宮崎 正弘
平成31年(2019年)1月6日(日曜日)通巻第5942号
米国、アメリカ人の中国旅行に「渡航注意」を勧告
22日からのスイス「ダボス会議」で王岐山がトランプと会談へ
1月22日からスイスのダボスで開催される「世界経済フォーラム」(いわ
ゆる「ダボス会議」)にトランプ大統領の出席が決まっているが、中国か
らは王岐山(国家副主席)がチームを率いて駆けつける。
「消防夫」の異名をもつ王岐山は、自らが関連する海航集団の財政スキャ
ンダルのためしばらく鳴りを潜めていたが、昨秋から発言を開始し、広州
の国際会議に登場、つづいて師走にはシンガポールの「ブルームバーグ経
済フォーラム」に登壇し、「米中摩擦はゼロ・サムゲームではない」と発
言を繰り出すようになった。
ダボスで王岐山はトランプと会談し、差し迫った3月1日締め切りの猶予
期限前に、米中貿易摩擦の解決案を最終的に提示すると観測されている。
しかし新年早々に中国中央銀行が22兆円もの流動性発動をアナウンスし
たため、人民元下落が予測され、その下落率によっては高関税分を相殺す
る効果がある。投資家は人民元を売ってもドルが買えないため、日本円と
金へポジションを移行している。
一方、カナダで拘束されているファーウェイの孟晩舟CFOの裁判が2月
6日から開始される。中国は無言の圧力をかけ、既に13人のカナダ人を拘
束した。
米国籍の中国滞在者にも、この圧力が及んでおり、拘束はされていないが
数名が二重国籍を理由に出国禁止処分となって米国へ帰国できず、ジョ
ン・ボルトン補佐官はツィッターで、早く帰国させるべきだとのメッセー
ジを発進している。
米国当局はアメリカのパスポートを持つ国民に対して「中国への渡航注
意」を警告した。
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読者の声(1) どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS
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(読者の声1)貴誌の3日付でしたか、皇居一般参賀で宮崎さんも2時間
半並ばれたと書かれていましたが、小生は5時間でした。
それも正門の閉鎖時間が延び、さらには天皇ご一家のお出ましが、最後に
陛下の希望によって、午後4時にも行われました。
メディアはこのことを伝えていません。あの寒い中に五時間並んでも誰
も帰る人はいませんでした。(MA生、千葉)
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(読者の声2)弐ヶ月ほどツンドク状態だったのですが、貴著『AI管理
社会・中国の恐怖』(PHP新書)を時間をかけて読みました。
いやはや、びっくりすることばかり、北朝鮮のハッカーがアジアや中東の
銀行にウィルスを侵入させ、すでに数十億円引き出したとか、ホテルの顧
客リストから米国連邦政府職員のリストまで中国が盗み出したとかの事件
が連続することは新聞で知っていても、その背後に中国の一貫した国家戦
略があることを、貴著は先駆的に啓蒙的に叙述されていて、非常に参考に
なりました。
会社の同僚にも回覧します。重要な本だと思います。(HI生、茨城)
(宮崎正弘のコメント)ゆうちょ銀行のATMが4日から5日早朝に掛け
て停まりました。米国のマリオット・ホテルは3億8300万人分の個人情報
が盗まれたと発表しています(当初5億人の被害を下方修正)。
小生、海外ではときおりマリオットならびに系列のウェスチン、シェラ
トンに宿まることがあるので、ひょっとしたらパスポート番号が盗まれた
のか気がかりです。
米国は中国の技術窃取阻止のため超党派議員が「枢要技術安全室」をホ
ワイトハウス内に設置する法案を提出しています。日本は、この対策でも
周回遅れ(それも五周ほど遅れています)。
(読者欄は下段につづきます)
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1839回】
――「只敗殘と、荒涼と、そして寂寞との空氣に満たされて居る」――諸橋
(12)
諸橋徹次『遊支雜筆』(目?書店 昭和13年)
△
諸橋やら宮崎滔天の指摘を素直に受け取るなら、とてもじゃないが「同
文同種」などというインチキが罷り通るわけはないのだが、それが声高に
叫ばれしまった。堪え性のない日本人の弱点を見透かされた、ということ
なのか。
諸橋は「曾て私自身が交際を得た學者の三樣の死」を示しながら、思想
方面に於いても「皆己がじし自分の立場を取り得るといふ一つの幅の廣
さ」を語ろうとする。
1人は「湖南の學者葉?輝」で、「民國革命が始まつて間もなく、彼は
舊思想の持ち主であるといふ單純な理由を以て?殺され、財産まで没収」
されてしまう。1人は「北京大學の?授李大?」で、北京のロシア大使館
において「新しき共産黨の持ち主であるといふ意味で殺されました」。残
る1人は「篤実の樸學者王國維といふ人」で、「時勢の日に日に非なる實
情に憤慨して、遂に北京西城の最も景色の好い萬壽山の麓の昆明池の中に
身を投じて死んだのであります」。
つまり1人は「古き思想の持主なるが故に殺され」、1人は「新しき思想
の持主なるがゆえに殺され」、1人は「時勢と相容れざるの故に自ら身を
投じて殺して居る」――この3例から「支那民族の思想の幅の狹さ」を考え
ることは「恐らくは誤」だ。じつは「支那の人々は實は有ゆる思想に對し
て、之に順應し、又之に耐へ忍ぶ幅の廣さを持つて居る」という。
およそ人間が思いつく思想のほとんどが萌芽を見た春秋戦国時代以来、
「混亂せる思想の中に在つて、支那民族は平然と能く之にへ忍んで來
た」。「(思想の)新しきも古きも打つて一丸となして、支那民族は左程
多くの思想混亂を來たして居らない」。一般には赤化が言われるが、「或
は一時政策的に或は方便的に赤化の形を取ることはあるかも知れませぬ
が、安價に之に陶醉するといふが如きことは、恐らくは無からうと考え
る」。「此の點は洵に不徹底な所ではあるが、一面又支那の民族の強い所
であり、不死身であると云はるゝ所以でもある」。
諸橋が「赤化の形を取ることはあるかも知れませぬが、安價に之に陶醉
するといふが如きことは、恐らくは無からうと考え」た記したのは、満州
事変が勃発する1年前の昭和5(1930)年のこと。
それから5年が過ぎた1935年、林語堂は「長期間にわたる苦しい思索、読
書、内省の結果」えられた「自己の観点を披瀝」し、「たとえば共産主義
が支配するような大激変が起ころうとも、社会的、没個性、厳格といった
外観を持つ共産主義が古い伝統を打ち砕くというよりは、むしろ個性、寛
容、常識といった古い伝統が共産主義を粉砕し、その内実を骨抜きにし共
産主義と見分けのつかぬほどまでに変質させてしまうであろう。そうなる
ことは間違いない」(『MY COUNTRY AND MY PEOPLE』=『中国=文化と思
想』講談社学術文庫 1999年)と記した。この当時、共産党は?介石軍の
追撃から逃れ、やっと延安にたどり着いたのであった。
それから14年が過ぎた1949年、中華人民共和国という共産党独裁国家が
誕生する。
1950年代に入る毛沢東の独裁化が進み、1958年の大躍進政策強行で、それ
は頂点に達する。一時後退した毛沢東の権力も1966年に始まった文化大革
命によって一層の強化をみるものの、1978年には事実上否定され、?小平
は新たな国是(金儲け第一主義)を掲げて国民を鼓舞する。
「貧乏は社会主義ではない。儲かる者は貪欲に儲けろ」。そして今や一帯
一路に「中国の夢」である。
20世紀半ば以降、あの国は「方便的に赤化の形を取」って歩んだ。それ
とも共産主義の「内実を骨抜きにし」てしまったのか・・・
いったい中国共産党って何なんデスカ?
2019年01月08日
◆アメリカ人の中国旅行に「渡航注意」
at 09:00
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| 宮崎 正弘
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