2019年11月21日

◆「お前の女房は元から俺のもの」

渡部亮次郎


わが国の尖閣諸島に対して突如として中国が領有権を主張し始めたのは
1969(昭和44)年のことだった。佐藤栄作内閣の頃だったが、わが国メディ
アは無視した。

後日、外相秘書官になった時、この間の事情を外務当局に質したところ
「自分の女房をオレのもんだ、と連日叫ぶ事は恥ずかしいじゃない」と諭
された。世界の常識ではそうだろう。

だが中国にかかると全く違う。「あんたの女房は美人で金持ち。だから昔
から俺のものだったのだ」というのである。餓鬼の論理、ならず者の理屈
だ。だから外交課題には適さない。

理不尽を力で通そうとするのは布告なき宣戦とでも呼ぶしかない。菅首
相、仙谷官房長官、前原外相ら(いずれも当時)は、ここが判っていない。

しかも中国は昔は尖閣の海底に眠る石油とガスが欲しくて悪たれたが今や
違う。尖閣の辺りを自由に航行できなければ、目指す太平洋支配が可能に
ならないので、一段と態度が強硬になってきているのである。

それだから、日本のいう「冷静な話し合い」などに応じるわけが無い。応
じていたら野望が挫かれかねない。

菅首相や仙谷官房長官(当時)らは、すべて「事は大きくしたくない」か
ら「穏便」ばかりを口にし、すべて下手に出れば大きくならないと決めて
いるようだ。

しかし、日中平和友好条約の締結交渉に従った少ない経験からするとこ
ろ、日本人と根本的に違っていて、当方が1歩譲歩すれば2歩踏み込んでくる。

事はロシアをして北方領土問題にも関連するから、政府は命がけで踏ん張
らなくてはいけない。

ところでジャーナリスト水間政憲氏が明らかにしたところに依れば、中国
は7〜8年前から東京・神田の古書店で中国の古地図を買いあさって、今
では出回らなくなった。(「週刊ポスト」2010年10月15日号」。

それは「工作」に当って「証拠」となる北京市地図出版社1960年発行の
「世界地図集」第1版を地上から消す為であった。この地図では尖閣諸島
は日本の領土として、確り日本名の「魚釣島」「尖閣群島」と表記されて
いるからである。

「この地図はたった1冊、日本外務省中国課が所蔵している」と水間氏。
「政府はただ東シナ海に領土問題は存在しない、と言うだけでなく、この
地図を中国に証拠として突きつけるべきだ」とも。

それを受け入れる中国では無いだろうが、おまえの女房はいい女房だから
昔からオレのもんだったというごろつきの一時的な口ふさぎには役立つか
もしれない。2010・10・5執筆 
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。