2019年03月14日

◆韓国の現政権は事実上の敵対勢力

櫻井よしこ


「韓国の現政権は事実上の敵対勢力 日本はあらゆる面から備えるべきだ」

韓国大統領の文在寅氏が、1919(大正8)年3月1日に起きた反日独立の
「3・1運動」の100周年記念日を前に、2月26日、独立運動の活動家、金九
の記念館で閣議を開いた。戦時を除き、政府庁舎以外での閣議開催は初め
てだ。

文氏は、「国家的な意味を込め」た同閣議に先立ち、金九の墓をはじめ、
日本の初代首相、伊藤博文公を暗殺した安重根や日本の要人2人を殺害し
死刑になった尹奉吉ら、日本から見ればテロリストらの墓を続けて参拝し
たと、「産経新聞」が2月27日付で報じている。

他方、康京和韓国外相もスイスの国連人権理事会で異例の演説をした。
2015年に日韓両政府が慰安婦問題で最終的な合意をしたのは周知のとおり
だ。だが康氏は、その内容は「不十分」で、「被害者中心の取り組みを進
める必要がある」と、自国の前政権が誓約した合意を全面的に否定した。

日本側は菅義偉官房長官が「慰安婦問題の最終的で不可逆的な解決を日韓
政府間で確認した。政権が代わっても責任を持って実施されないといけな
い。合意の着実な実施は、わが国はもとより国際社会に対する責務だ」と
述べた。岩屋毅防衛相も自衛隊と韓国軍の関係について「韓国軍から緊張
を高めるような発信がなくなってきている」「緊張は徐々に解消に向かっ
ている」と語ったが、これ以上事を荒立てたくないとの思いで日本側が発
信するこれら警告や見方は通用していない。

戦時朝鮮人労働者問題、自衛隊機へのレーダー照射とその後も続く対日対
立姿勢、慰安婦問題での卓袱台返し、安重根ら礼讃の異例の閣議などは文
在寅政権の反日路線の表明だ。韓国全体の路線でなくとも、軌道修正は非
常に困難だと心得ておくべきだろう。

朝鮮半島全体を、歴史を縦軸とし、現在進行形の国際情勢を横軸として眺
めさえすれば、文氏がこれから直面する深刻な問題も、日本が進めるべき
対策も、明らかだ。

まず、文氏が直面する問題である。文氏は反日を意識する余り、日本を貶
め、日本に協力した人々(たとえば朴正煕元大統領やその長女の朴槿恵前
大統領)を貶め、「親日派」の清算に力を注ぐ。また現在の大韓民国の起
源を前述の100年前の反日独立運動に求め、そのときの政府は大韓民国臨
時政府だとの立場をとる。

文氏はそのうえで、北朝鮮との連邦政府構築に向けて走りたいと考えてい
る。だが、北朝鮮に求愛する文政権に対して、朝鮮労働党委員長の金正恩
氏は全く異なる考えを持つ。

金氏は3・1運動の意義など全く認めていない。従って、その日を祝ったり
もしない。金氏にとって記念すべきは故金日成主席の樹立した朝鮮民主主
義人民共和国の足跡である。祝うべき建国は1948年9月なのであり、1919
年も3・1運動も無意味だ。

この北朝鮮の主張及び公式の立場と、自らのそれをどのように整合させて
いくのかが、文氏の問題だ。文氏は金氏の持論を受け入れて、従来の自ら
の主張や現在の「パフォーマンス的な反日」を放棄するのだろうか。でき
るのだろうか。金氏に認めてもらうのに、そこまで自身を否定し、卑下で
きるのだろうか。そこまでできるのであれば逆に、文氏の大韓民国を滅ぼ
すという信念は本物だと言ってよいだろう。

朝鮮半島の現政権は、ここまで反日である。国民の半分は政権と激しく対
立してはいるが、現政権は日本にとって事実上の敵対勢力であることを日
本は冷静に見て取り、この新たな事態に軍事面を含めてあらゆる面で備え
ることだ。

米国はかつて米国の安全を守る防衛線として、朝鮮半島を除いたアチソン
ラインを引いた。その歴史が繰り返される体制がつくられていく可能性に
具体的に対応するときだ。

『週刊ダイヤモンド』 2019年3月9日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1270

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。