2019年04月02日

◆整形外科治療の光と影(1)

小池 達也(医師)

 科学の進歩に伴い整形外科の領域でも新しい治療法がどんどん登場してきています。いままで、なすすべのなかった状態に救いの手がさしのべられることもありますし、逆に新規治療法により全く新しい副作用の発現もありえます。

そのような新治療法を紹介しつつ、その利点と欠点をわかりやすく紹介してゆきたいと思います。

まず第一回は、実際の治療の話ではなく、研究で得られた結果をどう解釈するかという話です。

「アフリカ原産のドロンゲロンを1週間服用すると膝の痛みが消失!」とか「小池博士考案のJリーグ養成ギプスにて五十肩は瞬間に治る」という様な広告を週刊誌や新聞でよく見かけます。

すべての結果を否定するわけではありませんが、これらの広告には二つのことが欠けています。

ひとつは副作用報告で、もう一つがコントロール群との比較研究の結果です。現在、ある物質が医薬品として認められるためには、無作為化二重盲検試験の結果を示す必要があります。ここにAという薬があって、その効果を証明する必要があるとします。

そのためには、Bというメリケン粉のように効果がないと思われるものを用意する必要があります。

次に対象患者さんを何の意図もなく二つのグループに分けます。
これが無作為化ですが、カルテ番号末尾の数字や誕生日あるいは病院を訪れた順など、いろんなルールを作って、とにかくバラバラに二つのグループに分けます。

そして、A薬とB薬を両グループに投与するのですが、このときに薬剤に第三者が別の名前を付けます。

薬の名前は甲と乙に変わりますが、どちらがAでどちらがBであるかは、患者さんはもちろんのこと、投与する医師にも分かりません(これが、患者も医師も分からないという意味で二重盲検と呼ばれます)。
 
一定期間後に効果を評価し、甲乙の仮面をはがし、確かにAが良く効いていれば、Aという薬の有効性が証明されます。

決して、「診た、使った、良かった」で判断してはいけないのです。

ところが、先に挙げた民間療法などは、この過程をふまえずに評価されています。次は無作為化二重盲検試験の重要性を示す具体例をお示しします。

(大阪市立大学大学院医学研究科リウマチ外科学 )

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