2018年09月29日

◆中国を名指しで激越に非難

宮崎 正弘


平成30年(2018年)9月28日(金曜日)通巻第5838号   

 トランプ、国連安保理事会で中国を名指しで激越に非難
  「中間選挙に介入し、民主党に勝たせようとしている」

国連総会で演説を終えたトランプ大統領は、こんどは安全保障理事会に
出席(しかも議長役)、ここでは中国を名指しして批判し、「11月の中
間選挙に介入している。中国はわが政権を嫌い、民主党に勝たせようとし
ている」と吠えた。

「中国への貿易戦争に勝っている。歴代経験がなしえなかった貿易戦争
で、アメリカ経済はよくなってきた。中国はこれまでにも米国を騙しつづ
けてきた。不公平な貿易を展開してきたうえ、わが政権が防衛に転じる
や、民主党に肩入れする宣伝活動をなし、11月の中間選挙に介入してい
る」。

現実に中国はアメリカの新聞に折り込み広告を挟みこみ、中国の政治的プ
ロパガンダを活用して、「中国は公平な貿易をしており、健全な中米関係
を維持したいと希望している」などと意見広告を盛んに訴えている。だ
が、これらの宣伝活動は合法であり、非合法の諜報活動でないことは明らか。

むしろこれから予測されるのはネット世論、保守系サイトへのハッカー攻
撃、代理人を使ってのツィッター作戦などで、テレビ番組への浸透なども
行われるだろう。また「実業家、シンクタンク、映画界、ジャーナリス
ト、宗教指導者等に中国の宣伝を吹き込もうとしている」とトランプ大統
領は批判のオクターブを挙げた。

その場に出席していた王毅外相はただちに反論し「中国はどの国にもいか
なる選挙干渉を展開したことはないし、いまの大統領の指摘には証拠が開
示されていない」とした。しかし、来週、ペンス副大統領が、これらの証
拠書類を用意して、ふたたび中国の干渉を批判する第2弾を放つことに
なっている。

トランプ政権は中間選挙で苦戦と伝えられるが、史上空前の高値をつけて
いる株価、未曾有の失業率の低さ、好景気などの状況下では与党が断然有
利である。

したがって致命的な失策さえなければ、共和党の辛勝、とくに上院は過半
数確保という展望があり、なんとしても、トランプを追い込みたい野党
が、中国のトランプ攻撃に歩調を合わせる場面はおこりうるかも知れない。

     
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1795回】            
――「支那人は不可解の謎題也」・・・徳富(20)
  徳富蘇峰『支那漫遊記』(民友社 大正7年)


 ■「(一四)高帽と和寇」

 「事實の如何は兎も角も、支那人の目には、日本人は前垂掛けたる海賊
にあらざれば、高帽を戴きたる和寇の如く映ずる也」。日本人は「支那の
物を、泥坊同樣に持ち去」り、「日本人のみ得」するように振舞っている
と見ている。こういった見方は「大いなる誤解にして、且つ畢竟支那人の
僻み根性より出で來たる幻影」というものだ。

 だが顧みて日本人は「餘りに多く自己本位に過ぎたるにはあらざるな
き乎」。「多く吾が便宜、都合、利?、収穫を見て、一切他を顧慮せざる
にはあらざるなき乎」。

 「若し自己本位の標準を以て律せば、支那人、未だ必ずしも、日本人
の下に就」くことはないだろう。また「彼の利己主義を無視し、我が利己
主義のみを主張するに於ては」、必然的に「彼より嫌忌せられ、憎惡せら
るゝ」ことになる。

 かくして徳富は、その原因は兎も角も、こういった印象を「支那人に與
へつゝある一事を、記憶す可きのみ」としながら、このまま「日支親善を
實行するの困難なるは、言ふ丈が野暮也」と。

 だが、少し考えれば思い当たるはずだろう。どのような状況にあれ
「日支親善を實行する」などということは最初から至難だということを。
であればこそ「日支親善を實行するの困難なるは、言ふ丈が野暮也」など
と“ご託宣”を垂れること自体が、「言ふ丈が野暮」ではなかろうか。


 ■「(一五)歐米人と日本人」

 「歐米人の支那に於て、仕事をなすや、何處となく鷹揚也。自から大な
る利?を取る」が、アバウトな取引をするから「利益の若干は、目の外に
漏れ出」す。その「漏れ出」して利益が「支那人の最も悦び、最も好み、
最も樂しむ所」なのだ。これに対し日本人は、「利?は愚ろか、芥も、塵
も、水も漏さぬ樣、之を己に撈ひ去」ってしまう。

「西洋の支那人と呼ばれたる獨逸人さへも、尚ほ一切の取引」において
は買弁を呼ばれる中、人仲介業者を配して、彼らに利益を与えている。と
ころが日本人ときたら「斯る仲介機關を排除して、概ね直取引を做」して
利益の独占を図る。

 山東省で状況をみたところ、「獨逸人必ずしも寛大」ではなく、「日
本人必ずしも苛酷」というわけではない。
にもかかわらず山東人は「獨逸支配の往時を、謳歌し」ている。それとい
うのも、「獨逸人は支那人に、下請負を做」さして利益のおこぼれを与え
ているが、「日本人は、一切萬事」を我がものにしてしまうからだ。

 買弁という仲介者を置くような制度は「支那人と直接に取引するの、
能力を有する日本人」にとっては無用だといえる。だが買弁制度があるか
ら、彼らは「歐米物資に對しては、所謂る非買同盟の如き事は、容易には
行はれ得」ない。だが日本との取引には買弁制度がないため、日貨非買・
日貨排斥運動は簡単におきてしまう。

じつは買弁は「寧ろ中以上の資産、勢力を有する輩」であればこそ、彼
らは自らの力で「縱令支那人の一部に非買同盟の出で來たらんとするも、
之を防止する」ことになる。
なぜなら彼ら買弁は社会的に力を持っているからこそ、自らの商売を窮地
に陥れるような非買同盟などの活動を許すわけはないからだ。

これに対し収支を厳格にしすぎる日本の場合、「支那人と何等利?の共
通なき、日本物資に於ては、何人も之を未然に防ぐものなく、既然に抑ふ
るものなき也」。
だから「支那取引の上」で日本人は欧米人より多くの利益を上げているに
も拘わらず、その利益以上の「代價を、拂ひつゝあり」、しかも「此の代
價や、格外の高價と知るべし」。 
確かに!
     
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