宮崎 正弘
令和2年(2020)12月10日(木曜日)弐 通巻第6728号
洪門会と中国共産党の隠れた癒着関係
マカオ犯罪集団「14k」のボスの在米資産凍結
2020年12月9日、米国財務省は「14k」の親分、伊国駒(ワ
ン・コクコイ)の在米資産を凍結したと発表した(「伊」はにんべんを取
る)。
一帯一路プロジェクトは中国共産党の利権でもある。べったりと、この
国家プロジェクトに張り付いて利権をむさぼり、麻薬・売春からカジノ経
営、はては不動産投資に仮想通貨取引でも暗躍したのは「洪門会」と総称
されるヤクザである。
カンボジアを拠点としてのオレオレ詐欺の上部組織ではないか、という
疑念もある。
中国系のヤクザは日本の仁義深いヤクザとは雲泥の差があり、約束は守
らず仁義なんて何のことか、裏切りは日常の風景。すぐに殺人事件に発展
する。
中国大陸、マカオ、香港、そして一帯一路プロジェクトの拡充にとも
なって犯罪組織「14k」はカンボジア、ミャンマー、パラオ諸島にも進
出し、裏社会に深く浸透している。拠点はカジノである。
この「14k」を率いるのが伊国駒。通称は「歯列破壊」(ブロークン
テース=崩牙駒)。1955年生まれの65歳。八年前にマカオの刑務所
をでてから杳として行方知れず。それでいて闇世界に君臨し、一説には中
国共産党のメンバーであり、党内幹部に顔が利くという。
「14k」はマカオが拠点、「新義安」などのマフィア集団と並び、カ
ジノにまつわる裏ビジネスで肥った。この文脈からカンボジア、ミャン
マーでもカジノを拠点に、さらに一帯一路では各地の中国人施設、宿舎の
ガードマンを引き受ける利権を持つという。
中国共産党とヤクザとの隠れた癒着関係の氷山の一角である。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜書評 しょ
ひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ホワイトハウスの内部へ深く入り込んで秘話を聞きだした
初めてトランプ評伝の「公認」。女婿クシュナーの謎も解明
♪
ダグ・ウィード、藤井厳喜監訳『トランプの真実』(ダイレクト出版)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
メディアへの露出が殆どないのがジャレット・クシュナーである。イバ
ンカの夫、実業家。そしてトランプがもっとも信頼するホワイトハウスの
顧問である。
そのクシュナーがじつに興味深い発言をしている箇所がある(340p)
「本当にワシントン・アウトサイダーの大統領として選ばれたのです。
彼は既成権力の一部ではない人々を政権に入れました。彼はそっくり新し
い人々は連れてきたのです」
そして「二種類の人がいる」としてクシュナーは続ける。
「トランプが世界を救うと考えて人と、トランプから世界を救うと考え
た人です。後者については、どんどんやめて貰いました。最終的に、大統
領は本当に良いチームをもてました」
三回にわたったトランプ vs 金正恩の会見は世紀のショーだった。
シンガポール、ハノイ、板門店と会合の旅に世界のテレビカメラが押し
かけた。このトランプの演出した「外交」は官吏の発想を超えた行為であ
り、米国の外交史をぶち破る「快挙」でもあった。この実現にいたる秘話
とは、北の首領様からトランプ大統領の元に手紙が来たと実物の手紙を著
者に見せるところから始める。
本書の著者ダグ・ウィードはトランプ一家ならびにホワイトハウスのス
タッフから信用され、取材に殆どのスタッフが応じてくれた。
トランプ一家も協力的だったというが、それもその筈で、著者は過去に
六代の大統領一家の評伝を書いている。
『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーにもなった『All the
Presidents' Children(仮邦題:大統領の子どもたち)』をはじめとして多
くの著書がある。またブッシュ・シニア、ブッシュ・ジュニア親子両大統
領には顧問として仕えた。ブッシュ・シニアとは共著書もある『George
Bush: Man of Integrity(仮邦題:『ジョージ・ブッシュ:無私の人』)。
そのうえ、土地勘のような生きた感覚があるのは、著者自身がホワイトハ
ウスの上級スタッフを務めたからだ。
したがって著者のダグは、歴代米大統領の家族に関しての権威とされる。
とくに従来は取材に応じなかった大統領顧問のクシュナーが例外的に著者
に会っていること、大統領首席補佐官代行だったマルバーニー(本文では
マルヴァニー)が、取材の段取りで協力してくれたことなど、本書の内容
の内輪話の奥行きの深さが分かる。
本書の特質として監修者の藤井厳喜氏があげる第一は「トランポノミク
ス」(トランプの経済政策)がうまくいったこと、その背景と理由が述べ
られる。ダウは三万ドル台を更新したのだ(12月9日のダウは
30291ドルだ!)。
第二に外交における数々の得点である。トランプはワシントン政界の既存
勢力にとっては「何をしでかすか分からない」アウトサイダーだったゆえ
に決断できたことだ。
しかし地政学を本能的に理解し、状況を適確に掌握して、即時の対応が出
来る資質がトランプにはあった。
ワシントン・アウトサイダーの強みでもある。
トランプの時代は「MAKE AMERICA GREAT
AGAIN」の目標に向かって突き進み、ひさしぶりに健全な明るいアメ
リカを感じさせてくれた。ダウは史上空前、失業率は史上最低、好景気に
沸いた。
再選キャンペーンの標語は[KEEP AMERICA GREAT]
だった。
武漢からバイ菌が上陸しなければトランプ再選はランド・スライドだった
だろう。
武漢コロナがすべてをひっくり返し、左翼メディアがトランプおろしの陰
謀を激化させた。不正投票、投票用紙の誤魔化しなど何でもござれだった。
そして舞台は暗転し、アメリカは「暗黒の四年間」を迎えようとしている。
バイデンの狙いは何か。それは[MAKE CHINA GREAT
AGAIN]ではないのか。
おりから「ワシントン・インサイダー」のボブ・ウッドワードのトランプ
評伝『RAGE(怒り)』の翻訳本も書店に並んでいる。
トランプに対する罵詈雑言とフェイク情報の氾濫のなかで、本書はトラン
プ・ファミリーの真実を伝える書物である。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
●加瀬英明のコラム ●加瀬英明のコラム ●加瀬英明のコラム
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
♪
アメリカを2つに分けている、大きな対立。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
アメリカの大統領選挙投票日の6日後に、多年の同志である評論家の宮
崎正弘氏とテレビで対談した。宮崎氏は新著『中国解体 2020』を出
版したばかりだった。
世界が注目していたアメリカの大統領選挙は、大混乱だ。民主党のバイ
デン候補は勝利宣言を行ったが、トランプ大統領は敗北を認めず、負けを
認めようとしない。
私は宮崎氏に半分冗談で、「『アメリカ解体2022年』という共著の
本を、出しましよう」といった。瓢箪(ひょうたん)から駒で、来春この本
が出ることになるかもしれない。
私はアメリカ屋だが、今回の大統領選挙はこれまでない奇妙な戦いで、
出口が見えない。
私は1960年のケネディ対ニクソンの最初のテレビ討論以後、大統領
候補のテレビ対決を見てきたが、バイデン氏は病みあがりのようだった。
これまでの候補者は、みな颯爽としていた。
バイデン氏は77歳、あきらかに知的能力を失って、アルツハイマー症
を患っている。
春に民主党の予備選挙がいっせいに行われると、「私は上院議員選挙に
挑んでいる」と述べ、「アメリカで銃犯罪(ガンクライム)によって1億
5000万人が死んだ」「私は4億人のアメリカ女性を応援する」「アメ
リカでコロナによって1億2000万人が死んだ」、習近平を?小平と呼
んだ。
バイデン氏はこの春まで民主党の候補のなかで下位にあったのに、な
ぜ、このような候補者を選んだのだろうか。
予備選挙中、トランプ大統領が敵ではなかった。サンダース上院議員が
主敵だった。
サンダース氏は社会主義者を自認して、大企業に重税、国民皆健康保
険、大学無料化、国防費大幅削減などを訴えて、若者などの熱狂的な支持
をえていた。サンダース氏を大統領候補としたら民主党の自殺となった。
そこで大統領候補を選ぶ民主党全国大会が開かれる前に、競っていた候
補が全員降りて、妥協できるバイデン氏を担いだ。
▲凄まじいアメリカのメディアの偏向
アメリカの大手メディアの偏向は、酷いものだった。一方の大統領候補
がアルツハイマー症を患っているのは重大事であるのに、主流のマスコミ
は事実を無視して、バイデン氏に不利な情報をいっさい報じなかった。
バイデン氏は大統領就任式までに78歳になるが、認知症が進んで判断力
が衰えているために、副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員と「共同
大統領」をつとめることとなろう。大統領が1、2年後に、辞任する可能
性がある。カマラは56歳、左派だ。
アメリカが分断されているというが、民主党が左傾して、二股割きに
なっている。
そのうえ、4年前からアメリカを2つに分けている、大きな対立がある。
拝金、国家意識を弱めるグローバリズム、個人の放縦な自由にもっとも
高い価値を与え、伝統社会を抑圧・差別だとして、LGBTQ(Qは変態
(クイアー))などに力を与え、何よりも「多様性」を上に置
く、"WOKE(ウォーク)"──目覚めた人々に対する、伝統的な共同体の反撃
だった。
民主党支持者からトランプ支持者を見ると、“愚鈍で、遅れた”人々だ。
アメリカ社会を分断したのは、トランプ大統領ではない。グローバリズ
ムを信奉する多国籍大企業が支える、大手メディアだった。
社会の弱者、被害者だと感じる人々が、全責任を社会に押しつけるかた
わら、伝統社会の束縛を柵(しがらみ)として嫌って、放縦な自由を求める
“目覚めた(ウォーク)”人々が、弱者を自任する人々が気儘に振る舞うのを
見て、喝采している。
人種差別主義者だったといって、アメリカ各地でコロンブス、ワシント
ン初代大統領、リンカーン大統領の銅像であれ、何でもつぎつぎと破壊す
るのが、良識とされている。
自虐だが、自分を責めて苦しめるよりも、過去を束縛として軽んじて、
否定することによって、自由になれるという我儘でしかない。
アメリカが、溶解しつつある。
(かせひであき氏は外交評論家)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
●まもなく拙著六冊目の中国語版がでます ↓
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
♪
『「コロナ以後」中国は世界最終戦争を仕掛けて自滅する』(徳間書店)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
「武漢ウイルス」を利用し、世界への影響力拡大を狙う中国。独裁国家と
自由主義陣の熾烈な最終戦争の行方を読み解く
欧米での感染パニックに対して、いつの間にか中国は自らを「世界の救
世主」と自賛し、覇権戦争に勝利するためのさまざまな謀略を画策してい
る。中国に飲み込まれるのか、中国排除か。「コロナ以後」の世界秩序の
変化と日本に迫る危機。
●まもなく中国語版がでます ↓
https://www.amazon.co.jp/dp/4198651167
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜読者の声 どく
しゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
♪
(読者の声1)過日貴誌で書評の出たラルフ・タウンゼントですが、彼が
いう「アメリカの危険というのは、外国からの攻撃があると言うことでは
ないのです。わが国を脅威に陥れるような国はないのです。危険なのは、
私たち、きちんとして善意の人々の中に、宣伝に動かされやすい人がいる
と言うことなのです」
この箴言の後節は、日本の現状にぴったり当てはまりますね。
エドモンド・バーク曰く。「悪が勝利するのに必要な唯一の条件は我々
が何もしないことである」
日本はますます境遇が劣悪化。そして頼りにならない政治。中国の悪に
つぶされるのではないかと毎日が心配です。(FH生、杉並区)
(宮崎正弘のコメント)バークの銅像はアイルランド首都ダブリンの名門
大学トリニティカレッジ(最古の大学、通称『ダブリン大学』)の校門に
デンと聳えています。
拙著新作『バイデン大統領が世界を破滅させる』(徳間書店)は来週末
の19日に発売ですが、その中にも御指摘の日本の危機的状況について書
き込みました。
♪
(読者の声2)ネットのまとめサイト「国家総動員法」の記事に対するコ
メント欄にあったものですが、アメリカ大統領選挙にからんで、YouTube
が2020年の選挙に批判的な動画を削除すると発表。
https://blog.youtube/news-and-events/supporting-the-2020-us-election/
11日は米国大統領選挙のセーフハーバー期限であり、各州は次期大統 領
を決定するのに十分な選挙結果を確認しました。このことを踏まえ、私
たちは、過去の米国大統領選挙に対する私たちのアプローチに沿って、広
範囲にわたる不 正行為やミスが2020年の米国大統領選挙の結果を変えた
と主張することで 人々を誤解させるようなコンテンツを、今日(または
それ以降のいつでも)アップロードし たものはすべて削除することにし
ます。
例えば、ソフトウェアの不具合や カウントエラーが蔓延していたために
大統領候補が選挙に勝ったと主張す る動画は削除します。今日からこの
ポリシーの実施を開始し、数週間後に はこのポリシーを強化していく予
定です。
いつものように、これらの問題 に関するニュース報道や解説は、十分な
教育、ドキュメンタリー、科学 的、芸術的な文脈があれば、サイトに残
すことができます」
アメリカのネット企業もあからさまな検閲圧力で中国共産党と同じ穴の
ムジナ、ここまでやらないとバイデンの勝ち目がないということでしょ
う。 (PB生、千葉)
2020年12月13日
◆マカオ犯罪集団「14k」
at 07:28
| Comment(0)
| 宮崎 正弘
この記事へのコメント
コメントを書く