2020年09月18日

◆TIKTOKはオラクルへ

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)9月15日(火曜日)弐通巻第6645号  

TIKTOKはオラクルへ。英アームは米エヌビディアが買収へ
ハイテクの中国包囲網、大型のM&A(企業買収合併)で道半ば

TIKTOKの米国子会社をトランプ政権はマイクロソフトへ売却するように命じたが、中国が激しく抵抗し、訴訟に持ち込まれた。現時点ではオラクルとの「提携」で、事態は落ち着きそうな気配となった。

TIKTOKは動画投稿サイトとして急激に業績を伸ばしてきたが、データが中国に渡るとトランプ政権が警戒してきた。

他方、ソフトバンクが3兆2000億円という巨額を投じた英アーム買収は、ソフトバンクの経営悪化による株式売却が急がれていたが、米エヌビディアへ4兆2000億円での買収交渉が最終段階に入った。米英連合にAI技術の覇権が移行する。

エヌビディアはGPU(画像処理半導体)の大手として知られ、ゲーム映像などをなめらかに描く技術を音声認識にいかし、計算をこなすAI計算を高速でこなす。次世代AIの成長分野である。

アームは半導体設計で世界の90%のシェアを誇り、中国が買収を狙っていた。これもトランプ政権の反対により、ソフトバンクは新しい買収先を水面下で探していた。すでに中国は「アームチャイナ」という子会社を中国に設立し、技術の猛追を図っている。

これらの大型買収劇は、従来の資本主義におけるシェア拡大という一般的なM&A戦略を越えたもので、ハイテク、とりわけAI半導体の最先端技術を中国に渡さないというトランプ政権の中国封じ込めを基盤に生まれてきた。
      
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■読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)通巻第6644号 先生の「番頭政治」は痛烈、痛快です。 一般マスコミが、この点を指摘しないのは、見識がないも甚だしいと感じていました。
 英語には、たしか、Caretaking
Government とかCaretaker という政治用語があったと記憶します。

来年秋、あるいは解散総選挙までの一年足らず、「私は番頭でございますので、この突発事に、その間だけ、暫定内閣を組織させていただきます」と菅氏は公言しておれば、喝采を浴びていたのではないでしょうか。
政治には、大向うへの意識が必要です。(KI生、尼崎市)

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(読者の声2)証券アナリストジャーナル(2020年9月号)にツネイシホールデイングスの特別顧問で元大蔵官僚だった伏見泰治が30年前に英国の王立国際問題研究所に2年間派遣されていたときの話を書いている。

この中で、「Tsushima沖海戦」に関する質問を同僚のクロアチア人から受けたエピソードがあった。本人が今でも「Tsushima沖海戦」と書いていることから、「Tsushima沖海戦」が日本海海戦のことであり、連合艦隊を指揮した東郷平八郎大将が海戦史上稀に見る勝利を収め、バルチック艦隊の艦艇のほぼ全てを損失させたことを、どうやら、ご存じない可能性が高いように思えた。

国家公務員採用試験には、自虐史観を取り除いた正しい歴史知識を問うような問題を出題し、日本の高級官僚が海外で恥ずかしくないようになってもらいたいものである。

これにより嘘が書かれた歴史教科書を検定したり、慰安婦を買いに行く事務次官で構成されている文部官僚の左翼思想も浄化できると思うが、已にこちらは手遅れで、浄化が終わるまで何十年も待っていられない。一度解体するべきだと思う。
((匿名希望)

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(読者の声3)貴誌9月15日付通巻6644号「読者の声」欄における「宮崎正弘コメント」に「平川さんのそうした表現を集めて『天下の馬鹿者列伝』なんて企画したら面白いかも。」とあるのを読んで、あらためて、稲垣武著『「悪魔祓い」の戦後史』(文春文庫1997年刊、単行本1994年刊)を取り出しました。

この著者、なんと元朝日新聞社記者なのですね。

この著書も、小気味よく「進歩的文化人の言論と責任」を論断しています。この書の中では、「丸山にとってのものの考え方や論理は、おのれに都合の良いものを、そのときどきに応じて使い分ける道具にすぎないのだろう。77さすが教祖だけあってその円転滑脱ぶりは感嘆の他ないが、そこに思想の一貫性は見出すべくもない」(189頁)と述べられ、また、全共闘運動の関連では、「国立T大学のM教授」などと表現して「進歩的文化人の理論的指導者と仰がれたM教授など、その反体制論は自分に火の粉が降りかからない範囲での観念的遊戯だったと言えなくもない。

彼らに比べれば、和田や折原のような全共闘擁護派の方がまだしも良心的だといえる」などと述べられています


 とにかく、これらの丸山真男氏についての「評価」については大いに同意、同感できるだけに、「安倍首相の成蹊大学時代の『恩師』が苦言」「首相としてもう少し知的になってほしかった」という見出しの9月9日のYahoo記事の中で、成蹊大学時代の「恩師」殿が、「安倍さんも首相を辞めたら、前よりは時間があるだろうから、ぜひ丸山真男を読んで勉強してもらいたいですね(笑)」などと語っているのを見て、呆れて、それこそ「笑」いたくなりました

私は教養学部時代も、法学部でも、この成蹊大学名誉教授殿と話し合った記憶はありませんが(彼の発言で、印象的、鮮明に記憶しているものはあるのですが、公表は差し控えます)、卒業後約50年、この人物は「ぜひ丸山真男を読んで勉強してもらいたい」などという観念というか、思考枠組の中で、成蹊大学なる三菱財閥と関りが強い大学で学生指導を行ってきたとは、驚くほかありません。

ところで、ネットで調べると、『「悪魔祓い」の戦後史』は、2015年にPHP研究所から新装版が発売されているようですね。文庫版の解説は松原隆一郎氏が担当しておられます。よくまとまった好解説だと思います。(椿本祐弘)


(宮崎正弘のコメント)稲垣武さんとは二回か三回ほどしたあったことはありませんが、その強烈な共産主義批判の文章を前提としていたら、穏やかな紳士でしたね。


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