2019年05月22日

◆自衛隊機事故で得た違和感

加瀬 英明



自衛隊機事故で得た違和感 憲法に自衛隊を書き込むべきだ

4月に、わが航空自衛隊の最新ステルス型F35戦闘機が、三沢基地から
訓練飛行中に、青森県の日本海沖合で墜落する事故があった。

はじめの報道では、パイロットが40代の2佐(国際的呼称では中佐)とい
うことだった。尾翼が発見され、殉職した隊員が41歳の操縦幹部で、姓名
が公表された。

最新鋭の戦闘機パイロットが40代だったのは、自衛隊員の高齢化が進んで
いるからだ。

高齢化が、陸海空3自衛隊を蝕んでいる。

列国のジェット戦闘機のパイロットは、30代で引退するものだ。

若者が自衛隊に応募しないために、自衛隊は定員に満たず、陸上自衛隊を
とれば15万人の定員に対して、13万人しかいない。中隊長は旧軍では20代
か、30代だったが、陸上自衛隊では定年直前の48、9歳が、珍しくない。

高齢化は、深刻だ。3自衛隊を年齢の樹に見立てると、幹部(国際的呼称
では将校)、曹(下士官)、士(兵)のうち、曹ばかり異常に多いため
に、腹が突き出して、体を支えるべき脚が細い。

このために、自衛隊は応募の年限が28歳だったのを、昨年から32歳に引き
上げるかたわら、体重の制限も外した。

 それと並んで、防衛省は女性自衛官を増すことによって、補おうとして
いる。

 大手の保険会社が毎年行っている、青少年が憧れている職業の調査によ
ると、警察官は入っていても、自衛官が入ったことが一度もない。国民の
国防意識が弛緩しているのだ。

 私はF35戦闘機が洋上で遭難した直後に、三沢市の種市一正市長が搭
乗員の安否を気づかうことも、殉職に哀悼の意を表することもまったくな
く、陸地における墜落の危険のみを危惧して、飛行再開に反対したことに
唖然とした。

 これも、憲法に自衛隊が書き込まれていないからだ。

 もし、国軍であったとしたら、市長が国民の一人として、このような非
礼を働くことができただろうか。

 岩屋防衛大臣が、今回の訓練中の事故について陳謝したが、陳謝する必
要があったのだろうか。広報として必要であるならば、大臣ではなく、航
空幕僚長か、制服の幹部が行えばよいことだ。

 日本を取り巻く国際環境が厳しいものとなっている時に、自衛隊を鵺
(ぬえ)のような存在にしたままでいることは、許されない。鵺は伝説上の
正体不明の怪獣である。

 政府は「自衛隊は軍ではない」という詭弁を、いまだに改めないでいる
が、国民全員が自衛隊という呼称自体が欺瞞であることを、よく知ってい
よう。

 江戸時代に、禁酒を強いられていた僧侶が、般若場といって誤魔化し、
四つ足を食べてはならなかったので、猪を山鯨と呼んで、兎を鳥だという
ことにして、いまでも1羽2羽と数えるようなものだ。

 自衛隊の存在を認めたうえで、応援している国民の大多数が、「普通
科」(歩兵)「特科」(砲兵)「対地支援機」(攻撃機)「運用」(作
戦)をはじめとする、謎めいた“自衛隊特殊語”を、理解できないでいる。

 いうまでもないことだが、自衛隊と国民、軍と国民は一体でなければな
らない。

 一日も早く、継子(ままこ)となっている自衛隊を憲法に書き込み、国民
の実子にしなければならない。


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