2018年12月03日

◆今月の法律コラム

                     川原 敏明 弁護士


「相続法改正(遺産分割に関する見直しについて)」

メルマガ108号で、平成30年7月に民法及び家事事件手続法の一
部を改正する法律が成立し、相続法分野が改正されたことをご紹介し
ましたが、今回は、相続法改正の中で、配偶者保護のための方策
(持戻し免除の意思表示の推定規定)がどのように規律されるのかを
まとめてみたいと思います。

婚姻期間が20年以上の夫婦(夫A、妻B)がいました。夫Aは、妻
Bの長年にわたる貢献に報いるとともに、妻Bが老後も安心して自宅
で住み続けることができるようにと考え、妻Bに対し、夫A名義の自
宅不動産を贈与しました。

ところが、現行制度では、贈与を行ったとしても,原則として遺産の
先渡しを受けたものとして取り扱うため、妻Bが最終的に取得する財
産額は、結果的に贈与等がなかった場合と同じになってしまいます。
これでは、夫Aが妻Bに贈与を行った趣旨が遺産分割の結果に反映さ
れません。

そこで、改正法では、婚姻期間が20年以上である配偶者の一方が他
方に対し、その居住用不動産を遺贈又は贈与した場合については、原
則として、計算上遺産の先渡し(特別受益)を受けたものとして取り
扱わなくてよいこととしました。

これにより、贈与の趣旨に沿った遺産分割が可能となり、妻Bは、よ
り多くの財産を取得することができることになります。
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