2018年12月31日

◆韓国に分かる形で怒り示そう

阿比留 瑠比
                     

2014年6月、ソウルで元韓国外務省東北アジア局長、趙世暎 (チョ・セ
ヨン)氏に慰安婦問題や元徴用工をめぐる訴訟問題についてイ ンタ
ビューした。趙氏は1965年の日韓請求権協定に関し、こう明言し ていた。

「2005年に韓国政府は、反人道的問題である慰安婦問題、サハリン 残留
韓国人問題、韓国人原爆被害者問題の3つは請求権協定の対象に入っ て
いないという解釈を発表した。裏を返すと、徴用工問題は入っていると
いうことだ」

請求権協定をめぐる日韓交渉では、韓国側が「個人への支払いは韓国政
府の手でする」と主張した。そして実際、韓国は1975年に元徴用工へ の
補償を実施し、2008年から追加補償も行っている。

慰安婦問題などに関しては日本政府の見解と相いれないが、徴用工問題
はすでに決着済みだと韓国も自覚していたのである。

それが簡単に韓国最高裁に覆されたのだから、たまったものではない。
31」日の自民党の外交部会などの合同会議では、出席議員の言葉もとがっ
ていた。

「韓国は国家としての体をなしていないんじゃないか」(中曽根弘文元
外相)

「もう怒りを通り越してあきれるというか、韓国のセンスのなさを言う
しかない」(新藤義孝元総務相)

ソウルの在韓日本大使館前に設置されたウィーン条約違反の慰安婦像を
放置していることも含め、韓国が国際条約もルールも守れない非法治国家
であると自己宣伝するのは勝手である。

だが、韓国は中国に対してはこんな暴挙は仕掛けはしない。何をやって
も反撃してこないと、日本を甘く見ているのだろう。
 「非常に残念だ」

岩屋毅防衛相は10月20日、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国 防相
と会談した際に、韓国での国際観艦式で、海上自衛隊の自衛艦旗(旭 日
旗)の掲揚自粛を求められ、参加を見送った問題でこう伝えた。

日本人らしく抑えた物言いだが、これでは意味がない。麗澤大の西岡力客
員教授は、月刊『正論』3月号でこう訴えている。

「日本人は100のことを言いたい場合は50のことを言う。相手が 50のこと
を話したら『本当は100、言いたいのだな』と忖度(そんた く)するわけ
です。でも、韓国人は逆なのです。韓国人は、100のこと を伝えたいとき
に200を言います。相手が200を言ったらそれを 100と受け止める」

難儀な話だが、韓国に対してはそれ相応の対応を取るしかない。徳島文
理大の八幡和郎教授は10月30日、自身のフェイスブックに「日本は何 も
しないと思われるから韓国は無茶をする」と書き、次の5つの報復措置
を提案していた。

 (1)日本人が(朝鮮)半島に残した個人財産への補償を要求(2)対
北朝鮮経済協力の拒否(統一時も含む)(3)3代目以降に特別永住者の
地位を認めない事(4)歴史教科書における(近隣国への配慮を定めた)
近隣国条項を韓国に限って撤回(5)韓国大衆文化の流入制限−。

八幡氏は筆者に「これらは日本が単独でできる」と指摘し、こう付け加
えた。

「日本はここまでやれると見せないと、韓国とは話し合いにならない。
紳士的に対応していたら、韓国政府も(感情に流されがちな)国民を説得
できない」

韓国側にも理解できる形で、日本の怒りを示すべきだろう。

(論説委員兼政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】

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