2020年07月06日

◆アメリカは失業率14・3%を記録

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)7月2日(木曜日)弐 通巻第6568号  

コロナ以後、確実にやってくる高金利時代
金価格、8年ぶりに1800ドル(1トロイ・オンス)を突破 
大失業時代となった。

アメリカは失業率14・3%を記録、日本もおそらく実質的な失業率は7%台ではないか。非正規雇用とアルバイトの職が蒸発し、インバウンド業界は寒風吹きすさび、観光地も人出がほとんどない。

コロナがすべてを変えた。

アメリカはトランプ再選に黄信号が灯ったかと思うのも束の間、八月中に雇用状況を改善しなければ、居眠りジョーが大統領になりそう。最悪のケースに備えなければならない。日本でも安倍政権に吹き荒れる逆風。次は親中派首相の誕生となれば、やはり最悪のケースになる。

マーフィの法則に曰く。

「そこに最悪のシナリオがあれば、事態は必ずその方向へぶれる」。

さて日米欧は、恐慌回避、不況克服のためにカネをばらまき始めた。日本はひとりあたり10万円を給付。中小企業には企業活動維持交付金として百万円から2百万円。詐欺も横行している。書類が難しいので偽造書類をつくり、百万円をせしめると、手数料を四割ピンハネする悪徳業者が跋扈しているという。

問題は、日本が120兆円、アメリカが2兆ドル(220兆円)のばらまき、これらは財源のない、架空のカネである。GDP拡大のためには消費拡大、民間の設備投資、貿易黒字に政府支出だが、後者のみが突出し、日本の中央銀行は国債と社債、株式を買う。FRBも同様、日米金利差はほとんどなくなった。

金利が同様にゼロレベルだと、通貨投機は起こりにくくなり、いずれこの裏付けのない資金は償還時期を迎えるが、国債の買い換えに応募する投資家は消えているだろう。

となると高金利時代が再来する。

1981年、レーガン政権発足のおり、米国のプライム・レートは、じつに18%台だった。いったいこのような高金利で、企業活動が出来るのか。訝ったが、赤字国債増発と国防費膨張によって乗り切った。

日本は再生産のための投資はほとんど目立たず、社会保障福利厚生医療費に国家予算の3分の1を注ぎ込み(32兆円 vs 防衛費=5兆円)、国家の根幹であるべき安全保障を閑却している。

財源のない金のばらまきは必然的に通貨価値を下げる。表面だけをみるとドル円ユーロの交換レートが安定的な枠内に収まっている訳だから、通貨価値は下がっていないと誤断しやすい。

金価格が1800ドルを突破している事態は、相対的に通貨価値が下がっているからである。たぶん金は史上空前の1900ドル台に迫るだろう。

投機筋が株式投資を引き揚げて商品投機に本格的な移行をはじめると、金融恐慌に陥落する懼れなきにしも非ずではないだろうか。

 

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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  
【知道中国 2096回】                
 ──「ポケット論語をストーブに焼べて・・・」(橘56)
橘樸「道徳概論」(昭和23年/『橘樸著作集第一巻』勁草書房 昭和41年)

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かくして橘は、「今日から云へば道徳の理想は、之を『幸福』の一語に要約することが出來る」と結論づけた。道教理想の幸福は福(子沢山)禄(財産)寿(長寿)だろう。

「近世の通俗道徳の理想は、煎じ詰むれば專ら『幸福の追求』にある」。では「幸福は如何にして求められるか」。「大體に就て言へば、道徳的行爲が其儘に現世及來世に於ける幸福」を約束する。「道?生活を望むにしても、その動機は多く功利的であり、『惡いことをすれば地獄に落ちる』と云つた樣な恐怖心から、止むを得ず與へられた道?律に囓り付くと云つた樣な風がある」。だから道教は「極めて幼稚又は俗惡」である。


──以上、橘の一般民衆間における道教に対する考えを要約してみた。たしかに橘の道教分析は現地調査をも踏まえ詳細を極めるが、どうも木を見て森を見ずの感が深いように思えて仕方がない。衒学趣味に過ぎて、鼻白むばかりだ。なぜ日本は、この手の衒学的道学者を生産し続けたのか。百害あって一利なし、だろうに。

橘は「中国人の宿命觀は原始以來引續き今日に及んだところの精神的鐵鎖である」とし、「道徳が斯る宿命觀の支持者であったと非難する」ような一般的見方を否定し、じつは「道徳經典の作者や其他の進歩した人々の間には、中國民族から宿命觀を排斥する事に絶えざる努力を捧げて居る」と説く。

だが「その効果が至つて微弱」であった。それというのも、「今迄中國に科學的思索の方法の發達しなかつた事や、?育の普及しなかった事にも因る」。その最大の要因は「政治及び社會組織の惡かつた爲に、中國人の生活が精神的にも物質的にもひどく壓迫されて來た事にあると思ふ」とした後、「生活が不安であれば、其の必然の結果として種々なる迷信が起こり、殊に宿命思想が勢力を張るのに何の不思議も無いのである」と結論づける。

そこで橘によれば「中國人から宿命思想を排除する徹底した方法」として、「政治及び社會の根本的改革と云ふ事に歸着するのであるが、それと同時に、深く人心に喰い入つて居るところの民族的宗?、即ち道徳の改革と云ふ事も頗る必要であり、且つ有効な方法の一つである」となるわけだが、この考えには疑問を持たざるを得ない。


「今迄中國に科學的思索の方法の發達しなかつた事や、?育の普及しなかった事」についての議論は一先ず措くとして、「中國人の生活が精神的にも物質的にもひどく壓迫されて來た」要因を考えるなら、「惡かつた」ところの「政治及び社會組織」だけが災いしたわけではないだろう。

それ以外にも、「中國人の生活が精神的にも物質的にもひどく壓迫されて來た」要因があったはずだ。だから「政治及び社會の根本的改革」だけでは「中國民族から宿命觀を排斥する」ことは出来ないように思う。そこで過酷な自然という避けることの出来ない要因を指摘しておきたい。


これを言い換えるなら橘の道教分析には、肝心な過酷な自然と言う要素が欠落しているのだ。あるいは橘の中国論もつ大きな欠陥は、この一点に集約されるようにも思う。

 ここで橘とは違った視点から道教を考えてみたい。
そこで取り上げたいのが、日本人では青木正兒(明治20=1887年〜昭和39=1964年)であり、中国人では林語堂(1895年〜1976年)である。

京都帝国大学で支那文学を修めた青木が長江下流域の江南地方を旅したのは、橘が中国論を公にする拠点とした『月刊支那研究』を創刊した大正13年より2年早い大正11(1922)年だった。

ということは、中国共産党が上海フランス租界で設立された1年後だ。

1923年には湖南省の長沙で学生による排日運動が発生し日本海軍陸戦隊が派遣され、24年に合作した国共両党は26年に軍閥打倒・全国統一を掲げて北伐を開始する。
      
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読者の声 どくしゃのこえ REASERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前号の四人の大統領の彫刻ですが、グランドキャニオンではありません。ただ文中に「マウント・ラシュモア国立公園」正しい表示もありますので、何かの勘違いかと思われますが、見出しを訂正された方が良いと思います。

マウント・ラシュモアの国立モニュメント(合衆国大統領4人の彫像)は、ノース・ダコタ州です。グランドキャニオンはアリゾナ州。地理的には全く別の場所です。
(S生ほか)


(宮崎正弘のコメント)見出しからグランドキャニオンを削除し、訂正します。早とちりでした。なおこの情報の出所は共和党系ですので、警告的アドバルーンの可能性があります。

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(読者の声2)3日午後8時から放映予定の「フロントジャパン」は佐波優子さんと、宮崎正弘さんの担当です。深夜からはユーチューブでもご覧になれます。
  (日本文化チャンネル桜)

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