2019年03月01日

◆法律コラム

川原 俊明


「不適切動画投稿」

 不適切な動画や写真をSNS上に投稿する行為が、世間で問題と
 なっています。

 例えば、コンビニエンスストアの従業員が業務中に商品で遊ぶ写真
 や動画をインターネット上にアップしたり、会社の従業員が会社を
 誹謗中傷する内容の記事をSNS上に投稿するなど、非常識な事態
 が頻繁に生じています。

 このような不適切な行為がなされることによって、
 いったいどのような法律が問題となるのでしょうか。

 順を追って見ていきましょう。

 まずは、労働法との関係です。
 従業員は、会社と雇用契約を締結して、雇用者として働いています。
 雇用者は、使用者(働いている先の会社)の指揮命令にしたがって
 業務をしなければならず、使用者の監督下に置かれています。

 従業員は、使用者との指揮監督関係に違反したとして、懲戒処分の
 対象となります。

 もっとも、懲戒処分の対象となるかどうかについては、ケースバイ
 ケースといえるでしょう。

 つぎに、民事法との関係についてです。
 従業員が不適切な動画や写真を投稿することで、会社の信用を害す
 るような情報をインターネット上に掲載してしまうと、不法行為
 (民法第709条)が成立するおそれがあります。

 従業員は、被害を受けた会社から、民事上の損害賠償を請求される
 可能性があります。

 それから、刑法(刑事罰)との関係です。
 従業員が、会社を誹謗中傷するような内容の記事をSNS上に投稿
 した場合、名誉毀損罪(刑法第230条)にあたるとして、会社か
 ら刑事告訴されるおそれもあります。

 SNSを通じて、何でも気軽に世界中に発信できる世の中となりま
 した。その反面、容易にSNS被害が生じうることになり、問題も
 山積みです。

 このような不適切な投稿がなされることを少しでも防ぐために、
 会社は、従業員を雇用するときに誓約書を書いてもらうなどして、
 不適切な投稿をしないように周知を徹底するとともに、適切な社員
 教育を施すことが必要でしょう。
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