーリ
ンと、ニコリスキーが派遣されていた。

欠席にもかかわらず陳独秀が委員長となり、役員も決められているが、そ
こに毛沢東の名前はない。つまり、毛沢東はこの時点でヒラでしかなく、
彼の主導権が確立されるのは、鄭義会議以後である。

さて石平氏は、その後、この創立メンバーの悲運をたどる。

共産党史が決して語らない事実とは、李達はいったん離党し、共産党政権
成立後復党するが、「毛沢東を批判したため、文化大革命で惨殺された。
李漢俊ものちに中国共産党を離党、国民党に加入したが、国民党の分裂・
紛争の中で処刑」となった。

「陳公博と周仏海は王兆銘政権に参加し、日中戦争でも日本に協力したた
め、戦後の中国では『売国奴』扱いされた。結局、中国共産党のなかで順
調に生き延びたのは、毛沢東と董必武の2人しかいない」のである。

つまり、共産党などと独自の自主的な政党を名乗るなど僭越であり、実態
はコミンテルンシナ支部でしかなかったのだ。

目から鱗の、真実の中国史は、それならいったいどうなるのだろう?
    
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