2020年09月22日

◆米国のジャパンハンドラーが画策

高島康司


持病悪化だけではない安倍辞任の真

安倍首相が持病悪化を理由に辞任する。その理由が嘘とは言わないが、7月30日にジャパンハンドラーが発表したレポートを見ると、背景にあるトランプ政権の圧力が見えてくる。(『未来を見る!
『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)


病気「だけではない」辞任の理由

安倍首相辞任の背景にあるトランプ政権の圧力と、その理由になっているアメリカの長期計画について解説したい。

安倍首相が突然と辞任した。辞任の理由は潰瘍性大腸炎だった。これは難病に指定されたやっかいな病気である。大腸の粘膜に潰瘍やただれができる炎症性の疾患で、下痢や下血、腹痛を繰り返し、重症の場合は手術で大腸をすべて取らなければならない場合もある。

いくつかの治療薬があるが、薬で完全に治って再発しないのは1割程度とされ、8割ぐらいの患者は一時的に症状は治まっても再び発症する「再燃寛解型」と呼ばれるタイプに分類される。さらに残り1割の患者は、半年以上にわたって症状が治まらない慢性持続型と呼ばれる。安倍首相はこの「再燃寛解型」であったと思われる。

新型コロナウイルスの蔓延、それに伴う予想を越えた経済の地盤沈下、そして米中対立の激化など緊急の対応を要求する課題が多く、その激務とストレスから、かねてから患っていた潰瘍性大腸炎がぶり返し、今回の辞任に至ったというのがもっぱらの報道である。

もちろん、病気の再発が安倍首相辞任の直接的な原因であったことは疑えないが、首相を辞任に追い込んだ「別の原因」があった可能性が高いことがさまざまな方面から指摘されている。

米シンクタンクのレポートに隠された意図

すでにネットでは情報として出回っているので周知かもしれないが、安倍首相を辞任させる圧力になったのは、「CSIS」というアメリカの安全保障系のシンクタンクから発表されたレポートであった。

ちなみに「CSIS」は、リチャード・アーミテージやジョセフ・ナイ、またマイケル・グリーンなどの「ジャパン・ハンドラー」と呼ばれ、歴代政権に仕える日本担当チームが結集しているシンクタンクだ。現在のトランプ政権の対日外交政策にも影響力があるといわれている。そのため「CSIS」が日本に向けて出すレポートは、アメリカの意向を伝えるものとして理解され、日本の歴代の政権に対して影響力を持っている。

7月30日、「CSIS」から「日本における中国の影響:どこにでもあるが特定のエリアはない」という題名のレポートを発表した。これは安倍政権下における中国の影響力を調査したレポートだ。


このレポートは(少なくとも表面上は)、安倍政権をことさらに批判したものではない。レポートの趣旨は「日本における中国の影響力」の調査だ。中国はアメリカやヨーロッパをはじめあらゆる国々に経済的、政治的、そして文化的な影響力を強化する政策を実施しており、その多くはかなり成功している。たとえば、中国政府が世界各地に開設した中国の文化センター「孔子学院」は、特にヨーロッパ諸国で中国の文化的な影響力の拡大に貢献している。

今回の「CSIS」のレポートは、中国のこうした文化的影響も含め、日本における中国の影響力を文化的・政治的・経済的な側面から調査して、分析したものだ。
2020年9月6日産経 ニュース
at 07:52 | Comment(0) | 高島康司
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