2020年10月29日

◆「学術会議を悪党に」

高野 孟

暴かれた菅首相とその仲間たちの7大デマゴギー

takano20201026
 

首相から会員任命拒否についての納得できる説明がなされるどころか、閣僚経験者や一部識者等から猛烈な批判を浴びるに至った日本学術会議。しかしその多くが、「ウソやデマ」であることが判明しています。ジャーナリストの高野孟さんはメルマガ『高野孟のTHE
JOURNAL』で今回、それらの中から菅首相本人の言を含む「7つのデマゴギー」を徹底検証。さらに、学術会議が首相の足元に置かれた真の意義を改めて記しています。

プロフィール:高野孟(たかの・はじめ)
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE
JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。


学術会議問題で嘘を撒き散らす菅義偉首相とその仲間たち――7大デマゴギーを検証する

1.105人の推薦名簿は見ていない?

■ 菅義偉@朝日新聞ほかとのインタビュー、10月9日


日本学術会議が推薦した会員候補のうち6人を任命しないという判断は安倍前政権ではなく現政権で下した。6人を除外する前の推薦者名簿は見ていない。


これは、自身の責任を免れたいという心情から口走ってしまった大失言。じゃあ6人を名簿から削ったのは誰なんだということになるに決まっているのに、それへの答えを準備することなくその場で口走ってしまったことは明らかで、つまり彼の答弁能力の貧しさというよりも、はっきり言って余りの頭の悪さを露呈してしまった。6人を名簿から削ったのは杉田和博官房副長官であることがたちまち判明し、今度は安倍・菅両政権の官邸を実質取り仕切っているのは警察官僚であるという「警察国家」的な実態が晒されることになった。

2.現会員が後任を指名できる?

■ 菅義偉@内閣記者会会見、10月5日


現在の会員が自分の後任を指名することも可能。推薦者をそのまま任命してきた前例を踏襲して良いのか。

■ 菅義偉@ジャカルタでの記者会見、10月21日


日本学術会議の会員選考は、現在の会員が後任を推薦することも可能な仕組み。


菅首相が一知半解の法律知識で判断し発言していることの証拠。当初、彼は学術会議からの推薦通りに任命しなかった理由として、「現在の会員が自分の後任を指名することも可能」になっていて、そのような閉鎖的仕組みで指名された人が推薦され、それを首相がそのまま任命してきた前例を踏襲する必要はないという趣旨のことを述べた。これはまるっきり事実誤認で、実際には現会員210人と連携会員約2,000人が各自2人まで推薦し、そうすると4,000人超ものリストとなり、それを選考委員会が明確な基準に従って学術的業績などを吟味した上で、105人のリストを9カ月かけて作り上げるので、現会員の個人的な恣意によって後任を指名するなどということはあり得ない。


それをさんざん指摘されたので、菅首相はジャカルタで、後任を「指名」ではなくて「推薦」できるだけだと発言を修正したのだが、そうであればこのことが任命拒否の理由になるはずがないことにも触れ、自らの法解釈の誤りを謝罪し、6人の任命拒否を撤回すべきであるけれども、そこには踏み込まない。
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