2018年10月17日

◆大嘗祭は国事として行うべきである

加瀬 英明


1年以内に、新天皇が即位され、御代(みよ)が替わる。

前号で、私は天皇陛下が来年4月30日に退位され、皇太子殿下が翌日、第
126代の天皇として即位されるのに当たって、もっとも重要な祭祀である
大嘗祭(だいじょうさい)を寸描した。

120代も続いてきた天皇が、日本を日本たらしめてきた。

天皇は日本にとって、何ものによっても替えられない尊い存在であり、日
本国民にとって、もっとも重要な文化財である。

大嘗祭は来年11に、皇居において催される。大嘗祭は法律的にすでに皇位
につかれておられるが、天皇を天皇たらしめてきた民族信仰である惟神
(かむながら)の道――神道によれば、まだ、皇太子であられる皇嗣(こうし)
(お世継ぎ)が、それをもって天皇となられる。聖なる秘儀である。

私は前号で大嘗祭に当たって、皇太子が横たわれ、しばし、衾(ふすま)
(古語で、夜具)に、身をくるまられると、述べた。

これは、天照大御神の皇孫に当たる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、「豊葦
原(とよあしはら)の瑞穂(みずほ)の国(くに)を治めよ」という神勅に従っ
て、赤兒として夜具にくるまれて、天孫降臨されたことから、皇太子が身
を衾に包む所作を再演されることによって、瓊々杵尊に化身されるもので
ある。

今上天皇が今年の新年に宮中参賀のために二重橋を渡った、13万人をこえ
る善男善女に、皇后、皇太子、皇太子妃、皇族とともに会釈され、お言葉
を述べられたが、天皇はモーニングを召された瓊瓊杵尊であられた。

天皇は皇位をただ尊い血統によって、継がれるのではない。

日本では、日本神話が今日も生きている。神話は諸外国では、遠い昔の過
去のものであって、ただの物語でしかない。日本は時空を超えて、永遠に
新しい国なのだ。

歴代の天皇は、日本を代表して神々に謙虚に祈られることによって、徳の
源泉として、国民を統(す)べて、日本に時代を超えて安定(まとまり)をも
たらしてきた。

神道は、人知を超えた自然の力に、感謝する。世界のなかで、もっとも素
朴な信仰である。

教義も、教典ない。人がまだ文字を知らなかった時代に発しているから、
信仰というより、直感か、生活態度というべきだろう。

神道は、人が文字を用いるようになってから、生まれた宗教ではない。感
性による信仰だから、どの宗教とも競合しない。

宗教法人法によれば、宗教法人は教義を広め、信者を教化する団体とし
て、規定している。神道は布教しないし、もし宗教であれば、「信者」と
呼ばれる人々も、存在しない。

アメリカ占領軍は、自国では国家行事や、地方自治体の式典が、キリスト
教によって行なわれていたのにもかかわらず、まったくの無知から神道
を、キリスト教と相容れない宗教だと信じて敵視して、日本に「政教分
離」を強制した。当時のアメリカは、日本を野蛮国とみなしていたのだった。

政府は日本が独立を回復した後にも、現行憲法下で、天皇を天皇たらしめ
ている宮中祭祀を、皇室の「私事」として扱ってきた。

私はかねてから、宮中祭祀は国民の信仰の自由を浸すことがないし、日本
国民にとって何より重要な無形文化財であると、主張してきた。

大嘗祭は、国事として行うべきだ。現行憲法は皇室と日本の姿を、歪め
ている。
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