2018年10月01日

◆今月の法律コラム

川原 俊明


 平成30年7月6日に、民法及び家事事件手続法の一部を改正する
 法律が成立しました(公布は同年7月13日です)。

 民法のうち相続法の分野についての改正ですが、
 改正項目は多岐にわたります。

 その中で、今回は、相続人以外の者の貢献を考慮するための方策が
 定められましたので、一部紹介いたします。

【例題】
 A子は、40年前にB男と結婚しました。B男は長男でしたので、
 B男の母親(父親はすでに他界)と長年同居してきました。
 他に兄弟は妹のC子だけです。
 A子とB男の間にはこどもはいませんでした。

 しかし、30年前にB男に先立たれました。
 B男には、「両親を頼む」と生前頼まれていたため、
 B男の死亡後も、10年間一人でB男の母親の介護を、
 働きながら行っていました。

 C子は母親と折り合いが悪く、母親の介護は一度も
 手伝ってくれませんでした。最近、B男の母親も亡くなりました。

 母親には500万円の預貯金の遺産がありました。
 A子はこの500万円のうち、一部でも相続できるでしょうか?


 現行法では、答えは×です。A子は一切相続できません。
 C子が500万円すべてを相続することになります。

 しかし、今回の改正で、相続人以外の者の貢献を考慮するための
 方策が定められ、A子はC子に金銭請求することができるように
 なりました。

 母親から直接相続するわけではありませんが、 これまで
 報われなかったA子の貢献が報われるようになるということです。
 もし、C子と話し合いがつかなければ、
 裁判所で金額を決めてもらうことができます。

 但し、相続開始及び相続人を知った時から6か月、
 または相続開始から1年という期限があるので、
 早めに請求しないといけません。
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