2019年11月19日

◆ある筈ない民主化中国

渡部亮次郎


中国の「漁民」が尖閣諸島に攻めてきて以来「経済の改革があったのだか
ら政治も改革、民主化になぜなら無いのか」と良く質問される。それに対
する私の答えは「カネが溜まっただけ人民に対する統制はきつくなり、比
例して民主化は遠くなります」。

経済の開放(外資導入)と改革はケ小平の若い時からの夢だった。しかし
経済の改革開放をやれば政治の改革開放が不可避であり、それは共産党独
裁の否定に繋がるから古い指導者たちはこぞってケを避けようとした。

ケの三度に及ぶ失脚は、それぞれに理由は別だがそのそこで共通している
のは改革開放思想。「黒猫でも白猫でも鼠を良く捕る猫がいい猫」思想で
ある。

三度目の失脚のときは既に老齢でもあったが、毛沢東がやがて死ねば自分
が天下を取り、改革開放路線を実現する事は夢では無いことを信じて自ら
を鼓舞していた。幸い周恩来の変わらざる支援により命永らえ奇跡の復活
を遂げた時、毛沢東は既にこの世になかった。

田中角栄内閣で締結を公約しながら、田中内閣は勿論、三木内閣でも実現
しなかった日中平和友好条約の締結について中国の動きが俄然、積極的に
なってきたのは、この頃である。

福田内閣で官房長官から外務大臣に横滑りした園田直(すなお)はNHK記
者だった私を秘書官に起用する一方、剣道の弟子で中国で育った民間人を
「使者」として北京にしばしば派遣、旧知の廖承志周辺の動きを探った。

その結果、復活したケ小平が党の主導権をとり経済の改革開放に舵を切り
替えつつあることを確認できた。日中平和友好条約締結への積極姿勢も、
ここに鍵のあることを確認できた。

以後、中国は日本の外資導入を梃子とし、経済の改革開放政策により、今
や日本を抜いて世界第二位の経済大国になありつつある。だからアメリカ
を初めとする西側の政治、経済学者は今度は政治面での民主化を予想した
いところだが、これは絶対望みは無い。

民主化すれば経済原則上、不要な共産党は否定される。彼らは排除され抹
殺されること必定である。彼らが人民にしてきたことを今度はそのまま適
用される。だから中国共産党は政治の民主化は絶対行なわない。

経済の改革開放にとって共産党は邪魔以外の何物でもないから政治に対し
て賄賂で打開する以外に無い。したがって共産党は損じする限り賄賂が自
動的に転がり込む。構造的賄賂の舞い込む天国を
捨てる共産党「皇帝」などいない。民主化は反革命の成就後だ。



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