2020年01月20日

◆台湾の総選挙と将来

Andy Chang


青幇、洪?は中国と繋がっている。ヤクザ組織が台湾の政治、軍事、経済、外交などに大きな影響を持っていることに注意すべきだ。

AC通信 No.770  (2020/01/13)


戦い済んで日が暮れて、幾家歓楽幾家愁。選挙には予想内と予想外の結果がつきものだ。予想外の結果が分析の資料となり、将来の予測となる。

蔡英文当選は想定内だったが817万票(投票総数の57%)を獲得したのは想定外だった。投票率が有権者の75%と高かったことも加え、今回の選挙は中国の台湾併呑に対する危機感が強く、「中台平和協議」を主張した韓国瑜と宋楚瑜に反対して蔡英文に投票した結果である。

2018年の中間選挙で民進党は惨敗したが今回は中国問題で蔡英文が187万票を獲得した。つまり二年前は国民が民進党にNoと言ったが、今回は中国にNoと言ったのである。中国問題が投票の主因だから宋楚瑜に票を入れた人はほとんどなくわずか60万票(4.2%)を獲得しただけだった。

投票率が高かった原因は多くの若者が投票したこと、そして若年層が中国の台湾統一に強く反対している証拠である。台湾には中国の台湾統一に反対の高年層、中国に投資や中国と商売しているため態度が曖昧な30から60歳の中年層、そしてこれまであまり政治に関心のなかった若年層がある。今回は若者の反中国が蔡英文の得票になった。

一部の外省人は中国の金に買収されて韓国瑜に投票したとも言われている。韓国瑜が550万票を獲得したのは国民党の基盤の他に中国の金銭介入があったと言われている。しかし実際には中国問題と香港デモが台湾の選挙に大きく影響した。習近平の「2025年までに台湾統一を果たす」発言で起きた台湾人民の危機感(亡国感)と8ヶ月続いた香港の反中国運動が今回の選挙に最も大きな影響を与えた。

立法院議員(国会議員)の選挙では民進党が本来の68議席から7議席を失い、61議席を獲得したがそれでも過半数を維持した。国民党に投票したのでなく独立系の小政党に投票した結果である。選挙には19政党が参加していた。独立系の小政党が増えた原因は国民が民進党と国民党に不満である証拠である。台北市長の柯文哲が1ヶ月前に創立した台湾民衆党でさえ155万票を獲得して第三政党になった。その代わり時代力量党は党内分裂で泡沫化した。

国民党の大変化は古参議員が七人も落選したことである。民進党も四人の古参議員が落選、時代力量党は一人を失い、宋楚瑜の親民党は一人しかいなかった議員を失った。古参議員の落選は国民が現状に不満である証拠と言える。新人議員の崛起が政治の若返りとなるかもしれない。国民党の呉敦義及び党首脳部は敗選の責任を負って総辞職した。

蔡英文政権の続投が決まって台湾の将来はどうなるだろうか。台湾の将来に最大の影響を与えるのは中国とアメリカである。台湾を守るのはアメリカだが台米関係はトランプ政権で大きく強固になったと言える。トランプが米国の大統領である限りこの状態は続くが、来年の選挙でトランプが落選すれば台米関係は大きく変わる可能性がある。

日台関係も要注意だ。安倍首相の四選はないから次の首相が誰になるかが大きく影響する。台湾側から見れば蔡英文の過去四年は現状維持と言う事実上の無為無策だったから今後の蔡英文が日台関係に積極的政策を取るとは思えない。

去年は香港人民の反中国デモが8ヶ月も続いたにも拘らず中国は三十年前の天安門事件のような強い制圧を加えることが出来なかった。香港の反中国デモは世界が見ている、アメリカも注意しているから強硬手段が取れないのである。同じように中国は台湾に強い圧力を加えることはできない。

但し中国が金を使って台湾に浸透することはできるしアメリカも中国の金銭外交を防ぐことは難しい。台湾の政治家を買収するなら真先に国民党、外省人などが考えられるが、実際には民進党の政治家も買収されないとは言えない。

もう1つ注意すべきは台湾のヤクザ組織である。台湾には竹聯幇、四海幇と呼ぶ外省人のヤクザ組織と天道盟と呼ぶ台湾人のヤクザ組織がある。これらのヤクザ組織は青幇(チンパン)、洪?(ホンパン)と繋がっていて、青幇、洪?は中国と繋がっている。ヤクザ組織が台湾の政治、軍事、経済、外交などに大きな影響を持っていることに注意すべきだ。
at 08:06 | Comment(0) | Andy Chang
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