2018年09月30日

◆中国は「世界のゴミ箱」へ

宮崎 正弘


平成30年(2018年)9月28日(金曜日)弐 通巻第5839号   

中国は「世界の工場」から「世界の市場」、そして「世界のゴミ箱」
  トランプ・安部の「日米共同声明」を読んだか?すごい内容が盛り込
まれているゾ

相変わらず日本のメディアの唐変木。

2018年9月27日、国連総会に出席した安倍首相とトランプ大統領の「日米
主要会談」が引き続きNYで行われ、「共同声明」が発表された。安部首
相は23日のNY到着直後にトランプの私邸に招かれて2時間余の夕食をと
もにしており、入念な打ち合わせが行われていた。

したがって日米共同声明には、重大な内容が盛り込まれているが、日本の
メディアは、最重要事項をスルーして、貿易面での合意事項を重箱の隅を
突くように弄(ほじ)くって、日本のビジネスにどういう影響があるの
か、産業界にいかなる影響がでるのかなどと矮小な問題的だけを分析して
いる。
 
商人の目線、本質を探るより、水面上の泡(あぶく)だけを見て、「ああ
だ、こうだ」と騒ぎ立てている。

経団連、与党、霞ヶ関にも共通していることだが、それを集約するメディ
アの報道に戦略的思考はどこにもない。

野党も解析能力が稀薄なうえ、国際情勢の認識力がゼロに近いため、
TAG(日米物品貿易協定)はTPP精神に反するとか、アメリカに譲歩
しすぎだから安部首相を追求するとか。

TPPから離脱した米国と、日本の貿易交渉は、これから二国間交渉とな
ることは明白であり、日米間でFTA(自由貿易協定)を結ぶことになる
だろう。その前に車の関税はしばし棚上げし、当面はTAG協議をおこな
う。つまり、日本が譲歩したのではなく、アメリカ側の譲歩ではないのか?

第一に「日米共同声明」は、米国が従来の親中路線をかなぐり捨て、敵視
政策への転換を明確に示し、規制と制裁をかけるが、日本はそれに同調す
ると同意しているのである。

噛み砕いて言えば、中国は「世界の工場」から「世界の市場」となって、
世界的な企業がチャイナチャイナと喧噪を示したが、その勢いは止んで、
流れは明白に変わり、中国はやがて「世界のゴミ莫迦」となるが、それを
助長すると行間が示唆している。

第二に知的財産権が盗まれ、ハイテク企業が中国資本に買収され、本来、
自国が得るべき所得が中国に環流したことをトランプは猛烈に批判し、
「グローバリズム拒絶」「愛国主義」に立脚する政策に立ち帰ると言った。

このトランプの国連演説は、中国を批判して止まないクドロー、ボルト
ン、ナバロの考え方が基調にある。ところが、当初はクドロー、ボルト
ン、ナバロを非難してやまなかった米国のメディアも議会人も、それを忘
れて中国批判に同調している。中国批判は、いまや米国のコンセンサスで
ある。

グローバリズム拒否というのは「イデオロギー」を拒否するという意味
で、国境の壁を撤廃し、規制をなくし、つまりは国家を解体すると面妖な
グローバリズムという思想では、自由主義本来の市場まで破壊されかねない。

公平なルールを遵守し、双務主義に基づく交易という原則に立ち戻ろう、
それが「愛国主義」だと主張しているのである。


 ▲日米共同声明の第六項に注目せよ

またトランプ大統領の国連安保理事会、その後の記者会見などで、ウイグ
ル族弾圧の強権政治を批判している。ハッカー攻撃による情報の盗取につ
いても触れた。人権、民主をよびかける程度だったオバマ政権までの米国
の親中姿勢は掻き消え、声明文には、「友好」などという文字がどこにも
見られない。

すなわち最重要事項は下記の「日米共同声明」の第六項である。

 「六 日米両国は、第三国の非市場志向型の政策や慣行から日米両国の
企業と労働者をより良く守るための協力を強化する。したがって我々は、
WTO改革、電子商取引の議論を促進するとともに、知的財産の収奪、強
制的技術移転、貿易歪曲的な産業補助金、国有企業によって作り出させる
歪曲化および過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処するため、日米、ま
た日米欧三極の協力を通じて、緊密に作業していく」

ここでいう「第三国」が中国を指し、その中国による「知的財産の収奪、
強制的技術移転、貿易歪曲的な産業補助金、国有企業によって作り出せる
歪曲化および過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処する」と言っている
のである。

もっと具体的に言えば、フアウェイ、ZTEを米国や豪が排除したよう
に、つぎにテロリストへの資金洗浄として規制が強化された海外送金やド
ル取引に対して、米国は、たとえばフランスのパリバ銀行を処分し、巨額
の罰金を課したうえで、「一年間のドル取引」を禁じた。つまりフランス
の名門銀行も国際ビジネスができなくなった。

これが中国の銀行にも適用される。

米国内においても、軍事技術盗取の中国人スパイをつぎつぎと摘発し、中
国軍に直結する取引をしていた個人や企業の口座を凍結している。ロシア
財閥の在米資産凍結ばかりではない。欧米、とりわけ英仏独、スイスの銀
行も処罰されており、西側の銀行は、中国との取引に慎重となっている。


 ▲だから中国の経済はマイナスに転落する

同日、FRBは利上げを発表した。0・25%上げて、2・00−2・25「%
となる。

するとどうなるのか。世界市場にだぶついてきた資金の米国への環流が始
まる。猛烈な勢いでウォール街へドル資金が流れ込んでいる。

連鎖で、新興国通貨は暴落する。アルゼンチン、南ア、ブラジル、トルコ
などの通貨がどかんと下落したが、もっとも悪影響のでる中国人民元は下
落が目立たない。

なぜなら中国当局が人民元の買い支えをしているからだ。
これまでとはまったく逆で、中国は為替に介入し、人民元を下落誘導して
きたが、いまは下落防止の買い支え、このためにドルを使うから、ますま
す外貨準備は減少し、そのうえで対米貿易黒字が激減しているから、人民
元を買い支えるドルが払底する。

その次?

人民元の大暴落がおこるだろう。

すでに上海株は年初来15・6%の下落を示しており、人民元は4月から九
月にかけて、9%の下落を演じてきた。いかに中国が買い支えても、株価
下落は歯止めがかからず、また人民元は防御ラインのレートをまもなく割
り込んでいくだろう。

米中貿易戦争は終わりの始まりでしかなく、次は金融と通貨戦争に移行する。

もはや「紛争」レベルのはなしではない、熱戦や殺戮兵器を伴わないが、
これは「戦争」である。


▲こんな危機状況に「日中友好」?

このような時に「日中友好40年」とか、日本企業の対中直接投資経済、日
中通貨スワップ、トヨタ、日産などがEV車対応のための工場拡大とか、
パナソニックのリチュウム電池日中協同開発とか、いずれトランプ政権の
制裁の対象になるだろう。
 
中国は、この最悪事態への陥落をさけるために代理人キッシンジャーなど
を使い、米国マスコミへの宣伝を強化しているが、アメリカの政治風土で
いうと、トランプ大統領より、議会は対中強硬派が主流となり、米国メ
ディアは朝から晩までトランプ攻撃に忙しいが、こと中国に関しては、ト
ランプより強硬である。
 つまり米国は挙国一致で、中国を敵視する姿勢に転換している。この深
刻な事態をまったく理解していない日本の財界、企業トップ、そしてメ
ディアは、指摘するまでもなく目が節穴、自滅への驀進を続けるつもりら
しい。 
    
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