2019年07月08日

◆中国、バングラデシュに本格攻勢

宮崎 正弘


令和元年(2019)7月6日(土曜日)弐 通巻第6131号  

 中国、バングラデシュに本格攻勢
  インドを凌ぐ310億ドルのインフラ建設の大風呂敷

バングラデシュに本格攻勢をかける中国は、BRI(一帯一路)を拡充
し、こんどはBCIM(バングラー中国―インドーミャンマー経済回廊)
構想を打ち上げた。

7月5日に北京を訪問したハシナ(バングラデシュ首相)を厚遇し、9つ
の合意文書に署名した。

とくにインフラ建設協力では電力発電所、道路建設、農業支援などのプロ
グラムを含み、総額310億ドルになるそうな。

嘗て習近平が印度を訪問し、200億ドルの投資を約束した。

その後、実行されている案件は殆どない。アフリカ諸国には300億ドルを
約束したが、実行されたのは88億ドルだった。大風呂敷を拡げるのが得意
な中国は、つねに大言壮語する癖があるが、バングラデシュに対する構想
は、インドのバングラ支援を超える巨額である。

リップサービルだけででもインドを牽制しようとする計算がある。バング
ラは産油国ではないが、人口大国。したがって人件費が安いので、夥しい
中国のアパレル企業が進出している。

そのうえ、南のチッタゴン港近代化工事を中国が応札しており、またミャ
ンマーから移動してきたロヒンギャの批判民援助に中国は2500トンのコメ
支援を約束した。

貧困なバングラデシュだが、隣国ミャンマーのラカイン州から流れ込んだ
ロヒンギャ難民70万人の救済と保護のために世界に支援を呼びかけてお
り、一方でミャンマーが国際的に孤立している。

ミャンマーへの最大援助国である日本はティラナ港整備と工業団地を完成
させ、すでに数百社の日本企業がミャンマーに進出している。

ヤンゴンでは日本食レストランがあちこちに出来た。対照的にバングラデ
シュに進出した日本企業は数えるほどしかない。

中国が敵国インドをBCIM(バングラーチャイナーインドーミャンマー
経済回廊)プロジェクトに加えているのは地政学的見地から眺めるとすぐ
に了解できる。

ミャンマーとバングラの国境は南側のごく一部で、北東部はインドと国境
を接している。バングラはインドに三方を囲まれる形で、前面は海。した
がってインドの保護国と言っても過言ではない。

謂わば南アジアの空白地帯であるバングラとミャンマーに対して、BRI
の一環として中国はBCIMを提示したことになるのだが、いつものよう
に約束は間もなく反古になるだろう。
     
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