2019年12月14日

◆住民投票は独立賛成が97%

宮崎 正弘


令和元年(2019)12月13日(金曜日)弐 通巻6305号 

パプアニューギニアのブーゲンビル島、住民投票は独立賛成が97%
  やっぱり背後で暗躍したのは中国の覇権野望だった

ブーゲンビル島。そう、山本五十六が搭乗した軍機が撃墜され、戦死した
島である。
 
さきごろ、2週間をかけて行われた「独立か、自治か」の住民投票で
97%の住民は「独立」という意思を示した。

完全自治」を選択したのは2%、ちなみにブーゲンビル島の有権者は19
万人弱。首都ポートモレスビーの政府は焦燥の色を隠せない。

長く続いた武装闘争は、ブーゲンビル武装勢力とパプアニューギニア政府
軍の内戦だったが、犠牲者が2万人を超え、パプアニューギニア政府は英
国の戦争請負業に解決を依頼した。

この背後にはオーストラリアとニュージーランドの支援があった。豪も
NZも、パプラニューギニアは、自分たちの縄張りと認識しているからだ。

現に2018年に首都ポートモレスビーで開催されたAPECは、豪が空軍、
陸軍を派遣し、警備を分担した。国際会議場はまるまる中国が寄付した。

ブーゲンビル島に何があるのか。
 
埋蔵580億ドルにものぼると推定される鉱山がある。同鉱脈に随生する
金、レアメタル。豪のリオテントの子会社が独占的な「採掘権」をもって
開発し、操業を続けてきた。

戦争の原因は資源をめぐる開発権争奪、ハイテク時代に使われるレアメタ
ル需要の激増という背景があり、パプアニューギニア政府は、突如豪から
採掘権を取り上げ、国有化計画を提示した。

資源ナショナリズムは、こうした発展途上国ながら資源リッチの国々の指
導者がとりやすい政策である。

嘗てのスーダンも、ジンバブエも、ザイール(現コンゴ民主共和国)も、
資源を巡る内戦と、その背後にあった大国の思惑と策謀によって武装勢力
との内戦が繰り返されてきた。

中国はブーゲンビル島の政治指導者に「空港、道路整備を援助します」な
どを「シルクロートプロジェクトの一環」として巧妙に持ちかけていた。
鉱山を横合いから掠め取る魂胆がありありとしている。
豪政府は警戒を強めている。
 
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 1999回】              
 「支那を亡すものは鴉片の害毒である」上塚(17)
上塚司『揚子江を中心として』(織田書店 大正14年)

        ▽
周囲を高い山脈に囲まれた四川では西南から東北に長江が流れ、烏江、岷
江、沱江、嘉陵江の4本の河。

四川の地名の由来である。

このような自然豊かな巨大な盆地であればこそ、「所謂千里の沃野天府の
地」と呼ばれる。その四川にあっても「最も膏沃なる地方と稱せらるゝ成
都重慶間を結ぶ交通幹路」である東大路を旅する。

「東大路の名物は乞食と旌表門である。乞食は至る所形勝の地に占據し
て、通行客に施錢を乞うて居る。其の數は誠に夥しい數に上るのであ
る」。「最も膏沃なる地方」だからこそ、その豊かさを求めて周辺の貧し
い地方から貧民が押し寄せて来たに違いない。

封建王朝時代には、儒教道徳の精華を体現したような善行者の名前を公示
し、朝廷や地方長官が広く顕彰した。

これを一般に旌表と呼び、旌表の証として村の入口など目立つ所に建てた
意匠を凝らした門を旌表門と呼んだ。いわば旌表門は、ここは善行者を生
んだ素晴らしい集落だ。この集落の誰々が善行を積んだ、ということを広
く内外に誇示するための標識ということになる。その旌表門が「實に立派
なもので、其の精巧、華麗は他の省に於て絶えて見ない所である」とは、
やはり東大路が豊かであることの傍証でもあるわけだ。 
 
だが、誰に知られることもなく為すべきを為すことが善行というものだろ
う。こう考えるなら、麗々しく旌表門を建ててまで、広くこれ見よがしに
善行を訴えねばならないということは、それだけでも善行者が稀にしか現
れなかったことを意味しよう。

孔子の時代から「巧言令色鮮し仁」とも「剛毅朴訥は仁に近し」とも言わ
れてきたが、これ見よがしに建てられた旌表門は恰も「巧言令色」に近
く、また「剛毅朴訥」とは限りなく遠いように思える。いわば旌表門は仁
とは馴染まないはずだ。かりに善行を根柢で仁が支えているとするなら、
旌表門は余り褒められた建造物とは言えそうにない。もっとも善行と仁と
が無関係ならば、それまでではある。

以下は、「所謂千里の沃野天府の地」と呼ばれる四川にあっても「最も膏
沃なる地方と稱せらるゝ成都重慶間を結ぶ交通幹路」である東大路の旅宿
での体験だ。毎度ながら汚い、汚い、嗚呼汚いの連続ではある。

部屋内は一面土間であつて日光の透かしが良くないから常に濕つて居る。
天井は屋根裏で天井板を嵌めたのは殆ど見當たらない。毎日の掃除は土間
の一角に止つて居るので天井、壁、戸等には塵や蜘蛛の巣が一杯で、旅馴
れぬ人には、一見惡寒を催さしめずには措かない」。じつは旧い中国家屋
は日本家屋のように天井板が張ってない。土間に立って見上げれば、目に
入ってくるのは瓦の裏側とその瓦を支える梁だけ。簡便至極の構造だ。

宿の調理場は街路に面した店頭にある。そこで「洗ひ流した汚物は何の遠
慮も無く悉く街路の上に運ばれる」。ゴミ捨て場然とした街路は「臭氣
紛々、一見直に嘔吐を催さしめる」。こんな惨状を見せつけられたら、
「運んで來る飯も咽喉を通らぬのであるが、矢張り眼をつぶり觀念して食
べる内に馴れて來る」。

確かに「矢張り眼をつぶり觀念して食べる内に馴れて來る」ものだ。半世
紀ほど昔の香港の屋台でのこと。目の前の箸立てに張ったクモの巣も、誰
が使ったか分からないうえに油でギトギトにコーテイングされたような
(ということは絶対に洗ってはいない)箸でも、「矢張り眼をつぶり觀
念」すれば、いつしか気にならなくなってしまうもの。屋台のオヤジの
青っ洟が付いた土司(トースト)だって、その部分をちぎって捨て去れ
ば、「矢張り眼をつぶり觀念して食べる内に馴れて來る」ものだ。経験者
が言うのだから間違いない。

まあ厠だって「矢張り眼をつぶり觀念」すれば、その「内に馴れて來る」
ものではあるが、そういかない時もある。宿の母屋の裏手が厠房、つまり
大小便所だった。《QED》 
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之
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(読者の声1)日本文化チャンネル桜から番組のお知らせです。13日(今
晩)放送の「フロント JAPAN」はホスト葛城奈海さん、ゲスト宮崎
正弘さんでお送りします。

テーマは「英国選挙保守党圧勝」「あれから82年、南京入城」「明日は赤
穂浪士討ち入り」など盛りたくさんの内容になります。(日本文化チャン
ネル桜)

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