2020年01月28日

◆マラー検察官の国会喚問は大失敗

Andy Chang
 

民主党と共和党の双方からいろいろな質問があり、双方にとって有利、不利な結果があったので、注意しなければ「群盲象を撫でる」報道となってしまう。

マラー検察官が22カ月の調査の後で発表したトランプ大統領のロシア癒着疑惑の調査では、報告書の第一部でトランプのロシア癒着の証拠はなかったと結論した。だが報告書の第二部ではトランプが調査を妨害した疑惑調査では罪の証拠はなかったが、トランプの名誉を回復(Exonerate)するに至っていないと結論付けた。マラー検察官は調
査結果は全て報告書に書いたから付け加えることはないと述べたが、マラー検察官は「トランプ有罪の証拠はなかったけれど、国会が大統領を罷免する権利がある」と付け加えたのである。

この発言のため民主党優勢の国会はマラー検察官を国会に召喚してトランプを罷免するための新証拠を探すとした。共和党側はロシア疑惑とはヒラリーが選挙違法ででっち上げたものでトランプは冤罪で、冤罪をでっち上げたFBI/DOJを調査すべきだと主張している。国会喚問
の二つの委員会、司法委員会はトランプが選挙で違法行為があったかについて調査し、情報委員会はロシアの選挙介入についてトランプが関連した疑惑とトランプがマラーの調査を妨害したかを調査する。

7月24日にマラー検察官は国会の司法委員会と情報委員会の喚問に応じて、二つの委員会でそれぞれ3時間の質問に答えた。国会喚問の結論は両党側の議員とメディアが認めたように民主党にとって大失敗(Disaster)、または不発弾(Dud)だった。もう一つの結果は後述するようにマラー氏の検察官としての信用がガタ落ちしたことである。

民主党側がトランプ不利な言質を得ようとした度重なる質問に対し、マラー検察官は20数回も「報告書に書いている通り」と答え、新たな証拠はなかった。民主党側の議員がトランプに不利な意見を述べてもマラー検察官は「同意できない」と答えるか、「私の調査に関係ない」
と答えた。民主党側の得た唯一の結果はトランプとロシアの癒着の証拠はなかったと述べたことである。

トランプの調査妨害についてマラー検察官は「名誉回復(Exonerate)と結論しなかった」と報告書にあったことを再確認した。民主党側は名誉が回復できないとは「罪の疑惑が残っている」と主張しているが、共和党議員は「検察官の任務は有罪証拠を調査することである、証拠
がなければ無罪、名誉回復は検察権の任務ではない」と反論した。更に共和党議員は、「検察官の任務である有罪証拠がないと結論としたのにトランプの名誉を回復しなかった」とし、司法部に名誉回復の責任を取らせるようにしたと譴責した。

トランプとロシアの癒着(Collusion)調査について、マ
ラー検察官は「癒着」は法律用語ではないとしたが、共和党議員はマラー検察官が癒着(Collusion)とはトランプがロシアと結合した陰謀(Conspiracy)
のことと報告書に書いてあることを指摘し、陰謀の調査でトランプがロシアと共謀した証拠はなかったと書いてあると指摘した。つまり癒着(ロシアとトランプが共謀した)証拠がなかったなら名誉を回復すべきなのにトランプの名誉を回復をする責任を司法部になすり付ける
べきではないと譴責した。マラー氏は共和党議員の何回もの譴責にすべて沈黙を守り返答しなかった。

共和党側はマラー検察官がなぜFBIの高級官僚、Andrew WeissmannやPeter Stzrokなど、反トランプ陰謀の仲間の人たちを使って調査した明白な違法行為を追及した。更にこの調査はスティール文書と言う偽の証拠を元にFBIがFISA(防諜スパイの調査申請)始めたことを追及ししたがマラー検察官はスティール文書、ヒラリー、FISAの違法性などについては一切答えることはしないと断って共和党の追求を避けた。そして更にマラー検察官は「私は仕事ができる人を起用しただけで、反トランプの人物を選んで雇用したのではない」と答えた。

これを更に追及されたマラー検察官は呆れたことにAndrew Weissmannがヒラリーの当選パーティに参加したことやPeter StzrokとSteeleの関係をみんな知らなかったと述べ、スティール文書がヒラリーの金でFusion GPS会社がスティールを雇って作成したことなど、みんな知らないと答えたのである。

彼の起用した調査員の政治動向や反トランプの中心であるガセネタのことなど一切知らないと答えたのは衝撃的である。これでマラー検察官が調査に不適任で部下に任せっきりだったことが暴露されたのである。

マラー検察官は数多の質問に答えることが出来なかった。6時間にわ
たる質問で報告書の内容も詳しくないことがわかり、議員の質問に対して報告書のどのページかと聞き返し、議員に指摘されて報告書の該当箇所を読んだあとで「ここに書いた通りです」と答えたことが20数回にも及んだので、恐らくこの調査報告は部下のワイスマンが書いたのだろうと言うことが判明した。つまりマラー氏は不適任でしかも
調査を部下に任せていたことがわかった。ワイスマンは反トランプの首魁だから報告書の信憑性、正当性が疑問視されることになった。

この国会喚問は民主党のロシヤ癒着の調査と共和党のトランプ冤罪をでっち上げた証拠を探すためだったので、民主党と共和党の双方からいろいろな質問があり、双方にとって有利、不利な結果があったので、注意しなければ「群盲象を撫でる」報道となってしまう。特に翌朝の「テレ朝」の報道は、「トランプ氏は大統領の任期を終えたら追訴できる」と述べていた。これではまるでトランプは有罪だが在職中は起訴できないが、退職すればすぐ追訴され有罪判決を受けるように思われてしまう。

実際に起きたことは当日朝の聴聞会でTed Lieu議員(民主党)が大統領を退職後に追訴出来るかと訊ね、マラー検察官が「法律は全ての人に公平だから退職後は追訴できる」と答えたことである。しかしこのあとマラー検察官は午後の聴聞会で「この答は不完全である。誰でも追訴する権利はあるが、本調査でトランプ大統領の有罪証拠はなかっ
た」と追加説明した。

トランプ大統領の追訴について民主党議員は「法律上の時効」は5年だがトランプ氏が2020年に再選を果たせば退職は8年後で、時効になるだろう(ロシア癒着は2016年)と言った議論がなされた。マラー検察官の追加説明でトランプの有罪証拠はなかったと言明したので時効論は意味がない。

国会喚問の翌日、民主党側はトランプ有罪の追加証拠はなかったが、トランプ罷免の努力は継続すると発表、これに対しペロシ国会議長(民主党)は証拠がなければ罷免はできない、たとえ下院が罷免案を通しても上院で否決されると述べた。

共和党議員の大多数は、トランプのロシア癒着は冤罪であることがわかった。今後はトランプの冤罪をでっち上げた真犯人の調査をすべき、William Bar司法長官の「冤罪調査の調査」に期待すると述べた。
at 07:40 | Comment(0) | Andy Chang
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。