2019年07月24日

◆1億総白痴化は成った

渡部 亮次郎


<1億総白痴化(いちおくそうはくちか)とは、社会評論家の大宅壮一
(故人)がテレビの急速な普及を背景に生み出した流行語である。「テレ
ビというメディアは非常に低俗な物であり、テレビばかり見ていると、人
間の想像力や思考力を低下させてしまう」という意味合いが強い。

元々は、1957(昭和32)年2月2日号の「週刊東京」(その後廃刊)における、
以下の詞が広まった物である。

「テレビに至っては、紙芝居同様、否、紙芝居以下の白痴番組が毎日ずら
りと列んでいる。ラジオ、テレビという最も進歩したマスコミ機関によっ
て、『一億総白痴化』運動が展開されていると言って好い。」

又、朝日放送の広報誌『放送朝日』は、1957年8月号で「テレビジョン・
エイジの開幕に当たってテレビに望む」という特集を企画し、識者の談話
を集めた。ここでも、作家の松本清張が、「かくて将来、日本人一億が総
白痴となりかねない。」と述べている。

このように、当時の識者たちは、テレビを低俗な物だと批判しているが、
その背景には、書物を中心とした教養主義的な世界観が厳然としてあった
と考えられる。

書物を読む行為は、自ら能動的に活字を拾い上げてその内容を理解する行
為であり、その為には文字が読めなければならないし、内容を理解する為
に自分の頭の中で、様々な想像や思考を凝らさねばならない。

これに対して、テレビは、単にぼんやりと受動的に映し出される映像を眺
めて、流れて来る音声を聞くだけである点から、人間の想像力や思考力を
低下させるといった事を指摘しているようである。>
『ウィキペディア』

都会でもいわゆる井戸端会議を聞くとも無く聞いていると、テレビが放っ
た言葉や映像はすべて「真実」と受け取られて居る。だから納豆を朝夕食
べれば痩せる、といわれれば、ちょっと考えたら嘘と分りそうなものなの
に、納豆買占めに走ってしまう。

識者はしばしばマスメディアが司法、立法、行政に次ぐ「第4の権力」と
いうが、実態は、マスメディア特にテレビを妄信する視聴者と称する国民
の「妄信」こそが4番目の権力ではないのか。

手許に本がないので確認できないが、若い頃読んだものに「シオンの議定
書」と言うのがあり、権力(政府)がヒモのついた四角い箱を各家庭に配置
し、政府の都合の良い情報で国民を統一操作するという条項があった。

<シオン賢者の議定書
『シオン賢者の議定書』(しおんけんじゃのぎていしょ、The Protocols
of the Elders of Zion)とは、秘密権力の世界征服計画書という触れ込
みで広まった会話形式の文書で、1902年に露語版が出て以降、『ユダヤ議
定書』『シオンのプロトコール』『ユダヤの長老達のプロトコル』とも呼
ばれるようになった。

ユダヤ人を貶めるために作られた本であると考えられ、ナチスドイツに影
響を与え、結果的にホロコーストを引き起こしたとも言えることから『最
悪の偽書』とも呼ばれている。

1897年8月29日から31日にかけてスイスのバーゼルで開かれた第一回シオ
ニスト会議の席上で発表された「シオン24人の長老」による決議文である
という体裁で、1902年にロシアで出版された。

1920年にイギリスでロシア語版を英訳し出版したヴィクター・マーズデン
(「モーニング・ポスト」紙ロシア担当記者)が急死(実際は伝染性の病
気による病死)した為、そのエピソードがこの本に対する神秘性を加えて
いる。

ソビエト時代になると発禁本とされた。現在、大英博物館に最古のものと
して露語版「シオン賢者の議定書」が残っている。>
『ウィキペディア』

議定書は19世紀最大の偽書とはされたが、19世紀末に既にテレビジョンの
装置を予測し、しかもテレビを通じた世論操作を描いていたのだから、偽
書を作った人物なり組織は天才的というほかは無い。

実際、日本では昭和28年のテレビ本放送開始とともに、大衆は力道山の空
手チョップを通じて、電波の魔力にしびれていたが、あれから数十年、い
までは「テレビこそ真実」という妄想を抱くに至った大衆と言う名の「妄
想」が権力と化している。

たとえばテレビがそれほど普及していなかった時代、政治を志す人間に
とって知名度と言うものが、最大のウィークポイントとされた。名前を有
権者にどれだけ知れ渡っているかが、勝敗の分かれ目であった。

しかし、今ではそれはテレビに出演することで大半を解決できる。まして
出演を繰り返すことが出来れば「露出度満点」でたちまち知名度は上が
る。大衆がとっくに白痴化してしまって「テレビは真実」と妄想している
から万全だ。

かくて政治はテレビ制作者に合わせた政治を展開するようになった。国会
の予算委員会がNHKテレビのタイムテーブルどおりに運営されているこ
とを見るだけで明らかであろう。

その実態に気付きながら自身は気付いてないフリをして5年間も政権を維
持したのは、誰あろう小泉純一郎氏である。

成果が上がらないまま、大衆の人気が落ちてくると、テレビは「総理の支
持率が落ちた」と放送し、大衆は更にテレビを信じて支持率を下げる、と
いう何とか循環に陥りながら気付かない。自分自身で考えることを何故し
ないの。

なんで支持しないか、テレビがそういっていたから。どこがいけないかな
んて、私分らない、テレビに聞いて、が実態じゃないか。

このように、大宅壮一や松本清張の指摘したテレビによる「1億総白痴
化」はとうの昔に完成しており、日本と言う国はテレビに振り回される低
級国家に成り下がってしまっているのだ。

したがって政治は真実からはなれてテレビを妄信する大衆の白痴状態に合
わせた流れを辿ってゆくはずである。また若いも中年も思い描くと言う
「痩せればもてる」信仰がある限り、関西テレビがいくら止めても「痩せ
る偽情報」はどっかのテレビから永遠に流れるはずである。2007.03.04


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