2020年01月08日

◆台湾の総選挙

Andy Chang


投票の結果は蔡英文が当選するのはほぼ間違いないと思われる。
しかし蔡 英文の当選が国会議員の選挙で民進党に有利に動く
かはわからない。

台湾の総選挙は11日土曜日が投票日だからあと5日しか残って
いないのに 例年と違って盛り上がりがない。一般の予想では
民進党の蔡英文が当選すると言 われているが、民間では蔡英
文の当選を喜ぶ気配が感じられない。

今回の台湾の総統選挙では民進党の蔡英文、国民党の韓國瑜と
親民党の宋 楚瑜が名乗りを上げたが蔡英文の支持率が高く、
国民党の韓国瑜との間に大差を つけている。親民党の宋楚瑜は
支持率5%以下で、新聞種にもならない。一時は 総統選に出馬
するとして活動していた鴻海創業者の郭台銘は出馬を諦めて宋
楚瑜 支持に回ったがメディアは相手にしていないようである。

どうして今回は選挙運動が盛り上がらないのかというと、第一
に蔡英文の 人気が低下しただけでなく、本人が博士号詐称の
問題に沈黙を守って回答しない こと、第二に親中派の韓国瑜が
政治家として不適切な言動が多く支持率が減った こと、第三に
「反中国」の他に三党間の違いがないことである。

まず第三点から説明すると、候補者三人に共通した主張は中国
問題である こと。去年から8ヶ月も続いて香港の反中国デモを
見てもわかるように台湾民衆 の最大懸念は中国の台湾併呑で
ある。中台両岸関係について蔡英文は「平和協 定」は受け入
れないことを明確にしているが、韓国瑜と宋楚瑜の2人は「中
台間の 平和協定は時が経つに連れて避けがたいことだ」と言
う立場で、香港の反中デモ が毎日のニュースになっている現
状では台湾人が受け入れるはずがない。

それなら蔡英文の支持率が上がるはずだが、民衆は彼女の博士
号詐称と疑 惑をカバーアップする蔡英文政権に強い反感を持
っている。但し蔡英文が勝たな ければ中国の統一が一気に進
捗する恐れがある。台湾人は中国の統一戦線や台湾 侵略に強
い警戒感を持っているので蔡英文のスキャンダルを口にして反
発するわ けにいかない。嫌でも彼女を支持しなければならな
いのが民間の選挙意識の沈滞 の元である。蔡英文は当選しな
ければならない、だが当選してどうなのかと言っ た無気力感
である。

蔡英文の博士号詐称問題は多くの問題を抱えていて、これが台
湾で流行し ている言葉、「芒果乾」(干しマンゴー、亡国感
の意味を持つ)に代表される。 蔡英文の過去4年の政治を見る
と、民進党政権になっても国民党の政治家を起用 して台湾人
を軍事、外交などの重要閣僚に起用しなかった。また、閣僚の
起用に ついても即近しか起用せず、党内でも不満が多かった。
外交に於いても中国の政 治圧力に断固とした態度を取ってい
ない。マンゴーの皮は民進党の緑色だが、皮 を剥けば「白」に
なり、芯の部分は「赤」。蔡英文の中身は親中国ではないのか、
本気で台湾独立を目指すのかと民衆は疑問を持っている。

今回の選挙運動でも明らかである。本来なら民進党は緑色、国
民党は紺色 で、親民党はオレンジ色と決まっていたのに今回の
選挙運動では民進党、国民 党、親民党がみんな「空色」のジャ
ケットを着ている。「空色」は緑でも紺でもな い中間色、つま
り政治主張が曖昧、まさに「芒果乾」だ。嘗て2008年の総統選挙
で民進党の謝長廷が「空色」のジャケットと旗を使って国民党の
馬英九に惨敗 したが今回は三人とも中間色である。

候補者の政策弁論会を見ても三人に共通した主張は中国問題だけ
で、その 他の国際関係や経済問題について特に変わった主張はな
かった。中国の侵略と選 挙介入を防ぐ、衝突を避ける、警戒する
と言っても具体的な方法論はなかった。


投票の結果は蔡英文が当選するのはほぼ間違いないと思われるしか
し蔡 英文の当選が国会議員の選挙で民進党に有利に動くかはわか
らない。民衆の民進 党に対する失望はかなり深く、さりとて国民
党に投票するかと言えばそうでもな い。もしも民進党が国会で過
半数を取れなければ台湾の将来は見通しが利かなくなるし、選挙
が終わると蔡英文の学位詐称問題も再燃すると思われるので台湾
の将来は明るいとはいえない。
at 08:23 | Comment(0) | Andy Chang
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