2019年07月10日

◆天洋丸の薄焼いわし

馬場 伯明


家庭の主婦に人気と信用が高い「通販生活」という生活情報誌をご存じだ
ろうか(カタログハウス・季刊・180円)。長年講読し利用している。

その2019盛夏号に6カ月頒布会商品として、私のふるさとの「天洋丸の薄
焼いわし」が掲載されている。驚いたことに、何と、A2(新聞1面)大の
表裏・上質紙カラー印刷の特別広告が折り込まれていた。

この商品は妻が購入し食しているが、「このような大々的な宣伝が、な
ぜ、なされているのだろう?」と少し不思議に思いつつも、ふるさとの産
品が全国に宣伝され売れていくのは、とてもうれしい。

本誌主宰者の許しを得て、天洋丸とその薄焼いわしについて、私からも紹
介したい。この商品が健康によいことと、ひとえに愛郷心からという理由
である。通販生活の森川潤・通販生活食品部部長の冒頭の文章を記す。

《拝啓、カルシウム不足の通販生活読者の皆様へ 長崎たちばな湾産 天
洋丸の薄焼いわし 「通販生活ではこれまで2回、長崎橘(たちばな)湾
産の薄焼いわしを紹介してまいりましたが、大変な反響をいただいて、今
さらながら、高齢化社会における骨粗しょう症問題の深刻さを痛感した次
第です。そこで今回〈毎月異なる風味をお届けする6ヵ月頒布会〉として
本格展開することにいたしました。詳細は中面をご覧ください」》と。

この商品の製造方法は? 橘湾の片口いわしを、巻き網船団で獲り、港に
揚げたら10分以内に真水で茹で、屋内で乾燥(酸化防止)させ煮干しを作
る。それを粉砕し鉄板でプレスし薄焼にする。要するに「いわしのせんべ
い」である。澱粉や保存料などは添加せず自然のまま。真水で茹でるので
塩分は1枚(直径65mm)当たり0.026gしかない。おいしく体にやさしい。

産婦人科医師として女性の骨粗しょう症の予防と治療にあたる山王メディ
カルセンター太田博明先生は「現在わが国の骨粗しょう症患者は1,280万
人。その76%は女性です」と警鐘を鳴らす。本品2枚で「いわしカルシウ
ム」約52mg。60代女性のカルシウム不足分は1日52mgなので本品2枚で不足
分を補える。

製造者は長崎県雲仙市南串山町の((株)天洋丸(竹下千代太社長)。竹
下社長(1964年生まれ)は南串中学校・県立口加高校卒の私の後輩であ
り、帰省すれば私も酒の席に加えてもらう。東京海洋大学(旧東京水産大
学*1)に学び、水産関係の企業に勤務した後、田舎へ帰り家業を継いだ。
伝統の漁法を引き継ぎ、昔気質の「漁師」の心を持っているが、大学で基
礎を学んだ水産技術者である。船団を率いて今夜も若者らと漁に出る。

竹下社長は言う。長崎県は片口いわしの本場、漁獲量は年間3万トンで1
位、2位香川県(1.15万トン)、3位広島県(1.05万トン)である。県内で
もとくに橘湾は良質な漁場である。水深36mの平板な海底、北上する外洋
水と有明海沿岸水が湾内で回流し混ざり合い、カタクチイワシの餌になる
プランクトンを発生させる。絶好の漁場環境となる。

今回の商品には、いわしカルシウムの体内吸収を助けるビタミンDなど5種
類の大切な栄養素も入っているという。ビタミンD、ビタミンK、マグネシ
ウム、亜鉛、そしてβカロチンだ。カルシウムの吸収率を高めながら絶妙
の味わいを作り出している。

私事であるが、私の身体はこの「片口いわし」で作られたと言っても過言
ではない。田舎の方言では片口いわしを「エタリイワシ(*2)」と言う。
高校を卒業した18歳まで毎日エタリイワシやアジを食っていた。朝は三枚
おろしの刺身、味噌汁のだしは煮干し、夕食などには頭や骨を含め、から
揚げ、カマボコ、ツミレなどがあった。

私は骨が太く体の強い男に育った。1944年生まれだが病院知らず。現在、
医療機関の「診察カード」を持っていない。骨年齢30歳台、健康診断の数
値は良好で、握力も50kg。2019.6.15の長崎県でのゴルフコンペでは、490
ヤード(パー5)を2オンした(バーディ)。ふるさと・両親・先祖とエタ
リイワシに感謝しなければならない。

高校卒業後大学進学し全国有数の大企業でそれなりに働き、現在も都内の
法人にフルタイムで勤務している。元気に働くことができるのは楽しい。
しかし、振り返れば、自分は育った故郷に何を残したのか、故郷に何か貢
献したのかと、忸怩たる思いが頭をもたげることもある。

島原半島雲仙市も、わが国の少子高齢化の影響を避けられず、厳しい経済
環境にある。その中で、新しい商品や全国の消費者を直接相手にする「通
販生活」などの優れたビジネスモデルにより、既存の伝統産業や商品の販
売が進展している。喜ばしいことだ

本誌読者の方々が使ってくださればこの上ないことである。「天洋丸の薄
焼いわし」の販売の拡大を願い、ふるさとの創生と発展のためにがんばる
竹下千代太・敦子夫妻・家族の健勝と(株)天洋丸の隆盛を心から祈念す
る。(了)(3*)


(*1)若き日、竹下社長と妻敦子さんは共に東京水産大学に学び、学生の
とき知り合い結婚した。敦子さんは浜っ子(横浜市生まれ)の才媛であっ
た。夫の島原半島の漁村へUターンという環境変化をものともせず、4人の
子供を産み育ててきた。「4人の子供。敦子さんは南串山町へ最高の貢献
をしている!」と私は帰省の度に誉める。

(*2)「エタリの塩辛」というエタリイワシ(片口イワシ)を発酵させた
珍味がある。敦子さんが普及させた「エタリの塩辛」は、イタリア・ス
ローフード協会の「食の世界遺産」と称される「味の箱舟」計画に登録さ
れた。小泉武夫先生(東京農大名誉教授)も絶賛した。酒飲みには最高の
つまみである。

(3*)「天洋丸の薄焼いわし」「エタリの塩辛」の購入方法など。
https://www.cataloghouse.co.jp
http://tenyomaru.com/index_qhm.php?%E3%82%A8%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%81%AE%E5%A1%A9%E8%BE%9B
(2019.7.7千葉市在住)


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