2020年07月10日

◆中国のモバイルプラットフォーム、

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)7月8日(水曜日)通巻第6574号  

 インドに続き、米国もティックタックを禁止へ
  中国のモバイルプラットフォーム、個人情報の取得は安全保障上の脅威

インドは中国製品のボイコットを決定したが、その中にモバイルアプリのティックタックなど59を禁止し、いきなり接続を遮断した。

ユーザーが気軽に動画をおくるシステムが重宝され、世界的な大ブームを引き起こしているが、中国企業なのに、中国では禁止されている。同社の親会社は「バイドダンス」で、未上場。本社登記はシンガポールでなされている。

ここに集まる情報は個人情報のデータになりうるため、安全保障上の脅威とみなす米国も「禁止を検討している」とポンペオ国務長官は記者会見で語った(7月7日)。

また米国はウォール街に上場している中国企業の排斥に乗り出しており、アリババ、京東集団(JDドットコム)、ネットイースなどが標的だとされる。

新興の中国企業は、規制の緩いナスダック(2部上場)に狙いを定め、いきなりウォール街に上場して、膨大な資金をあつめてきた。

ところが、経理報告など、杜撰かつ出鱈目な内容に以前から業を煮やしており、その上で香港に重複上場し、中国の投機筋の資金の受け皿の役目も果たしてきた。
 
ナスダックでは古株で、ウェイボ(微博士)を経営知る「新浪」もMBOを駆使して非公開を検討するとした。
これらの動きはウォール街がナスダックの規制強化を鮮明にしているためである。

          
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜電気自動車、EVと大騒ぎをしているが、未来はそれほど明るいのか
EV販売増の舞台裏は政府の介入、補助金、そして強制購入では?

   ♪
 川口マーン惠美『世界「新」経済戦争』(KADOKAWA)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
マイバッハというのは世界一高価で贅沢なクルマらしい。自動車ファンなら皆が知っている由だが、評者(宮崎)、自動車免許を半世紀以上も前に返上しているので、クルマの種類までは知らなかった。

ところがひょんなハプニングが起こるもので、或るときにマイバッハに乗る機会があった。信号でとまると、わっと人が集まるほど人気だとは、日本にはトヨタのレクサスがあるのに、なぜいまもドイツ車のベンツやBMW信仰なのだろう?

フェラーリやランバルギーニなど伊太利亜勢も人気を博しているが、本書の主眼はドイツの自動車産業の話である。
 「1882年、四十八歳のゴットリーブ・ダイムラー」は「ビジネス・パートナーだったヴィルヘルム・マイバッハとともに、小型エンジンの開発に取り組んだ」

「奇しくも同じ頃、カール・ベンツがやはり車両用エンジンの開発に挑んでいた」
 
いずれ、これら3人の名前が冠せられる名車の誕生に繋がるが、この時期にはお互いに知らず、おなじ夢を描いて、至近距離でそれぞれが独自にクルマの開発に努力していたのだ。

「フェルディナント・ポルシェが19世紀末に造った最初の車」は、電気自動車だった。

役者がドイツで同時代に勢揃いしていた。ちなみに、もうひとつ有名な商標の「メルセデス」は、自動車レースの愛車に選手で金持ちが娘の名前をつけたのが嚆矢、ダイムラーが商標の権利を買い取ったという経緯もあった。

 のちにヒトラーが号令をかけたフォルクスワーゲンは「国民車」の意味であり、ドイツ自慢の高速道路網、アウトバーンは速度無制限。でも夜間の照明灯がない区間が多いため事故が絶えない。

学生時代から37年間、スタッツガルトに住んだ川口さんだからこそ、ドイツの自動車産業界の浮沈、その歴史と輝かしくない未来がわかる。

評者も半世紀ほど前にスタッツガルトで、ベンツ博物館を見学したことがある。ドイツ人は日本車などまったくバカにしていた。フランスでもルノーとプジョーの工場見学をしたが(工業使節団の通訳兼ガイドとしてついていった)、「あれ、日本よりラインが遅いな」というのが率直な感想だった。

直感は当たった。

日本車の大躍進は1970年代から始まった。昨今はフォルクスワーゲンを抜いてトヨタが世界一となった。

先週、テスラの時価総額がトヨタを上回ったというニュースに接した。驚きではなく、株価とはそういう面妖な動きをするモノで、投資家ではなく投機筋がテスラを餌に大儲けを企んでいるのだろう。

テスラが牽引する電気自動車、あのはったりが気に入られて、優遇条件で迎えられ、中国で爆発的に売れている。
その仕掛けは補助金と強制であり、欧州勢は出遅れている。

米国はEVへの興味は深くない。ドイツは補助金をつけたが、潤ったのは外国車だった。そもそもドイツはファーウェイの5G排除を決めかねているが、光ファイバー網が遅れており、4G状況にさえない。長距離鉄道にのるとスマホが通信不能となる。鉄道はいまだにコインを投入して切符を買い、改札がある。時代から完全に取り残されているのがドイツの実相だと著者は指摘する。

さて、電気自動車の未来を、ならば川口さんはどう見ているのか?

「電気自動車は、世間で思われているほど完璧なものではない。本来ならそれらの問題を、イノベーションをベースにして、環境や経済に考慮しながら解決していくことがベストだと思われるが、現実は、多大な政府の介入で、理想の発展が妨げられているように感じられる。そして、急ぎすぎた電気自動車へのシフトは、多くの弊害を生んでいる」。

使用する金属資源、電池のレアメタル類などはやくも過剰な高騰を示しているように。

自動車業界を世界の市場を総括的に比較しながらも、過去、現在、未来をダイナミックに描いた報告である。
            
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
集中連載 「早朝特急」(37) 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

第二部 「暴走老人 アジアへ」 第二節 南アジア七カ国(その4)

 第三章 パキスタンは幾重もの複雑な顔を持つ

 ▼パキスタンが2億8千万もの人口大国だって知ってました?

パキスタンの実情を日本人はあまり知らない。

まず戦争状態の「物騒な国」というマイナスの印象がある。中国と軍事同盟を結び、核兵器を保有する悪い国。治安が悪すぎて、日本人旅行者が殺害された危険ゾーン。

イスラムのラジカルな人たちがいて、武装し、タリバンを支援し、秘かにビンラディンを軍の情報部が匿っていた信頼の置けない国。

こうした暗いイメージが先行するので、次のような美点は顧みられない。

パキスタンは「清浄な人々のすむ場所」という意味であり、宗教的に高潔である。そのうえ清潔好きである。これは行ってみて現地の人と接しないと分からない。

教育程度も急速に高くなり識字率は60%を超えた。

ましてサウジやイラン、アフガニスタンのような女性蔑視の風潮はない。暗殺されたブッド首相は女性宰相だったではないか。

現地で驚くのは映画産業が盛んなこと、そして美人が多いこと。ホテルで外国人は飲酒可能。ただしパキスタン産のウィスキーはまずいけれど。。。

映画「ランボー」のパート3は、シルベスタ・スタローンがムジャヒディンと協力し合い、ソ連軍をやっつける物語だった。

すなわちパキスタンは米国の同盟国だった。

1971年、突然のニクソン訪中の段取りをつけた秘密会談はパキスタンが斡旋し、補佐官だったヘンリー・キッシンジャーは、イスラマバードで「仮病」を装ってホテルで記者団の目を誤魔化し、秘かに訪中した。周恩来とニクソン訪中の具体策を北京で打ち合わせていた。

その後、CIAがアルカィーダに梃子入れし、ビンラディンはCIAが育てたのだ。

途中からビンラディンはフランケンシュタインのごとき怪物に化けて反米闘争を展開するようになる。ま、国際政治の裏舞台は裏切り、謀事、騙し合いの世界だから。

現実のパキスタンは、中国と半世紀を超える軍事同盟を結んでおり、合弁の戦車工場を運営しているほどの蜜月関係にある。

ところが最近は中国の一帯一路プロジェクトを「鬱陶しい」と思うようになったほど、対中不信感が増大している。理由は後節にみる

インド・パキスタン紛争は1971年に東パキスタン独立戦争となって、インドはバングラデシュの独立を支援した。

戦局はインド有利に転化し、パキスタン軍を後退させた。各地にパキスタンの捕虜が収容されていた頃、筆者はインドを旅行した。シャイプールあたりで捕虜収容所を見た。

インドでも、パキスタンでも、バングラデシュでも、兵隊に強姦されて処女を奪われた女性が10万人以上。彼女たちは決然と自殺した。その高潔! いまの日本女性には意味が分からないだろうなぁ。

戦争が片付くと、日本人が結構パキスタンへの旅行をしていた。モヘンジョダロ観光もさりながら、K2登山、フンザ登山トレッキング組が多かった。治安はそこそこ保たれていた。

4半世紀前に筆者は思い立って、パキスタン各地を旅行した。

イスラマバード、ラホール、ペシャワール、カラチ。ラワルピンジ等々。昔の首都だったカラチは人口1200万の大都会で、国際線の乗り入りも現在の首都のイスラマバードより多い。ビンラディンの独占インタビューをとったパキスタンの英字紙『ドーン』(夜明け)は商業都市カラチの新聞である。

さて現地で筆者がもっとも衝撃を受けたのはペシャワールだった。

世界に密造武器製造工場として悪名高いことは劇画の『ゴルゴ13』にも出てくる。

ここがアフガニスタン難民の集積場所で、当時、難民キャンプの人口が、23万といわれた。いまは百万人以上だろうか、人々でごった返す大都会である。ペシャワール全域の人口は300万。また、ここが故・中村哲医師らアフガニスタン支援の日本人組織ペシャワール会の活動拠点でもある。

 ▼カイバル峠のアフガニスタン国境にて

現在、パキスタンにいるアフガニスタン難民は合計で600万人ともいわれ、ここで生まれ、育ち、就労し、一度もアフガニスタンへ行ったことのない難民の末裔が多数派となった。路地は狭く通行人でぎゅうぎゅう、人口稠密、こんな裏通りにゴールドショップが多数店開きしている理由は何か?

手作りのライフル銃など、危なっかしくて、正規軍は買わないだろう。しかしアフリカのゲリラか、ギャング団の需要は旺盛、密造ライフルなど武器産業に従事している難民も多い。

このペシャワールがアフガニスタンとを繋ぐカイバル峠へ向かう拠点でもある。

この峠は長い長い崖道、坂道、くねくねと曲がる道の連続で、沿道はといえば、驚くべし、プールつき豪邸、屋上にパラボラアンテナ、車庫にはベンツかBMWときている。

無法地帯だからパキスタン政府の統治及ばず、密輸業者、武器業者の豪邸が並ぶのである。

延々と峠をのぼると、ようやくアフガニスタン国境。ここで休憩、少年たちが駆け寄ってきて、「パキスタンの通貨と交換してくれ」という。

紙くずのパキスタンルピーを欲しがるのは、おそらく世界広しと雖も、ここだけだろう。アフガニスタン紙幣と闇の両替が成り立つのである。

国境の碑をまたぎ、2歩、3歩、アフガニスタン領内に足を入れた。警備についてきた軍人がライフルを肩に笑っていた(カイバル観光は当局に届け出て、軍の護衛がある)。

イスラマバードは新首都だが、世界最大のモスクがある。全額サウジアラビアが寄付した。官庁街に近い高級住宅地を見学してみたが、パキスタンの最貧国のイメージはここで完全に吹き飛ぶ。ずらり、ハリウッドの豪邸群かと錯覚するほどの豪邸がならんでいるのだ。

さらにイスラマバードを南下してラウルピンジへ行くと、軍参謀本部がある軍事都市。ここで中国と戦車の合弁工場がある。

軍人65万、パキスタンが軍事大国であることを忘れるところだった。パキスタンは核武装しており、そのノウハウを北朝鮮に提供した疑惑があり、またシリアでも原子炉を建造していた。機密を知ったイスラエルは空軍機六機を飛ばして、破壊した。

 ▼パキスタンはそれほどまでにチャイナマネーが欲しいのか?

2019年7月、IMFはパキスタン支援の60億ドルを最終承認した。

IMFは今後3年間にわたり、毎年20億ドルづつパキスタンに資金供与する。
 
引き換えにパキスタンは改革計画(財政均衡、輸出拡大、内需喚起)を是認しなければならない。同年4月までにIMF特別チームはパキスタンと協議を重ね、支援を決定していた。IMF理事会の最終承認がなされ、パキスタンのデフォルトは当面避けられる見通しとなった。

IMFのパキスタン救済はこれで13回目。完全なモラルハザードだが、この決定にイムラン・カーン首相より、パキスタンで総額620億ドルの大プロジェクトを展開している北京が安堵の度合いが深かったかも知れない。

クリケットの世界チャンピオンだったイムラン・カーンは首相に当選後、すぐに北京には赴かず、陸軍参謀長を差し向け「中国パキスタン軍事同盟」を確認させた。その間にサウジ、UAEを歴訪、緊急の200億ドル融資を勝ち取った。

それからカーン首相はおもむろに北京を訪問したが、追加融資の案件に中国側の明確な回答はなかった。

中国がパキスタンへ注ぎ込んでいる世紀のプロジェクトは、習近平の「一帯一路」の目玉だ。CPEC(中国パキスタン経済回廊)と呼ばれ、各地で工事を展開してきた。

イランのホルムズ海峡に近いグアダル港は深海であり、潜水艦寄港が可能、将来は中国軍の軍港として活用されるに違いない。コンテナ・ヤードでの貨物取扱量は2018年に120トン、2022年には1300トンの貨物を集荷し、仕向地向けに輸送するターミナルとなると中国は青写真を提示した。

中国が港の管理運営権を握り、向こう43年間。収益の91%が中国の懐に入る。巨大な投資はこれが担保だった。

グアダル港の周辺にはコンテナ・ヤードのほか新空港建設に2億3000万ドル(エアバスの民間利用に加え、中国空軍も利用することになる)、病院建設に2億ドルを投じ、230病床を確保する。加えて単科大学を創設し、パロジスタン住民の子供達の将来を考慮したいとしているが、地元住民はまったく納得していない。

グアダル港はアラビア海に面しており、周辺の土地は地下水の層が薄く、海水淡化プラントの建設が遅れており、飲み水に決定的に不足している。飲み水がなければ人間は生活できず、グアダル港新都心の水道設備はどうなっているのか、住民説明会はまだ開かれていないという。将来、立ち退かせた住民の漁業補償や住宅建設後の受け入れも視野にいれていると中国側は説明しているが、住民優先という発想がない。飲み水の問題が解決していない。

ところが中国は、このグアダルより、さらに西に目を付けた。パキスタンの西端に中国軍にとって海外2番目の基地を建設より、もっと西側でイラン寄りのジワニ港。アラビア海を扼する要衝がその標的である。

深刻な危機感を抱き、軍事的緊張感を強いられたインド政府は露骨な対抗措置を講じ始めた。

南アジアの盟主を自認してきたインドにとって明確な敵性国家はパキスタンである。このパキスタンを挟み込む戦略の一環として、インドはイランのチャバハール港近代化に協力し、コンテナ基地のキャパシティが拡大、輸送が開始された。

このタイミングでトランプ大統領はパキスタンへの援助を凍結した。すると中国は直後のタイミングを選んで、秘密にしてきたジワニ港開発を打ち上げた。

▼中国の性急さも賄賂付けには根負け

ところがCPEC(中国パキスタン経済回廊)プロジェクトの現場では、工事の遅れが顕著となった。

まずパキスタン国内のハイウェイの現場である。中国が巨費を投じるCPECはグアダル港から新彊ウィグル自治区まで鉄道、高速道路、光ファイバー網と原油とガスのパイプラインの五本を同時に敷設する複合プロジェクトである。途中には工業団地、プラント、火力発電所などが突貫工事で進捗している。

2016年の習近平パキスタン訪問時に、「中国シルクロード構想」(一帯一路)の傘下に入り、相乗りというかたちで高速道路建築プロセスが修正された。

その高速道路建設現場の3箇所で工事が中断した。中国の資金供与が中断されたのが原因で「汚職が凄まじく、続行が困難」との理由が説明された。

もともとパキスタンは中国同様に政治高官の汚職がはびこる社会。そのパキスタンと中国が軍事同盟なのだから、一部には『汚職同盟』という声もあった。

しかしCPECは習近平が政治生命を賭けての一大プロジェクトであり、死にものぐるいでも完成しようとするであろう。突貫工事のために中国は囚人を労働者として送り込んでいた事実も発覚した。
 
パキスタン野党PPP(パキスタン人民党)のナワブ・ムハマド・ヨーセフ・タルプル議員がパキスタン国会の委員会で質問に立った(2018年3月1日)。

「中国から夥しい囚人がCPEC<中国パキスタン経済回廊>の道路工事に投入されているのは問題ではないのか。國際間の取り決めでは囚人を工事現場に投入するケースでは、ホスト国の受諾が必要であり、ひょっとしてパキスタン政府は非公開の取り決め、もしくは密約を交わして、このような囚人を受け入れているのではないか?」とタルプル議員の舌鋒は鋭かった。

パキスタン政府が期待した現地雇用はなく、治安は悪化し、おまけに労働者ばかりか、セメントから建築材料、建機に至まで中国から持ち込まれ、これはパキスタンの貿易収支を悪化させたわけだ。

くわえてグアダル港が位置するパロチスタン洲では頻繁に中国人へのテロ、誘拐も起こり、労働者は隔離されている。工事現場の警備はパキスタン軍があたっている。バロチスタン地方は独立運動が盛んで、パキスタン中央政府の統治が及んでいない。

中国の囚人らが犯罪に加担したかどうかは不明だが、最近パキスタンではATM詐欺が横行し、カラチでも反中国感情が猛烈に吹きすさんでいるという。ネットの書き込みは凄い。なかに「パキスタンはいずれ中国の犯罪者に溢れ、マフィアの巣窟になるだろう」というのがあった。

 ▼そう簡単には「撤兵」できない米軍、トランプの困惑ぶり

「アフガニスタンの戦局において、米国の勝利はあり得ない。そこには、いかなる希望もない。タリバンと和平交渉をなす方向を探した方がよいだろう」

こう言ってのけたのはパキスタン国家安全保障会議顧問のナセル・カーン・ジャンジュア元陸軍大将である。

しかしトランプはペンタゴンの勧告にしたがってアフガニスタンへ4600名の増派を決めた。

ペンタゴンの方針は、過去17年戦ったタリバンと、どうしても勝利の決着をつけたい。トランプの目的はアフガニスタンに潜伏し、タリバンと連携するテロリストISのせん滅にある。

トランプ大統領とペンタゴンとの思惑は、一枚岩ではない。なにしろ、第1期トランプ政権を囲んだフリン、ジョン・ケリー、マティスらが辞め、エスパー国防長官とも折り合いが悪い上、旧軍人の大者たち、たとえばコーリン・パウエル元国務長官らは『次の選挙ではトランプを支持しない』と連名で発表している。

アメリカの世論といえば、アフガニスタンには関心が薄く、西側の安全を脅かすテロリスト戦争の文脈で捉えているだけである。そのために米国はアフガニスタン政権に軍事的経済的人道的支援をなし、傀儡と言われたカルザイと現ガニ政権を支えて、すくなくとも首都カブールの治安を死守してきた。

パキスタンは、そのアフガニスタン支援の兵たんであり、米軍の橋頭堡である

それゆえに支援してきた国々がアメリカを批判している構図である。米国がアフガニスタン戦争に踏み切ったのは911テロへの報復であり、当時の世論は「アルカィーダをやっつけろ」だった。

首魁だったビンラディンは、パキスタンの軍情報部がかくまっていた。このため米軍特殊部隊は、かれらの盗聴網を出し抜いて、密かにイスラマバード上空から潜入し、パラシュートで降下、奇襲攻撃をかけビンラディンを殺害した。この時点で、アメリカにとっては一応の決着を見たことになる。

パキスタンは意外にジョークの盛んなところで、たとえば次の2つ。

 「パキスタンの国鳥ってなんだろうな?」

 「米国製ドローンさ」

 もし、イムラン・カーン(首相)がカシミール問題をインドと話し合いで解決したら」
 「出来ないね。それなら彼は三回も結婚したんだ」。
       

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。