2018年08月31日

◆一箇大隊をアフガニスタンへ派遣

宮崎 正弘


平成30年(2018年)8月29日(水曜日)通巻第5808号 

 中国人民解放軍、一箇大隊をアフガニスタンへ派遣
  ジブチに継ぐ海外軍事基地を「訓練基地」を称して建設。

地図を拡げていただくとアフガニスタンの特徴的な地形、その細長い回廊
が、中国の新彊ウィグル自治区へと繋がっていることが分かる。この回廊
は通称「アフガン回廊」(ワクハン回廊。350キロ)と呼ばれる。

このワクハン回廊の中国に近いバダクシャン地区に、中国人民解放軍は訓
練キャンプを設営し、一箇大隊を派遣する。ジブチに継いで2番目の海外
基地となる。中国は「訓練キャンプだ」と言い逃れている。中国軍の1箇
大隊は500名。

目的は何か? アフガニスタンの無法地帯から、この回廊を経てウィグル
の若いイスラム戦士らが、新彊ウィグル自治区へ潜入している。

中国はかれらを「テロリスト、分裂主義者、過激なイスラム教徒の取り締
まり」だという。中国が具体的にテロリストと分類しているなかには、
「東トルキスタン独立運動」が含まれている。

「東トルキスタン」が正式の国名であり、中国が戦後のどさくさに乗じて
侵略し、新彊ウィグル自治区などと勝手に命名した。「あたらしい辺疆」
という意味である。チベットを「解放した」と詐称するのと同じ詭弁である。

さてことしのSCO(上海協力会議)にアフガニスタンは正式メンバーと
なって、習近平の「シルクロード」構想に加わった。これが伏線だったのだ。

アフガニスタン政府は、領内「アフガン回廊」に中国軍の訓練基地を認め
た。中国の狙いは表向きテロリスト対策だが、もうひとつはアフガン領内
にある豊饒な鉱物資源鉱区だろう。
       
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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 ヒトラーはルーズベルトの挑発をことごとく黙殺した。
  米国は「東洋にヒトラーの代役」(つまり戦勝国史観の悪役)を捜し
あてた

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チャールズ・カラン・タンシル 渡辺惣樹訳『裏口からの参戦』(草思社)
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副題は「ルーズベルト外交の正体 1933−1941」である。分厚い翻訳本、
しかも上下二巻。渡辺惣樹氏の名訳。斯界に衝撃を与え続ける翻訳者は、
どうやって、このたぐいの名著原典を探し出すのか、不思議である。

本書は1952年に「戦勝国史観」に対するアンチテーゼとして刊行され、米
国の歴史学界において、一部の歴史学者からは高い評価を得たが、ルーズ
ベルト大統領一派は、攻撃、侮辱を重ねて、本書を排斥した。チャールズ
はジョージタウン大学などで教鞭を執ったが、晩年は左翼からの罵倒に
よって恵まれない環境のなかに生涯を終えた。

真実を言う学者は、どの世界でも冷遇されるものである。

しかし66年ぶりに日本で甦ったのだ。

反日家だったルーズベルトは、国民世論が絶対的に参戦反対というムード
の中で、じつは軍の高層部も日本との戦争には反対だった。それならば、
謀略を仕掛けて日本に真珠湾攻撃をしでかすように仕向け、まさに「裏
口」から第二次世界大戦へ雪崩れ込んだ。その具体的なルーズベルト政権
の騙しの方法がどうであったかを歴史を溯って詳述する。

まずドイツだった。しかしルーズベルト外交の裏の意図をヒトラーは戦略
的に先回りして、読んでいた。

ヒトラーはアメリカの挑発に乗らなかった。黙殺したのだ。

反日戦争屋のスティムソンが、1940年に陸軍長官となった。矛先は明瞭に
日本に向けられた。

スティムソンは、日記にこう書いた。

「問題はいかにして日本に最初の一発を撃たせるかである。もちろん、そ
れが我々にあまりにも危険であってはならないが。。。」

その翌日にハルは日本に最後通牒を突きつけたのだ。

ヒトラーが拒否した役回りを日本の政治家にふることをルーズベルトは決
めた。

「ルーズベルトはシグナル役を東洋に見つけた。そして真珠湾攻撃が起き
た。彼が待ちに待った死の曲を演奏するシグナルとなる事件を日本がおこ
してくれた」。

直前までの和平交渉からハルノートへいたるまでの表向きの歴史は、すで
に多くが語られた。日本が戦争回避に必死だったことは誰もが知っている。

問題は「語られなかった」水面下の動きだった。

米軍は「天気予報」の暗号で「東の風、雨」というダミー暗号から、日米
開戦が不可避となってことを事前に知っていた。これらの詳細は本書にあ
たっていただくことにして、真珠湾攻撃当日、次のホワイトホウスのなか
の動きの描写はきわめて印象的である。

「真珠湾攻撃の報が届く前のホワイトハウスの執務室は穏やかだった。外
から入る電話を遮断していた。大統領は、切手のコレクションを静かに整
理し、ポプキンズは大統領の愛犬ファラと戯れていた。そして運命の午後
一時が過ぎた。しばらくして日本軍による真珠湾攻撃をしらせる報が届い
た。そうしてアメリカはあの大戦に引きずり込まれた。そして大戦が終
わった今も、共産主義国と戦い続けている有様である」

翻訳者の渡辺氏はフーバー大統領の『裏切られた自由』、フィッシュの
『ルーズベルトの開戦責任』の翻訳もこなしたが、この本をもって日本人
インテリに『是非読んで欲しい三部作』としている。
        
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1781回】                 
――「支那人は不可解の謎題也」・・・徳富(6)
  徳富蘇峰『支那漫遊記』(民友社 大正7年)

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徳富は満鉄経営の問題点を挙げながら、「滿鐵に必要なるは、創業の氣分
也。然り創業の氣分なり」と説く。やはり初心忘るるべからず、である。
さて、昭和20年8月15日の敗戦のその日まで、満鉄経営首脳陣は「初心」
を貫いたといえるだろうか。

10月10日、大連を発ち営口に向う。

これまでの観察から、「眞の滿洲の富は、寧ろ關東州以北にある可し。更
らに進んで云はゞ、奉天以北にある可し。或は長春以北にありと云ふが、
尤も恰當の言ならむ」とする。「長春以北」といえば、その先に北満が控
え、要衝のハルピンを東西に貫いて東清鉄道が奔り、東に向えばウラジオ
ストック、西に向えば満州里からチタを経てモスクワ、ペトログラードに
繋がる。ならば日本の進む道は革命ロシア(ソ連)を相手に北満を押さ
え、東清鉄道に対し圧力を与え、あわよくば北満産業の大動脈であり生命
線である東清鉄道を影響下に置くことあるはずだ。

かつて満洲最大の交易港であった営口も、いまや「其の血液の大部分を、
大連に吸ひ取られ」てしまい、「衰殘の形骸に過ぎざるが如し」。

満州の2大河川といえば、北流してハルピン郊外を過る松花江と南流して
営口で渤海湾に注ぐ遼河である。前者の流域一帯には「露國の勢力注入せ
られ」、後者流域は「英國の勢力區域」である。徳富は遼河を西に越えて
遼西地方に入った後、海岸沿いに南下して中国本部と満洲を限る山海関を
経て秦皇島に至った。

日本は遼河の東側である遼東地方についてはともかくも、英国の影響下に
ある遼西地方に至っては関心を払わない。「遼河は實に支那に於ける、自
然的大動脈也。此の大動脈を、如何にせんとする乎。而して此の大動脈の
流域たる遼西を、如何にせんとする乎」と疑問を呈する。満州経営のリス
クと将来性を考えるなら大連一辺倒は危険であり、遼西地方に対する考え
ておくべきだ、というのだろう。

京奉線で天津を経由して北京入りしたのは10月13日午後9時近くだった。
 北京では紫禁城、文華殿、孔子廟、国子観、天壇などの旧跡を訪ねてい
るが、それらの建物の落?ぶりを眼にし、数年前に洪憲を名乗り念願の帝
位に就きながら内外からの強い批判を受けて帝政を取り止め憤死した袁世
凱の人物評を下している。

「袁世凱は誤魔化を以て始終せり。死者に鞭つは、吾人の屑とせざる所
なるも、彼が本性は、端なく此處にも暴露せらる。彼は根本的の施設家よ
りも、一時の間に合せ的の仕事師」に過ぎない。「彼の帝政も亦た、槿花
一朝の夢たりし也。而して今後袁翁に代りて、支那を統一するもの、知ら
ず何人ぞ」。

北京では段祺瑞総理、馮国璋総統、段芝貴北京衛戍司令官、梁啓超財政部
総長、曹汝霖交通部総長、湯化龍内務部総長、汪大燮外交部総長など当時
の中華民国政府首脳と面談している。

はたして彼らの中に「今後袁翁に代りて、支那を統一する」ことのできる
人物を見い出すことが出来たのか。以上の要人には釋宗演も顔合わせを
し、その際の人物評を『燕雲楚水 楞伽道人手記』に見ることができる。
同一人物に対する徳富と釋宗演の評価の違いを知るのも一興か。

先ず段祺瑞については、「小男にして、顔色??、顴骨秀で、眼の玉きよ
ろりとして、極めて落ち着きたる風あり。支那人には、恐らく珍しき寡默
にして、且つお世辭の少なき男なる可し」。

一見したところ、「聰明の人」なのかどうか判然とはしない。だが「多少
意志あり、且つ自信ある人」のようでもある。「些か一本調子にして、鼻
先強きに似たり」。以上は「唯だ余が印象」に過ぎない。

徳富にとって段は期待できる人物ではなさそうだ。

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