2020年05月28日

◆「香港独立」を掲げて、香港で抗議デモ

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)5月25日(月曜日)通巻第6512号 

「天滅中共」「香港独立」を掲げて、香港で抗議デモ「天滅中共」「香港独立」を掲げて、香港で抗議デモ「香港国家安全法」に反対の若者らが行動。180余名逮捕

昨秋の大乱収束以来、はじめての大がかりなデモが香港で繰り広げられた。

5月24日、日曜日の午後。SNSで呼びかけられてデモ行進は銅鑼湾の「SOGO」前からワンチャイまでの幹線道路がコースである。

これは全人代で採決予定の「香港国家安全法」に反対する知識人や若者らが集まり、コロナ感染予防のため、香港では「9名以上の集会は禁止」とされているが、示威行進を開始した。

道路にバリケード、さすがに火焔瓶は登場しなかったが、警官隊は最初から催涙ガスと放水、暴力的な弾圧に報道陣からも抗議の声があがった。

プラカードには「天滅中共」「香港独立」が掲げられた。180余名が逮捕された。「天は中国共産党を滅ぼす」というプラカードは昨秋までの香港大乱でも、学生達が常套句としていた。

全人代最終日に予定されている「香港国家安全法」は、「香港基本法」の附録文書として追加挿入されるという巧妙な措置が取られており、法案が成立すれば、香港独立どころか、民主化を訴える行為も違反の対象となる。

他方、開催中の全人代のタイミングで王毅外相が記者会見し、「香港の安定のために、香港国家安全法は当然であり、香港は中国の一部であり、外国の干渉を受けたくない。台湾も同様である。また欧米に拡がる賠償請求だが、中国も被害者であり、賠償など、常識では考えられない違法だ」と一方的に喋りまくった。
     
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【知道中国 2081回】              
 ──「ポケット論語をストーブに焼べて・・・」(橘42)
橘樸「中國人の國家觀念」(昭和2年/『橘樸著作集 第一巻』勁草書房 昭和41年)

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フェリーは階上と階下の2等級に分かれている。もちろん、安い方の階下だから窓などなく吹きっ曝しだ。夏は心地よいが、さすがに香港でも冬は寒い。

フェリーは九龍側の九龍塘碼頭を発ち九龍と香港島の間のヴィクトリア湾を横切って香港島側の北角碼頭を目指して進む。固い板製の長椅子に詰めて坐る。前後左右から伝わってくる働く人の汗の臭いに包まれる。「密接」「密集」のうえに「密談」だ。

だが彼らは呆れるほどの声がデカい。密談もなにもあったものではない。個人情報は筒抜けだ。


時々、乞食なのか大道芸人なのかは分からないが、胡弓もどきの手作り楽器を奏でる。一曲終わると、広口瓶の蓋のようなものを手に座席の間を歩き、一人ひとりの乗客の前に差し出す。もちろん「ギャラ」の要求だ。

順繰りに回ってきて、次はオレかと思っていると、彼の手は私を飛び越して隣に移った。その瞬間、なんとも言えぬ思いに駆られたものだ。仲間とでも思われたのだろうか。

それとも、こんな貧乏臭いヤツからカネは取れないと同情でもされたのだろうか。喜ぶべきか。それとも悲しむべきか。
あの当時は175cmで体重は50キロを遥かに切ってガリガリ。後でみたらBMI(体格指数)では痩せの危険ラインを遥かに下回っていた。乞食まがいの大道芸人にまで格下の扱いをされた・・・香港留学の輝かしき「勲章」だと、あの日のフェリーでの出来事を今でも思い出す。トホホ。

北角碼頭から繁華街を5、6分歩くと五洲大廈だった。途中での印象深い思い出を・・・再録だと思うが成り行きということでご了解願いたい。

ある冬の日であった。

パンツ1枚の乞食が座っている。自らの半生を簡潔に綴った文章が、道路に墨痕鮮やかに記されていた。但し白墨ではあるが。記された文章を読んでいると、寒さに耐えかねた彼は走り出す。その時はポケットに小銭があったから急に「太っ腹」になって、そこに置いた。すると何処からか別の乞食がやってきて持って行ってしまった。体を動かして温まったからだろうか。彼は肩で息をしながら戻ってきた。

こちらも暇であるうえに物見高い。これは絶好の暇潰しと、寒さを我慢しながら立ち続けた。走り出す。通行人が小銭を落とす。別の乞食が持ち去る。彼が息せき切って戻ってくる・・・の繰り返し。じつに有意義で優雅な暇潰しの一刻だったことを覚えている。

ここで、やっと甘先生との雑談時間に辿り着いた。

中国人の性質を分かり易く解説した「差不多先生」という表題の文章を読んだ際、中国人は失敗しても、しくじっても、痛めつけられても、「差不多(まあまあだ)!」と呟くばかりで反省がない。

だから進歩がない──と甘先生が説明してくれた。そこから先生の日頃の義憤が炸裂した。

中国人は「発財(カネ儲け)主義」だからダメなんだ。近代化も民主化もできない。とどのつまりは共産党だって、国民党だって、発財主義じゃないか、と。


──いいですか、中国人はお目出たい春節(しんねん)の挨拶に「恭喜発財(カネ儲けバンザイ)」を繰り返す。香港では、それが酷すぎる。聞くに堪えません。

「発財主義」から脱し、さもしい根性を鍛き直さない限り、中国人が近代精神を持つことはできないのです。中国が近代社会に成長する事はゼッタイに、金輪際、あ・り・ま・せ・ん──

どうやら発財主義を中国人とは切り離せないものと見做す点では同じだが、甘先生は中国人の伝統的悪弊であると見做し、それを克服しない限り中国に近代化された民主的社会は訪れないし、中国が世界の普遍に参画することも出来ないと断罪する。

一方、橘の説くところによれば孫文は発財主義を逆手に取って、近代社会はカネ儲けが自由にできると説くことで国家改造を狙った、ということになる。どちらが正しいのか。


さてトンだ道草を切り上げて、ここらで国民党の理想国家に進むことにしたい。
      
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘  OPINIONS
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(読者の声1)宮崎さんの新刊『「コロナ以後」中国は世界最終戦争を仕掛けて自滅する』(徳間書店)を「コロナ休日」を利用して、読み終えました。

すごく要領よくまとまっていて、時系列に全貌を把握できたと共に、題名が最終戦争とありましたので、ミサイルが飛び交う従来型戦争を推測していたのですが、そうではなく、貿易戦争、ハイテク戦争につづいて金融戦争が米中の雌雄を決する最終戦争という意味なのですね。
これもまた現代世界にふさわしい解釈と考えますし、益すること大でした。(TK生、江東区)

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(読者の声2)明日26日(火曜)夜放映予定の「日本文化チャンネル桜」の番組「フロント・JAPAN」はホスト福島香織さん、ゲスト宮崎正弘さんです。

主要テーマは「全人代で何が決められているのか」「香港の民主化デモ、その後」「インド経済、突然の停滞は何故」などの予定です。(日本文化チャンネル桜)



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