2020年02月23日

◆「中国は台湾を尊重すべき」

北野幸伯


蔡総統、 BBC単独会見
中国は「現実を直視」して台湾を「尊重」する必要がある
と、BBCの単独インタビューで述べた。

蔡総統は11日に投開票が行われた総統選挙で、中国政府か
らの高まる脅威を重点においた選挙戦を展開。地すべり的
勝利を収め、再選を果たした。

中国共産党は長年、台湾での主権を主張。必要であれば武
力行使をする権限があるとしている。>
<中国共産党は長年、台湾での主権を主張。必要であれば
武力行使をする権限があるとしている。>


習近平は去年の年始、「武力を使っても統一する!」と宣
言した。それで、台湾の人たちが、反中になってしまった

その後、香港デモが起こり、「中国のいう一国二制度はウ
ソだ!」ということがバレてしまった。
蔡英文さんは、まさに「習近平のおかげ」で勝利できたの
です。

彼女は、台湾の未来について、中国と「交渉の余地はない
!」と断言します。

<蔡総統は再選後初となるBBCのインタビューに応じ、自
治権を有する台湾の主権をめぐり、交渉の可能性がないこ
とは疑いの余地がないと強調した。>

そして、ここから【超爆弾発言】がつづきます。
<「我々には、自分たちが独立主権国家だと宣言する必要
性はない。(中略)

我々はすでに独立主権国家あり、我々はこの国を中華民国
台湾と呼んでいる」>(同上)
台湾はすでに独立主権国家だから、独立宣言の必要はない
そうです。

これって、【事実上の独立宣言】ではないですか?

なぜこれが、【超爆弾発言】なのでしょうか?

1945年、第2次大戦が終わった。中国では、国民党と共産党の内戦が、再びはじまりました。

1949年、共産党は勝利し、中華人民共和国を建国します。
負けた国民党は、台湾に逃げました。

その後、中華人民共和国は影響力を増し、台湾(中華民国
)は追い詰められていきます。

1970年代初め、アメリカのニクソンが、「台湾を捨て、中
華人民共和国と和解しよう」と決断すると、台湾の地位は
ますます悪化します。

日本の田中角栄も、「アメリカに負けじ!」と台湾を捨て、さっさと中華人民共和国と国交を樹立しました。
台湾(中華民国)は1971年まで、国連安保理の常任理事国
でもあった。

しかしこの年、中華人民共和国が、台湾(中華民国)にか
わって、常任理事国になります。台湾(中華民国)は、国連を脱退。

台湾(中華民国)と断交し、中華人民共和国と国交を結ぶ
アメリカの決断は、世界的トレンドになりました。
それで、現在台湾を国家承認している国は、わずか15か国

その他の大多数の国々は、台湾のことを何だと思っている
のでしょうか?そう、「台湾は、中華人民共和国の一部だ」と認識しているのです。


では、当の台湾(中華民国)自体は、自分自身についてど
う考えているのでしょうか?

当初は、「中華民国が、全中国で唯一の正統国家である」
という認識でした。
つまり、「中華人民共和国は非合法政権だ」と。

ところが、全世界が中華人民共和国と国交を結び、台湾(
中華民国)と断交するにおよび、こういう主張はつづけら
れなくなった。
では、現在国民党の主張はどうなっているでしょうか?

<総統選の対立候補だった最大野党・国民党の韓国瑜氏
(62)は、この「一国二制度」を支持している。
国民党のルーツは、中国の国共内戦で敗北した中国国民党

彼らは台湾へと逃れた後も、台湾を中国大陸の一部だと捉
えていた。

近年、「一国二制度」を支持する台湾人は、この構想は有
用な歩み寄りになっていると主張している。>(同上)

現在の国民党は、「一国二制度」を支持している。
つまり「台湾は中華人民共和国の一部だが、制度が違う」


ちなみに台湾では1949年から2000年まで国民党の一党支配
がつづいていました。2000年の総統選で民進党の陳水扁が勝利、一党体制が崩れた。

彼の、方針は「四不一没有」
意味は、

「独立を宣言しない」
「国号を変更しない」
「両国論を憲法に加えない」
「独立に関する国民投票は行わない」

要するに「現状維持」ということでしょう。
では、蔡英文さんは、どうなのでしょうか?
この方も、「現状維持派」だったのです。
彼女は、「独立反対」「統一反対」。
ところが、BBCのインタビューでは、こう語った。

<「我々には、自分たちが独立主権国家だと宣言する必要
性はない。(中略)我々はすでに独立主権国家あり、我々
はこの国を中華民国、台湾と呼んでいる」>(同上)

「台湾は、すでに独立主権国家だ!」
と断言した。

これは、はっきりと今ままでの立場と違います。
習近平は、激怒していることでしょう。
ちなみに、蔡英文さんは、中国についてこんなこともいっ
ています。

「3年(以上もの)間、中国が脅威を強めているのを、我
々は目の当たりにしているのだから。(中略)中国は軍艦
を台湾近海で航行させ軍用機を飛行させている。(中略)

それから、香港で起きていることを目の当たりにした台湾
の人々は、中国の脅威は本物で、状況はさらに深刻になっ
ていっていることを、よく分かっている」>(同上)

台湾政府も台湾の人々も、中国の脅威を正しく認識してい
ます。
一方、我が国は、中国の脅威を正しく認識せず、
習近平に「国賓訪日」を懇願している状況。

嗚呼、なさけない・・・。
at 08:18 | Comment(0) | 北野幸伯
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。