2018年12月30日

◆トランプ政権、「大統領命令」

宮崎 正弘


平成30年(2018年)12月28日(金曜日)通巻第5931号

 トランプ政権、1月に強烈な「大統領命令」を準備中
  米国市場からファーウェイとZTEを完全に締め出す

最初に報じたのは2018年5月、ウォールストリートジャーナルで、「ホワ
イトハウスは次世代通信技術が国家安全保障の直結する観点から、外国企
業の米国市場における関与を排撃できる権限を商務省にあたえる、あたら
しい大統領命令を作成中である」とした。爾来、8ヶ月、音沙汰がなかった。

英紙タイムズは、英国もカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど
大英連邦諸国の動きに連動し、中国の通信技術が西側の安全保障に重大な
脅威となっているための政治措置を講じるだろうと報道した(12月27
日)。

サウスチャイナモーニングポスト(12月28日)は、1月に発令が予想され
る「大統領命令」は「國際緊急経済措置法」(仮称)と呼ばれるだろうと
して、以下を伝えた。

「過去8ゲ月にわたってホワイトハウス内部で検討されてきたが、いよい
よ最終文面の完成が近く、全米の中小零細の通信企業の商業活動もカバー
する内容だ」。

つまりファーウェイとZTEのスイッチなどを販売している企業にも、外
国製品を使用禁止とするという嘗てない厳しい制約条件が含まれている。
地方では中国製部品が廉価であるため、いまも広範囲で使われている。

文面には中国企業の名指しはないが、あきらかにファーウェイとZTEが
目標であり、中国ははやくから、この動きを牽制するために在中米国企業
に対して、突然の税務検査、品質管理立ち入り、申請事項の不許可、ビジ
ネスの妨害などを行ってきた。
        
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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北斎の浮世絵に挿入されている詞書きを読めば、日本の伝統的な主題が分かる
フランスは西洋の衰退を象徴するほどに文化的に凋落した

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田中英道『日本が世界で輝く日』(育鵬社)
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平成の御代は今上陛下の御譲位によって4月に終わり、新しい元号の日本
になる。新元号は5月1日まで未定なので、ここでは皇紀2679年が始まっ
た、としておこう。

田中氏は神武天皇肇国からの皇紀を尊重されるのはもちろんだが、本書で
日本歴史を論ずるに「16500年」という新解釈を用いておられる。

すなわち縄文時代を測定し、従来の考古学者の遠慮がちな解釈(歴史教科
書はバラバラで1万3000年から1万6000年)を越えて、1万6500年前から日
本の歴史の曙が拓けた、とされる。

このことは評者(宮崎)も、三内丸山、亀岡などの縄文遺跡などをみて確
信しているので田中氏の意見に賛同である。

神道は自然発生的に、われわれの祖先達の祈りと祭りの中枢にあって、日
本独自の文化形成に大きな役割を担った。仏教以前、神道は日本人の日々
の生活に、ひとびとの心の中に浸透していた。聖徳太子以来は神仏混合と
いう、独自な多神教の世界が形成され、世界でも稀有の芸術が確立してゆく。

最近も、パリへ講演に出かけた田中氏は、もはや仏蘭西文化が死に絶えて
いることに改めて失望の念を深くしたという(ついでに書いておきます
が、評者が最初に「憧れのパリ」へ行ったとき(1972年)、『嗚呼、この
町は死んでいる。活気がないなぁ』と思った。若い芸術家がたまるモンマ
ルトルの絵描きたちの販売する絵画を見ながら、なんとつまらない、これ
が最新流行の『アート』なるものかとも思った)。

かつて花の都パリは世界の芸術家が集まって、シャンゼリーゼのカフェに
は綺羅星のように、ヘミングウェイもサルトルも、カミュも藤田嗣治もい
た。ベルサイユ宮殿の設計思想、その城の美はロシアへ、ドイツへ、オー
ストリアへ伝わった。

いまのパリは「力の政治、金銭、物質一辺倒の国」だが、氏の留学時代の
パリは、「欧州文化の粋としてのフランス」だった。

その古き良き時代のパリは劇的に衰退した。(破壊した最大の元凶は移民
だが、そのことを本書では指摘されていない)。

あの「理想のパリのイメージはもはやない」とつい最近もパリに講演に行
かれ、反マクロンのデモを目撃してきたばかりの田中氏は慨嘆するのだ。

代わりにパリの芸術界を席巻し始めたのが日本文化である。とりわけ浮世
絵の研究が進み、一つのブームでもある。

だが、違和感がある。

フランスの画家たちは浮世絵を誤解しているのだ。

田中氏は次を強調される。

「北斎の浮世絵はすべて、日本の伝統的な主題をもっています。とくに彼
らに最も影響を与えた『富岳三十六景』は、富士信仰という、神道におけ
る自然信仰を主題に描かれていたのです。フランスの画家達が発見した純
粋な形、色の世界ではなかったのです。彼らは、浮世絵に添えられた小さ
な詞書きを無視したために、それが単純な版画の色面で組みあわされた、
純粋な形の世界だとおもったのです。(中略)この日本の浮世絵を基礎に
『印象派』が誕生し、これまでの西洋絵画を一変させました。そしてマ
ネ、モネ、セザンヌ、ゴッホ、などによって、北斎は、世界最高の画家の
一人として認知されました」

ところが、西洋の画家は「浮世絵に意味や信仰がない」と誤解し続けた。
 フランスは西洋の文化の衰退を象徴するほどに文化的に凋落する一方
で、ジャポニズムが深く静かに浸透し、日本文化への理解度は極めて高く
なったと田中氏は総括する。

リトアニアに美学者がパリのジャポニズム展の会場で、田中氏に告げたと
いう。

 「今や世界の文化の中心は、フランスではなくて、日本だ」と。
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