2019年10月17日

◆香港武闘派、次の襲撃目標は

宮崎 正弘


令和元年(2019)10月16日(水曜日)通算第6237号  

「香港武闘派、次の襲撃目標はアップルの可能性も」(NYタイムズ)
  なぜ香港上海銀行や長江実業が襲撃対象から外されているのか?

香港の民主化要求抗議行動は、当初の「普通選挙」要求から、政庁ならび
に、香港警察を主敵とし、八月以降は、明確に中国共産党を「敵」と位置
づけるようになった。明瞭は闘争目標の変質である。

武装集団の襲撃目標は新たに中国系企業となって、これまでに中国銀行、
中国建設銀行のATM、中国人寿(最大の生命保険)、スマホ販売では華
為(ファーウェイ)、小美(シャオミ)、蘇寧電器(中国のビッグカメ
ラ)、中国移動(チャイナモバイル)、レノボ(パソコン大手)の販売店
が襲われた。親中派発言をしたという理由でスタバ、優品360,これら
のチェーンは薬局、ベーカリー店舗も含んだ。

10月13日の暴動は多くの逮捕者を出し、一貫して武闘派の襲撃目標と
なってきた旺角警察署近くでは手製爆弾も炸裂したが、上水、長沙湾にあ
る警察官宿舎に大量の火焔瓶が投げ込まれた。

不思議なのは香港経済の象徴である長江実業やヘンダーソンランドの代理
店店舗などは襲われず、中国経済を動かしてきた香港上海銀行などが標的
から外されている。

つまり、植民地時代からの既存企業は、かれらの認識からすれば「香港民
族資本」ということになるのだろう。

また中国資本傘下のマクドナルドなどが標的になっていないのは、中国系
資本といえどもアメリカの象徴だからか。

日系とされる吉野屋や元気寿司チェーンが襲撃されたのも、経営実態はス
タバ同様に美心集団(マキシム集団)だからだ。

しかし「香港武闘派、次の標的はアップルの可能性」(NYタイムズ。
10月15日)
https://www.nytimes.com/2019/10/15/business/hong-kong-starbucks-vandalism.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage

アップルは中国で組み立て、中国市場を狙っているために香港では親中派
のフェイスブックと並んで、評価が低い。

ともかく1997年の香港返還以後、中国大陸からの投機で不動産価格が
急騰した。中国資本の進出は不動産開発から通信、小売り分野にも及び、
中国銀行の香港に於ける貸し出しは1750億ドル、預金が2570億ド
ルにもなった。土地購入では、全取引の60%が中国資本である。

馬雲率いるアリババは香港の老舗英字新聞「サウスチャイナモーニングポ
スト」を買収したことが、上の現象を象徴している。

しかし6月の民主化要求デモ発生以後、中国系企業の香港株式市場への
IPO(新規株式公開)も急減しており、160億ドルの起債に留まり、
中国からのツアー客も激減している。
     
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読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
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   ♪
(読者の声1)いささか旧聞に属しますが、宮崎正弘先生の「『青空の下
で読むニーチェ』(勉誠出版)を必要あって読みかえしました。
初読のおりの感想はと言えば、思想家のニーチェを多岐に論じて哲学を身
近に語りつつ、じつは基軸が「三島由紀夫とニーチェ論」にあり、付随的
に開高健、西部遭、井尻千男論にもなっているという特色でした。
 こんど読み返したのも、西部論を如何に論じていたかの論理的結末が、
いま一度気になったからです。

第四章『ニーチェと西部遭」は、ニーチェを介添え役に、じつはまるまる
西部論というユニークな構成であり、氏の死後に世に出た幾多の西部論の
なかの、白眉、これほどうまくまとめられていたことに改めて感心したの
でした。

脱線ながら第四章は「武士道とニーチェ」でまとめられ、井尻、松本徹、
竹本忠雄といった論客らの諸説が紹介されていますが、井尻千男論が、チ
ト雑ぱくでまとまりに欠く印象を抱きました。

井尻氏もまた思想家であり、日本文化の体現者、井尻塾の教え子は相当数
いるはずで、宮?先生に改めて、現代批評家がわすれかけた井尻千男論を
書いて貰いたいとおもった次第です。(伯耆郷書生)


(宮崎正弘のコメント)井尻さんはいずれ見直されるべき批評家であり、
「井尻塾」の教え子が誰も挑まないのなら、いずれ小生が書きます。

  ♪
(読者の声2)貴誌が前に予想されたようにフェイスブック主導の暗号通
貨「リブラ」が暗礁に乗り上げましたね。参加表明していた企業の多くが
脱落、なにしろ欧米の政府、中央銀行が反対しているにもかかわらず、民
間で通貨を発行しようというのは国家破壊のリバタリアンですから。
 先行きの見通しは如何でしょうか?(GH生、さいたま市)


(宮崎正弘のコメント)欧米の政府並びに中国銀行が反対する表向きの理
由は「ハッカー対策が万全ではない」(事実その通り)ですが、ホンネは
自分たちの管轄領域を脅かされる恐怖心からでしょう。

さてリブラ、肝心要の大手四社(ヴィザカード、マスターカード、ペイパ
ル、イーベイ)が参加を見送ることになりました。致命的ですね。はたし
て2020年春のスタートがうまく行くか、どうか。

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