2020年09月17日

◆番頭政治が解散に打って出ようとするが

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)9月15日(火曜日)通巻第6644号  <前日発行>

 番頭政治が解散に打って出ようとするが
  永田町の猟官運動、政治の劣化。国の運命を託すわけにはいかない

あれほどの大殺戮をやってのけたのに、毛沢東は中国史の英雄である。

西洋でもアレキサンダー、ネブカドネザル、シーザー、そして近世ではナポレオン。ロシアではピョートル、エカテリーナ女帝。皆、英雄ですね。そしてスターリンも。

ところが日本での英雄はみな悲劇の主人公になる。

ヤマトタケル、和気清麻呂、菅原道真、源義経、北畠顕家、楠正成、大塩平八郎、吉田松陰、西郷隆盛、特許隊員。。。

軍人の英雄は乃木、東郷、児玉、廣瀬と神社に祀られているが、山本五十六はない。

さて本当の改革を断行し、英雄と祭られるべき人々。たとえば源頼朝、足利尊氏、明智光秀、大久保利通らの名が浮かぶが、これらの日本人の評価は悪党に近い。

リーダーとは国民を統合し、民族的アイデンティティの価値観や伝統を尊びつつ、将来のヴィジョンを指し示し、国民を率いる統率力をもち、カリスマ性がある。信念のために戦う姿勢をみて、皆がついていこうと思う人物である。

小林秀雄は、石原慎太郎が政治家を目ざすとしたときに、「政治家の価値とは、まわりに何人が、その人のために死ねるか」によって決まるという意味のことを言った。

明治維新以後、日清・日露戦争を戦い抜いてきたわが国は国民精神とリーダーの目論見とが軌を一にしていた。戦後、岸は政治生命を懸けて不平等条約の改定(安保条約改訂)に持ち込み、これは小村寿太郎の不平等条約撤廃に相当する成果である。

ところが、以後、沖縄返還の佐藤栄作あたりから「自由と民主主義による福祉国家の実現」が国家目標となり、政治は矮小化した。

中曽根は就任早々に「わたしの政権中は憲法改正はない」と過去の主張をしまい込んだ。爾後、故郷創生とかの大番頭は竹下、アンパンマン橋本、宇宙人、スッカラカンと続き、憲法改正を前面に出す安倍晋三をまたねばならなかった。戦後レジュームの克服をとなえるや、戦後体制に安住してきた朝日新聞などはフェイクにつぐフェイクをでっち上げ、とうとう安倍を引きずり降ろした。

世襲議員は国家百年の計に関心がなく、選挙ではもっぱら、「女性の唇と女陰にむかって叫ぶ」(石川達三)。まるで何も決められないでおろおろした徳川幕府末期の幕閣とそっくりである。

あるじなき商店は、番頭がしばし采配する。

しばらく日本政治は番頭政治となり、多くは期待できそうにない。ところが、番頭政治が解散に打って出ようというのだから、永田町の猟官運動、政治の劣化。国の運命を託すわけにはいかないのではないか。
      
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【知道中国 2132回】    
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港14)
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2枚目の衝撃度はハンパではないキョーレツの極みだった

郊外の山中で立ち木に首から吊された黒焦げ死体の写真は、「迫真の報道写真」などといったありきたりの表現では追い付かないほどに生々しい。アップで1枚、ロングで1枚、下から1枚、横から1枚といった組写真で、これに煽り気味のキャプションが加わるから、薄気味悪さは増すばかり。死体が発する生臭さ、猟奇漂うおどろおどろしいばかりの現場状況がマジマジと伝わってくる。

モノクロ写真ではあるものの、モノ凄い迫力だった。


ダランと四肢が伸びた死体は真っ黒こげ。ピンと張ったロープの先の首は伸び切っている。頸部を括られた顔からは、被害者の恐怖と怨念が立ちのぼってくるようだ。殺してから立ち木に吊して火を点けたのか。はたまた虫の息の被害者を焼いてから立ち木に括りつけたのか。それとも首に懸けたロープの一端を立ち木に縛りつけた後で火を放ったのか。


たしか解説記事には黒社会の敵対する組織同士の縄張り争いの犠牲者だったように書かれていたが、仲間を裏切った者への見せしめだったのかもしれない。

誰が、どんな狙いから恐怖を呼ぶ死体写真を「天下の公器」であるはずの新聞に掲載したのか。この死体写真は、あるいは敵対組織への勝利のサインとも考えられるし、「仲間を裏切るとこういう痛い目に遭うぞ!」という無言の警告とも受け取れる。

いくら「何でもあり」だった当時の香港でも、新聞が黒社会──当時の香港で主たる組織は、三合会、新義安、14K、和安楽、和合桃、和勝和──の広報紙であったはずはなかろうと思いたい。だが、あるいは業界紙の役割を果たしていた可能性も否定できそうにない。

昨年6月来の香港における一連の反中・民主化運動の推進役の1人であり、「香港における出版・報道の自由の象徴」と目され、香港国家安全法施行以降に逮捕された黎智英(ジミー・ライ)が経営する『蘋果日報』は、1995年に創刊されている。情報の信頼性に問題ありとの声もあったが、歯に衣着せぬ強烈な中国批判のみならず、独自の取材による暴露記事や告発記事もあって販売を伸ばしてきたことは事実だろう。


創刊から5年ほどを経た頃、同新聞本社で新聞編集と発行に関する全権を掌握していた同紙論説主幹にインタビューした際「『蘋果日報』は迫真のカラー写真を多用するのか

交通事故や殺人現場の生々しい写真の掲載は人権上問題はなかろうか」と質問すると、「新聞は活字(記事)からの情報ではなく、ビジュアルな媒体による感覚・感情・衝撃を売るもの。だから活字は必要最小限に押さえている」と応えてくれた。

たんなるセンセーショナリズムでも、くそリアリズムでも、現場主義でも、ましてや露悪趣味でもないようだ。あるいは死体写真を堂々と報じるメディアの、そんな写真をスンナリと受け入れる読者側の、それぞれの姿勢にこそ、彼ら香港住人の死体観とでもいうべきものがあり、それは彼らの《生き方》に繋がっているようにも思える。


それぞれの《生き方》が判らない。頭、あるいは文字の上では理解できたように思えても、実際に違和感は解消されない。解消されるわけがない。であるなら違和感は違和感として承知しておくしかなさそうだ。

ここで、当時の香港における日本の新聞について少し記しておきたい。

図書館に行けば新聞を読めるが、やはり時には日本の新聞を読みたくなる。日本の新聞は航空便で郵送され、尖沙咀の先端にあった天星碼頭(スター・フェリー)に並んだ売店で買うことが出来たが、高価すぎて貧乏留学生には手が出ない。

ところが幸運なことに、日本研究の教授に日本の新聞の整理を仰せつかり、数日遅れながら数紙の日本の新聞を無料で読むことができるようになった。どうやら貧乏留学生にも「拾う神」の目が向いて来たようだ。
(ひいずみかつお氏は愛知県立大学名誉教授。華僑研究の第一人者)
       

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■読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)大坂ナオミ選手、全米オープン優勝おめでとうございます

日本国籍を選択した彼女ですが、何故か日本のTVでは会場にあった日の丸を映しませんね。日本人が活躍するのを良しとしない勢力がマスコミを牛耳る証拠がまたひとつ・・・
これが会場の様子、日の丸は真ん中にあるんですがね。
https://www.youtube.com/watch?v=IELytkCsqW0

今回、彼女が黒人差別に抗議して犠牲者の名前をつけたマスクをしていたのが話題になりましたが、黒人と黄色人種の混血である彼女がアメリカで体験したであろう差別は我々には想像もできないものでしょうそうした事件が起こるたびに恐怖を感じた、という彼女の言葉は重い。

しかし日本のTVは、このマスクをつけていた事を妙に大きく報道しすぎていないでしょうか? アメリカの左翼革命であるBLM運動はトランプ追い落としを狙う勢力が背後にあると言われますが、日本のマスコミもこの運動への親和性が高いのでしょう。

ところが、マスクの件、どんな主張があるのか、と記者に問われた大阪選手の答がよかった。

「逆にあなたはどう思いますか? とにかくみんなに考えてもらうきっかけなればよかった」

 自分の心に訊け、ということでしょう。

かつてルーサー・キング牧師は有名な "havedream・・・"
で始まる演説で、否定的な言葉、暴力を煽る言葉ではなく、「夢」を語ることで黒人差別撤廃を訴えたのを思い出しました。左翼暴力テロリスト達によって不純なものになり下がったBLMは、半世紀以上前のキング牧師の運動とは全く異なるものです。

大坂選手はそれが今、反トランプという政治運動に利用されることなく、純粋で素朴な差別反対のムーブメントに立ち戻ることを願っているのではないでしょうか。
やはり「日本的な何か」を持っている彼女を応援します
  (Stratocaster)

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(読者の声2)9月14日付貴誌の「読者の声」投稿の拙文中、図書館で朝日新聞を「購読」とあるのは「読んでいます」の誤りです。

「購読」とは、「新聞を買って読む」という意ですね。なお、朝日新聞の論調、姿勢には問題が多く、「購読」をするべきではないと考えてはいますが、少なくとも反面教師と言うか、比較のためにも、「一読」の必要性は高いと思っています。私は、図書館で全国紙はできるだけ全て読むように努めています。

なお、投稿の最後に、上下水道民営化についての拙文を紹介して、菅氏は、この問題について関心がある旨を述べましたが、これに関連した内閣府人事には極めて不明朗、不可解な問題がありました(菅人事だと推測されます、この一点だけを見ても、私は菅氏の「見識」には疑問符をつけたい)。 これに関連して、日本政策投資銀行の担当に電話して、インタビューを申し込んだのですが「拒絶」されたことがありました。

このように、何らの発信力もない清貧老人に過ぎない小生ですが、それだけに、言動において恥じることなく死ねることは幸いかなと思っています。

例えば、成蹊大学名誉教授殿が今もって「心酔?」されている丸山真男など、平川祐弘氏が「辞職する丸山教授を、学生を扇動した自業自得と見ていた」とされる(『日本の正論』河出書房新社、2014年刊など)ことに、まったく同感です。

この丸山という人物は、永井陽之助氏について、学生に「悪影響」を与えているとして、研究室への出入りを差し止めたと聞いています。およそ、基本的人権の中で最優越的地位を占めるはずの表現の自由を否定する人物の言論など信頼できるはずがありません。


その他、平川祐弘氏は、「幻想を振りまいた仏文学者の知的群像」として、「渡辺一夫の政治的幼児性」「嘘まみれだった森有正」などと述べ(『日本の正論』)、大江健三郎については「大江の文学界における運命は政界における土井たか子の運命とほぼ同じ」、また、家永三郎については「英語がきちんと読めず交戦国を双方から客観的に判断する能力のないはずの彼」と言われる(『日本の生きる道』飛鳥新社、2016年刊)。

平川氏は1931年生まれですから、もう89歳になられるのでしょうか。依然として現役として、『月刊HANADA』などに健筆をふるっておられます。さらなる「正論」を期待して、いっそうの御長寿をお祈りしたいと思っています。
   (椿本祐弘)


(宮崎正弘のコメント)嘗て小生も丸山真男は「正真正銘のバカ」、大江健三郎は「縦に書いたフランス語」と比喩したことがありました。

平川さんのそうした表現を集めて「天下の馬鹿者列伝」なんて企画したら面白いかも。

永井陽之助の『平和の代償』は、もっと評価されてしかるべきだと思います。高坂正堯の陰に隠れてしまったかな?


(読者の声3)自民党の総裁選は菅氏で決まったも同然でしょう.しかし、はじめから期待してはいませんでしたが、三候補の憲法論議は、全く低調です。

これは本質的には、国民の関心の低さを反映しているからでしょう。

しかし、私が言いたいのは、関心の高い低いではなく、その内容です。

一口で言えば、国家にとって憲法とは何かという基本論がありません。基本論に照らした「日本国憲法」とは何かという視点の議論がなく、従って、国民の関心も盛り上がらないのでしょう。

その欠けている視点を書いてみます。

「日本国憲法」とは違法に(ハーグ陸戦条約43条違反)、非民主的に(30項目の報道規制の存在)、一国を統治する基本である憲法を定める統治行為を外国人から独立して行う権限が連合国最高司令官マッカーサーの下に置かれた状態(バーンズ回答の存在)で決めたものです。日本人が、こういうものを国の基本法として70年余り奉っていることは、日本人が独立国民としての正気を失っていることになります。

これは、日本人の多くが、考えねばならない国際法規や条約を知らないからと考えられます。

当時この「日本国憲法」を無効だとする考えを克服する理論として、知恵を絞って考えだした苦肉の策が、東大法学部教授宮沢俊義氏が唱えた8月15日革命説です。


革命があったのだから、一切の普通の法理論に縛られず、縁を切れると考えたのだと思います。この理論が白状しているのは、他のすべての「日本国憲法有効論」は、無効論に論理的に太刀打ちできないと宮沢教授は考えたということです。だから、こんな不自然な理論を考えたのであって、この動機だけは理解できます。

法改正に執念を燃やしたはずの安倍晋三氏は、このことに気づかず、拉致家族奪還とともに千載一遇のチャンスを失ったのです。惜しいことです。

西村眞悟先生が言われるように、拉致家族奪還を妨げている根本的なものは、交戦権を認めていない「日本国憲法」です。一刻も早く無効にすべきものです。

 まずは、このような属国、違法憲法を、どう意識するのか、国民的議論を起こすべき(関野通夫)

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(読者の声4)令和2年9・29反中共デー東京大会のご案内
 9月29日は反中共デーです。
 今年も下記の要領にて、令和二年9・29反中共デー東京大会を開催いたします。
 【日時】 9月29日(火)雨天決行。午前11時 大会開始。正午 行進出発
【場所】 三河台公園(東京都港区六本木4ー2ー27。六本木通り沿い/俳優座の隣)
【合意事項】●国旗の掲揚は大歓迎します。また、旭日旗やZ旗の掲揚も歓迎します。

●南モンゴル、ウイグル、チベットなど、中共に侵略され、独立を目指して戦っている国々の方が、ご自分の国家や民族を象徴する旗を掲揚することは歓迎します。

●超党派の運動のため、会旗など団体の旗を掲揚することは禁止します。
●拡声器の持参は歓迎します。

●車輌でのご参加はご遠慮ください。

【連絡事項】 本年も東京大会だけではなく、北海道大会(札幌)も、中部大会(名古屋)も、関西大会(大阪)も、九州大会(福岡)も、開催される予定です。
【呼び掛け】令和二年9・29反中共デー東京大会共闘委員会
【事務局】荒岩宏奨 石田和久 榎本隆生 小松良匡
  以上、ご案内いたします。
詳細はインターネットなどで<9・29反中共デー東京大会>を検索して、ご確認ください。1人でも多くの皆さまのご参加を熱望いたします。(三澤浩一)
           

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