2007年07月02日

◆ネオコンよいずこ

                      渡部亮次郎

ジョン・ボルトン (w:John R. Bolton)、国務次官補の国際連合大使 辞任に次ぐポール・ウォルフォウィッツ (w:Paul Wolfowitz)、元国防副長官の世界銀行総裁更迭で、いわゆるネオコンのブッシュ政権からの退却にはカタが付いたのではないか。

彼らネオコンは自ら「ウルカヌス」と称するブッシュ側近を自らの思想でいわば染めようと試みたが、結果は悉く失敗し、ブッシュはいまや典型的なレームダックの老醜を曝している。

但しネオコンそのものは消えるわけではない。厳然として存在し続けるはずである。専門家である学習院女子大学教授の畠山圭一氏は
指摘する。

「フセイン政権崩壊の段階で、ラムズフェルド国防長官やネオコン派の役割は事実上終わっていたと見てよい。ネオコンの位置づけははっきりと変わっている。2年前から。

まだ副大統領チェイニー辞任の可能性も残ってはいるが、政権内ではほぼカタが付いたといえる。だがネオコンの消滅と考えるのは早計。ネオコンの立場からは、あくまでも路線変更ということではないか。フランシス・フクヤマの新著が何よりもそのことを示唆している」。

ネオコンとはアメリカ合衆国における新保守主義(しんほしゅしゅぎ、英:neoconservatism:ネオコンサバティズム、略称:ネオコン)は、保守ムーブメントのひとつ。米国において、ブッシュのタカ派外交政策姿勢に非常に影響を与えて来た。

ネオコンとされている有名な思想家・政治家。

エリオット・アダムス (w:Elliott Abrams)
リンダ・チャヴェズ w:Linda Chavez
リチャード・チェイニー (w:Richard Cheney)、米国副大統領、前国防長官、前ハリバートン会長 リン・チェイニー (w:Lynne Cheney)、チェイニー副大統領夫人、反ネオコン学者の評論家 ジョン・コーニン (w:John Cornyn)、共和党上院議員、元テキサス州司法長官 ダグラス・ファイス (w:Douglas Feith)、前国防次官 デーヴィド・フルーム (w:David Frum) カナダ出身の記者、「悪の枢軸」のことばを発言 フランシス・フクヤマ (w:Francis Fukuyama)、

『歴史の終わり』の筆者、大統領の生物倫理委員会の会員 後にイラク戦争の誤りを認め転向 クリストファー・ヒチェンズ (w:Christopher Hitchens), イギリス出身の解説者 サミュエル・ハンチントン (w:Samuel Huntington)、『文明の衝突』の筆者 アーヴィング・クリストル (w:Irving Kristol)
マイケル・レディーン (w:Michael Ledeen)
ルイス・リビ (w:I. Lewis Libby)
フィリップ・メリル (w:Philip Merrill)、輸出入銀行会長
リチャード・パール (w:Richard Perle)、国家防衛政策委員長

ノーマン・ポドレツ (w:Norman Podhoretz)
ロナルド・ロトゥンダ (w:Ronald D. Rotunda)、ジョージ・メーソン大学法学教授 ポール・ウォルフォウィッツ (w:Paul Wolfowitz)、世界銀行総裁 元国防副長官 ジョン・ボルトン (w:John R. Bolton)、国務次官補、元国際連合大使 マイケル・ノヴァック(Michael Novak)、研究者
ピーター・バーガー(Peter Berger)、研究者


ネオコンは、自由主義・民主主義を世界に広めることを理想とし、軍事政策や外交政策は新現実主義路線を取る。 また、自由主義と民主主義は人類普遍の価値観であると考え、その啓蒙と拡大に努めている。

人間の思考は気候風土に左右されるという原則を根っから無視している。アメリカで成功したから民主主義は人類にとって普遍的な制度であると考えるところはそこらの蛙と変わりない。

「緊急事(同時多発テロなど)にはアメリカの国防に何ら寄与しない」として、国際連合に極めて批判的である。 国際連合の枠外による国活動を主張するが、それは単独主義的であるとして、同盟諸国から批判されることも多い。

「有志連合」などは、国際連合の影響力の及ばない多国籍からなる一時的な国際組織として注目されたが、アメリカ合衆国はこの有志連合を恒久的に維持する姿勢を現時点では見せていない。

ネオコンを支えているのは共和党のイスラエル政策を支持するアメリカ国内在住のユダヤ(イスラエル)・ロビーである。

アメリカのユダヤ系市民はアメリカの総人口3億人に対して600万人に満たないが富裕層の割合が多く、アメリカの国防・安全保障政策に深く関わっている。

在米ユダヤ人は歴史的に数多くの差別を受けてきた経緯から、かつてはリベラル派の民主党支持者が多かった。それなのに反民主党が多くなったのはビル・クリントンのせいである。

クリントン政権が進めた中東政策に対する不満から、共和党に鞍替えしている有権者が多いのである。恨みを込めて民主党が「ネオコン」を蔑称的に使う所以である。

共和党の掲げる中東の民主化政策が結果的にはイスラエルを利することになるからである。また、同時にイスラエルの右派政党リクード党も共和党と利害が一致しているため手を結ぶことが多い。

このような経緯から、2001年に登場した共和党ジョージ・W・ブッシュ政権には数多くのネオコンが参入しており、同時多発テロ以降の強硬政策を推し進めた。

しかし、ネオコンの主張のままに断行されたイラク戦争は、理論と実際のあまりに酷い乖離が暴露された結果、国民の支持を失ったばかりか、戦争の先行きが全く見通せない。

見通せないまま、ブッシュはもはや手をこまねいたままホワイトハウスから逃亡せざるを得ない状況に追い込まれてしまった。私より口の悪い友人は言う。「ネオコン?アメリカ型単純性脳膜炎じゃないの?」まさか、ね。ネオコンはどこで何時息を吹き返すか。2007・07・01
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