2020年01月20日

◆ロシア内閣、唐突な総辞職

宮崎 正弘

 
令和弐年(2020)1月17日(金曜日)通巻6342号  

 マトリョーシカもビックリ、ロシア内閣、唐突な総辞職。
  新首相のミハエル・ミシュースチンって誰?

15日、セルビアを訪問する直前のプーチンが、突如、メドベージェフ首 相を更迭し、内閣総辞職を断行させた。そのうえで、まったく無名のミハ エル・ミシュースチンを新首相に指名、ロシア議会はただちに承認した。
 
セルビアの首都ベオグラードでは治安悪化にそなえて警備態勢を敷いてい たが、プーチン暗殺計画のテロリストを拘束したと発表した。

メドベージェフ内閣の総辞職というサプライズに動揺したのは株式と為替 相場。ルーブルは対米ドルレートを61・81から68・86に下落させ た(1ルーブル=1円77銭から1円62銭に)。ちなみに現在の新ルー ブルがソ連帝国崩壊後に発行されたおりは1ルーブルが6円ほどだったか ら、通貨は徐々に旧ルーブルのような紙くず化を演じていることが歴然と なる。

原油相場の暴落がロシア経済低迷の主因である。だが、新興財閥のロシア 特権階級が破天荒な汚職を展開し、その資産を英国、米国に分散して蓄財 していた。

ところがロシア経済制裁を課している米国が在米資産凍結としたため、ロ シア経済低迷を加速させ、とどのつまり、ロシアが経済的に依存するのは 中国ということになる。せめて心理的状況の改善をとばかり、プーチンが 命じたのは、サンクトペテルブルグに宏大なプーシキン記念館を設立した ことくらいだ。

原油・ガスのほか、ロシアが輸出して稼げるのは武器しかない。ロシア製 の自動車は西側で買う人がいない。ウォッカ? メチル入りの偽ウォッカ が出回っているため、ロシア人は自国ウォッカを飲まず、米国産かス ウェーデン産を呑んでいる。そのうえ、近年のロシア人の志向はスコッ チ、アイリッシュ・ウィスキー、そしてニッカへ変化した。

それはともかく、「ノルド・ストリーム1」は、対独向け輸出が継続され ているが、「ノルド・ストリーム2」(バルト海海底をパイプラインで繋 ぎ、欧州へ輸出)は米国が制裁中のため、工事がストップしている。

プーチンはこのためサウザンルート(南方油送管)、すなわちトルコ経由 ギリシア、ブルガリアルへの開拓に着手し、長年敵対したトルコのエルド アン政権とにこにこ人工的な笑いを浮かべながら握手したのだった。


▲新首相は税務署あがりなのに、なぜか資産家

さて、突然のメドベージェフ首相辞任、内閣総辞職だが、メドベージェフ は新たに国家公安委員会副議長の職に就くとされる(モスクワニュ−ス、 1月16日)。

ならば税務署あがりの新首相ミハエル・ミシュースチンって何ものなの か? 無名ながらもプーチンの親しい間柄でホッケー仲間とされる。

地味な経歴、その仕事のわりに豪邸を構えていることで知られる。

モスクワ郊外ルブリヨブカに敷地面積5500平方メートル、建物が 700平米というから相当な豪邸だが、ミシュースチンは2001年から 05年まで、この不動産のオーナーとして登記されている。

以後は「ロシア財団」が持ち主となっている。ところが前掲モスクワ ニュースによれば、ロシア財団の事実上のオーナーはミシュースチンの息 子二人。資産価値は950万ドル。(10億5000万円弱)。またミ シュースチン夫人は同財団から八年間に1250万ドルの報酬を受け取っ ていた事実も浮かんでいる。

多くのロシアウォッチャーは、プーチンが近日中に改憲を提議し、 2024年以後も権力の座を維持するための「院政」の準備段階に入った のだろうと分析している。

あるいは憲政にしたがって3度、首相の座について、大統領をコントロー ルするか、というのも、新首相に指名されてミシュースチンが、次期大統 領に就くというシナリオがあり、その場合、憲法改正をおこなって、また もや大統領は飾り(メドベージェフが「大統領」時代、まさにプーチンの 操り人形だったように)として振る舞うのか、いずれにしても憲法改正が 政治日程にのぼってくる。

 
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樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2018回】                 
 ──「支那を亡すものは鴉片の害毒である」──上塚(36)
上塚司『揚子江を中心として』(織田書店 大正14年)

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アメリカに煽られた排日旋風が「燎原の火の如く全國に廣がつた」こと で、「支那全權は遂に巴里會議の調印を拒まざるを得なくなつた」。そし て「支那の驕慢は遂に低止する所を知らざるに至つた」だけではなく、 「此の勢に更に油を注いだものは華盛頓會議であつた」。

「支那の驕慢」も度が過ぎると堪忍袋の緒が切れて、暴支膺懲に繋がっ てしまったのか。

「華盛頓會議の目的」は、アメリカ代表が説くように「海軍々備の縮 少、日英同盟の廢棄、極東問題の解決に存した事は疑を容れない」。だが 「極東問題に關する米國の意圖が、支那の主權擁護、領土保全、極東平和 の美名の下に、列國の既得經營せる特權を放棄せしめ、自ら之に代らんと するの覇心」にあることは明らか。

そこで「米國は頻りに支那に迎合して、支那の驕心を益々増長せしめる事 を忘れなかつた」。

かくして「支那の主張通りに會議を通過したので、支那人の意氣は益々 昇るのみであつた」。

つまり「歐州戰爭に依つて、支那は有形無形に勞せずして非常なる利益を 受けた」ことによって、「多年支那の上に加へられたる壓力は一時に輕減 せられ、國民は自己の準備如何をも顧みず、列國に向つて自主平等の地位 を要望して彈ね上つた」。かくして「激烈なる排外運動が至る所に蜂起」 したわけだが、「蓋し其背後に此の如き思想の流れが先導を爲して居る事 を忘れてはならぬ」。

これを要するに、第1次世界大戦で世界最強の力を手にするに至ったアメ リカが、戦争の後遺症に苦しむ欧州列強を尻目に中国利権に手を突っ込も うとしたことから中国に迎合し、やがては中国をツケ上がらせてしまった。

中国における「激烈なる排外運動」の背後にアメリカの「覇心」──今から 1世紀ほど昔の『アメリカン・ファースト』といったところだろう──が あったことになる。“共同正犯”は、どうやらアメリカらしい。

「不平等條約廢止、關税自主權の撤廢等」を軸とする「激烈なる排外運 動」は、激烈な排日運動となって日本に牙を向ける。排外運動の主唱者で ある孫文は「革命成就後、一貫して之を主張し〔中略〕死に至る迄變わら なかつた」。「我が頭山滿翁内田良平氏等」は、その孫文を心底から支援 した。ということは孫文への支援は、皮肉にも回り回り、予期せぬ形で排 日運動に行き着いてしまったということだろうか。

「支那の民心は、革命及歐州大戰の洗禮を受けて非常に變化し、進歩して 來た。彼等は今や自己の周圍を顧みて、治外法權、關税監督權、租借地、 公使館區域、其の他自主獨立の國家として、有り得べからざる幾多の屈 辱、不名譽を回復し、其國家の古の盛時に還さんと熱望し、努力して居 る」。それだけではない、「其の運動は熱火の如く、其の前途に遮る何物 をも焼き盡さずんば止まざる慨がある」。だからこそ「我が日本は、宜し く此の苦衷に同情し、誠意と公正とを以て之を援助し、協力して支那保全 の公義を完からしめねばならぬ」と、上塚は高らかに宣言する。

その心意気は尊い。だが、この考えを貫こうとするなら、明らかに「列國 の既得經營せる特權を放棄せしめ、自ら之に代らんとするの(アメリカ の)覇心」と真っ向からの対立を覚悟しなければならない。上塚の鋭い先 見性には敬服するしかないが、はたして当時の日本は、その覚悟と実力に 加え、他の列強を説得するだけの理論を持ち合わせていたのか。

「從來、我が日本は、常に英米諸國に追隨して、支那に對する彼らの番犬 となり、執達吏となり、鬼面して支那を嚇し、却て其の怨恨を一身に集 め、排日の二字によつて報復せらるゝの愚を學んで居る」。

現に列国間で議論されている「支那鐵道を如何にすべきか」の国際的課 題についても、欧米列強の提案では日本には「幾何の權限」も与えられて はいない。
これが実態だ。《QED》
    
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■読者の声 ●どくしゃのこえ READERS‘ 
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(読者の声1)東京新風倶楽部 映画上映会のお知らせ。上映作品は「上 海陸戦隊」(昭和14年)です。

昭和12年に起きた上海事変における当時の大日本帝国海軍陸戦隊の活躍が テーマ。

この昭和12(1937)年と言えば、盧溝橋事件、通州事件(ともに7月)が 起きた年でもあり、8月の上海事変、そして12月の南京陥落と激動の時代 が続いていきます。監督は熊谷久虎、主演は大日方傳、原節子が何と中国 人女性の役で出演。

「あの原節子がこんな役を‥‥」と驚くこと確実の作品でもあります。興味 のある方はぜひご参加ください。
          記
とき   2月9日(日)午後3時開場 3時半上映開始
ところ  TKPスター貸会議室飯田橋
     東京都千代田区飯田橋3-4-3エレガンス飯田橋2階
     http://www.kaigishitsu.jp/gmap/gmap-iidabashi.html
参加費  無料(カンパを頂ければ幸いです)  
     事前申し込みは不要です、直接会場にお越しください。
    (三浦小太郎)



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(読者の声2)貴誌前号に掲載された加瀬英明氏の日本女性論について。

なくなったのは過去の女、祖母祖父、近所の長老、などによる歴史・価値 観・仕草・などの伝達だけではなく、家族・会社家族・国家を含めての崩 壊現象である。それを物理的に表すのが「少子化問題」。その根本は男が いなくなった、中性的な可愛いだけの弱い頼りにならないオトコノコばか りでは女は靡かない。危なくてとても子供どころでは無い。

国民が税金を払う義務を否定する者は少ない。税金を取り立てる最大の理 由は、国を守るため、国民の生命、文化歴史、財産を守るためである。故 に、国民が金だけではなく、直接国防の義務をおう、と考える国は多い。 形は「徴兵制度」ではあるが「文化歴史の防衛のための教育機関」として 創造され運用される。

かつて故三島由紀夫氏が肉体を速成し、仕上げの意味で自衛隊に一月ほど 入隊したが、幼少の頃は女の子として、ママゴトを女の子と遊んでいた三 島氏、青瓢箪と言われていた青年が、嬉々として即座に男に生まれ変わる 記録を書いておられる。

運動会で横に一列に並んで全員一等という嘘を教える文科省指導の学校と は別次元の本当の役に立つ体験になる。巨大な兵器タンク、ヘリからの降 下、機関銃などを自己の全体験的に受けるだけで、お子さん方は即座に男 に生まれ代わる。

徴兵制とは、国を守る義務、権利がある者のみが参政権を持つ。バカでも 幼児でも外人でも帰化人でも日本に住んでいれば誰でも国政に参加でき る、という現在の仕組みでは国は必ず崩壊する。

文科省を今、廃止して現在の全ての学校を完璧に改善したとしても何世代 もの時間がかかる。

NHKをぶっ壊し、かつ民放放送をまともにしても、その劣悪な影響力はあ まり減らないだろう。「援助交際」を可能にしたSNSによる子供同士によ る生活・文化・指導もテレビ以上に危険である。

保守論者がいくら支那や朝鮮の悪口をぶちまけても何も変わらない。 「ゴーンが悪い、特捜は正義の味方」という大合唱。朝鮮でさえ最近では 内部に反・反日論者が出ているのに、日本では反論を許さない「空気」に 支配されている。批判、評論ばかりではなく、具体的な解決法を指導者は 提示すべきである。トランプ氏は目標「アメリカ再建・MAGA」を設定し、 具体的に公示していた解決策をどんどん実行している。

「徴兵制度党」は少い予算で、GDP10%の軍事予算に匹敵する防衛力をつ ける、おまけに少子化も止まる。ついでに原爆もイスラエル並みに秘密裏 に400発用意します。という政治家は居ないのだろうか。三島氏が生きて おられたらそんな激を東大安田講堂で飛ばし、あっという間に総理になっ て、彼の「文化防衛論」を実現する(新年の初夢)。
   (KM生)



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(読者の声3)加瀬さんのエッセイ(貴誌前号)で、
「わたしは許しません」といって立つと、隣室へ行って父のために翌朝の 下着や、服を整えはじめた。

ここを読んで、
あぁ、重光葵さんのお母様も、「私は、そのような事をさせる為に貴方を 育てたのではありません」と、怒ったとか、当時の女性は、懍としている し粋ですよね。また鶴お祖母様ゆかりの会津若松と言えば、中野竹子 

武士の猛き心にくらぶれば数にも入らぬ我が身ながらも

竹子らが命がけで守った照姫は 

梅もねやのふせごにかをりあへぬ君待よはの心しりきや
 
容保への「逢いて逢わざる恋」王朝の世からつづくこのような美意識を身 につけて忍ぶ恋に生きた女性。
こう見て来ると、現代女性との違いが歴然とします。加瀬さんは、日本女 性に絶望することはない。と締め括っておられますが、はてさて?(深澤 文子)

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