2020年11月20日

◆RSEPは「絵に描いた餅

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)11月16日(月曜日)弐 通巻第6702号   

 RSEPは「絵に描いた餅」。中国の誇大広告を真に受ける必要なし
  インドと米国が加盟しない貿易機構が効果をあげると考えるのは面妖

 11月15日、ベトナムで開催された首脳会議(菅首相などオンライン
参加)は、RSEPのルールで合意に達した。「保護貿易主義への防波堤
となる巨大経済圏」がアジアに誕生したとメディアは前向きに報じた。北
京の宣伝をうのみにしているかのようだ。

 RSEPとは、「地域的な包括的経済連携協定」が日本語訳。なにしろ
長い名前。加盟国も十五か国、TPPより広範囲で世界GDPの30%だ
などとメディアはお祭り騒ぎをしている。

 ところが、米国とインドが加盟しておらず、日本は、この両国とは別個
に対応し、米国とはFTA(自由貿易協定)に近い「日米貿易協定」を、
インドとはEPA(経済連携協定)を結んでいる。

 まずはTPPを振りかえってみよう。

 オバマ政権のとき、突如アメリカが言い出した。「中国を抜きにして、
世界的な貿易機構を創ろうではないか」。ところが中国が反対し、日本が
消極的になる前に、トランプ政権に転換してから「加盟しない」と言い出
した。

あたかも国際連盟を結成しようとアメリカが言い出し、途中で「加盟しな
い」と言い出したように、大国のわがまま。議会は批准しない。

TPPは紆余曲折を経て、日本が主導しての「TPPイレブン」となった。

加盟国はシンガポール、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、日本、豪、
NZ、カナダ、ペルー、チリ、メキシコである。環太平洋パートナーシッ
プというわけだが、ここには中国と韓国が加盟せず、アメリカはもちろん
冷ややかに見ている。「自由貿易主義」を標榜する国のご都合主義が露骨
に出たとも批判された。

さてRSEPだが、舞台裏で主導したのは中国で、今度は「アメリカを
抜きにして」、大急ぎで結成へこぎつけた。米中摩擦の深刻化への焦りが
中国の前向きな姿勢への変化に表れたのだ。

 RSEP十五か国とは中国と韓国が「TPP加盟国以外」で加盟し、バ
ングラデシュ、カンボジア、タイ、フィリピン、ミャンマー。ここに
「TPPイレブン」と重なるシンガポール、ブルネイ、ベトナム、マレー
シア、日本、豪、NZ。他方で、TPP加盟のカナダ、ペルー、チリ、メ
キシコは加わらず、アメリカも加盟していない。

 注目はインドである。

TPPイレブンにも、こんどのRSEPにもインドは加盟していないの
である。インドが頑迷なのではない。国益を考えれば、RSEPは問題だ
らけだからだ。


 ▼問題は中国がルールを遵守するか、ということに尽きるだろう

連携協定の中身はと言えば、関税の91%を段階的に撤廃するので、貿
易はますます拡大すると謳われていることだが、工業製品、農業物産な
ど、「いつものように」六年後とか、21 年後とか、まるで美辞麗句を 並
べただけ。
 たとえば日本からの輸出品で日本酒としょうゆの関税撤廃は21年後。
即刻撤廃は農業用トラクターと自動車エンジンだけ。

「撤廃しない」のは重要なコメ、麦、牛・豚肉、乳製品,砂糖の五品目
である。

これじゃインドが加盟しないのは、むしろ賢明だったといえないか。

インドは「農業保護」を表面の理由としているが、対中赤字が最大の問
題で、RSEPに加盟したら対中赤字は膨張する危険性があるからだ。

アメリカはWTOにも懐疑的となり、TPPから離脱したが、RSEP
に関しても注目はしてはいるが、積極的に加盟に動くとは考えにくい状況
である。

まして各国の国会承認が必要であり、日本は2021年度中に批准を終
えたい意向だが、アセアン加盟国は農業問題で国内対立がある。そのうち
政権が変わったりすれば、白紙にもどす国もでてくるだろうし、最終的に
は数年はかかるだろう。豪、NZは英米から何らかの示唆を受けての加盟
のように思える。

中国の狙いは明らかで、「知財」と「デジタル」である。
謳われたルールは「デジタル情報の自由な海外流通の確保」を求める一
方で、「企業に対する技術移転の要求を禁止する」条項が入ったが、これ
らを「あの国」が順守すると考えるのはお人よしである。

     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  読者の声 
どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読 者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)新聞テレビといえば今や虚報・捏造・報道しない自由など
否定的なイメージばかり。昭和18年(1943年)にダイヤモンド社から発行さ
れた「猶太と世界戦争」という本には新聞がいかに戦争を煽ってきたかが
書かれている。

著者の愛宕北山はペンネームで東北帝国大学教授だったかと。

ネットでは近代デジタルライブラリーで読めますが、新仮名にしたもの
が「燈照隅のブログ」というサイトにありました。新聞に関連するところ
は今も昔も変わりない。
https://caritaspes.hatenablog.com/
https://caritaspes.hatenablog.com/entry/2020/07/08/031802
 
アメリカで新聞王といわれたウィリアム・ランドルフ・ハースト、1930
年代は反共・反ソ連だったのにユダヤ人顧客による新聞広告の出稿差し止
めにより「ニューヨーク・アメリカン」紙を廃刊とある。

ヘンリー・フォードが不買運動で反ユダヤの主張を取り下げ、リンドバー
グがラジオのインタビューでの継ぎ接ぎで悪者にされる時代です。それほ
どユダヤ系メディアの影響は大きかった。

戦時デマ宣伝については英仏の国際デマ宣伝にドイツが破れたとして第一
次世界大戦の新聞報道について書いている
外信を何度も引用しながらどんどんデマを拡散させていく、いわゆるソー
スロンダリングの手法です。1914年にアントワープが占領された際の第一
報の「ケルン新報」、
「アントワープの占領が周知となるや、教会の鐘が鳴った」

フランス、「ル・マタン」が脚色。

「ケルン新聞によれば、アントワープの僧侶達は城塞占領後教会の鐘を
打つように強制された」

英国、「タイムズ」紙がさらに色をつける。

「ル・マタン紙がケルンから聞いた所によると、アントワープ占領後鐘を
打てとの命令を拒んだ僧侶達はその職を追われた」

イタリア「コリーレ・デラ・セラ」紙
「タイムス紙がパリを経てケルンから聞いた所によると、アントワープ占
領後鐘を打つことを拒んだ憐れなベルギー僧侶達は強制労働を課せられた」

「ル・マタン」紙は更にこの虚報リレーに結末をつけて、全然のデマを書
いている。

「コリーレ・デラ・セラ紙がロンドンを経てケルンから聞知した所による
と、アントワープの野蛮な占領者は、教会の鐘を打つ命令を拒んだ憐れな
ベルギー僧侶達の英雄的行為を罰するため、彼等を生きた鐘鐸として頭を
下に鐘に吊り下げた」

ありもしない南京大虐殺や従軍慰安婦など朝日新聞と社会党・共産党が
火を付け中韓やニューヨーク・タイムズなどの反日メディアが煽りまくっ
た結果でした。

従軍慰安婦の振付師だった福島瑞穂の社民党は国会議員4人のうち3人が立
憲民主党へ合流でついに社民党消滅かという喜ばしいニュース。今の流れ
で行くと10年内くらいには朝日新聞廃刊もありえますね。(PB生、千葉)


   ♪
(読者の声2)ジョン・ヴォイト氏は、アメリカの俳優。『真夜中のカー
ボーイ』『帰郷』などでアカデミー主演男優賞を受賞。ハリウッドでは極
少数派の共和党・トランプ支持者が、以下の動画で、もはや南北戦争(内
乱)の再来であり、善と悪の対決、という見解を静かに淡々と述べている
が、これはかつてのレーガン大統領がソ連を「悪」と定義・断定した民間
版と 考えていい。政治の範疇を超えたかなり宗教的な視点からの国民へ
の「檄 文」と解釈すべき。2020/11/04という日は米国崩壊の始まり、と
歴史に残 るかもしれない。

「我らは真理を知っている」、短い動画ですがTWITTER社はご丁寧に「こ
の発言、非難は、論争中なり」という読者に対する「親切な忠告」が貼り
付けてある。

同様な忠告はトランプ氏の発言の殆どにも付けられており、SNSは不遜に
も自ら言論の審判員を堂々としている。
https://twitter.com/jonvoight

ちなみに、左の言論統制から逃れるべく、FACEBOOK, YOUTUBE, 
TWEITTERをやめて、『PARLOR』へ移りましょう、と保守の被害者達は呼び
かけている。

FOXNEWSも敵になった。「信用とは長年かけて作るが、一夜にして失
う」の実例となった。(KM生)

  ♪
(読者の声3)アメリカ大統領選挙についてメディアは決着済みとしたい
ようですがまだまだわかりません。

「もえるあじあ」というサイトでワシントンDCで行われたトランプ大統領
支持者の集会動画を多数紹介。
https://www.moeruasia.net/archives/49671950.html
https://twitter.com/i/status/1327640694626848770
https://twitter.com/i/status/1327641448741793792
https://twitter.com/i/status/1327667569537507329

トランプ支持者は星条旗を掲げているのにバイデン支持派は香港でも暴
れていたような黒づくめの怪しい連中。アメリカの選挙の不正など昔から
でリンドン・ジョンソンが上院に立候補した際は地元の顔役が抑えるいく
つかの郡ではジョンソン票が98%ということもあったとか。

アメリカは世界中でクーデターを企て、傀儡政権をつくっては紛争・戦
争をあおり武器を売りつけてきた。

「アラブの春」や旧ソ連圏の「カラー革命」を経て、ウクライナの政変は
今回の大統領選挙の予行演習にも思えます。(PB生、千葉)

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