2021年02月23日

◆アフターコロナの経済地図

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)2月19日(金曜日)
通巻第6804号 

 アフターコロナの経済地図が見えてきた
  EV、AI、IC、DX、ROBOTICSと横文字が並んだ。

コロナ禍が終わると、次の投資テーマがかなり明確に浮上している。話題
の中心はテスラ、日本電算、ファイザー、住友鉱山あたりだろうか。

一、 地球温暖化、「2050 脱炭素」を主要国が目指すとしているか
らには、EV 空気清浄装置、リサイクルなどの関連事業。とくに「EV
は今後五十年続くビジネスになる」(永守重信「日本電産」会長)。
また「水素ステーション」の建設も日本政府は前向きに対応し、2030
年までスタンド80万台、水素ステーション900ケ所を目標とする。
 EVはエアコンの付かない小型廉価版が50万円を切った。高給EVは
テスラが400万円以上と二極分化も激しいが、中国の「国策」による強
化推進であるため、上海汽車、BYD、広州汽車、長城汽車、吉利、
NIO、奇瑞、理想汽車などが一斉にEV生産に乗り出した。さらには
アップルもEVに乗り出す。

二、 DX(デジタル・トランスフォーメーション)とくれば、AI、半
導体、半導体設計・製造装置、有機ELなど新素材。 
 中国は日米欧から盗み出した技術で、飛躍的に生産を伸ばしたが、ほか
の先進国と異なるのは、すべてが軍事技術に直結していることだ。

三、サプライチェーン構造転換は設備投資を増強し、自動化が進むため、
ロボットはまだまだ飛躍するだろうし、運送の人手不足はドローンの改良
が必要になる。
トランプ前政権は高関税、ファーウェイ、テンセントなど中国企業の排
除、規制強化、ヴィザ条件の締め付け、中国企業のウォール街からの締め
出しなどで劇的な改編を見せてきたが、バイデン新政権は、これらの政策
を緩和して行く方向にある。

四、ワクチンは利益率が悪いので開発メーカーの株価は上昇休憩となった
が、医薬品開発が重要産業であることに変わりはない。

五、金価格が天井をつけたあとも高値圏で安定している。金備蓄を、日本
を除く主要国は増やしているが、民間では日本でも投資用に金が買われて
いる。
一方で、ビットコインに代表される暗号通貨の躍進と、デジタル人民元が
代弁する既存貨幣価値との関係がどうなるかで、変動関数が複雑化するだ
ろう。
この「デジタル通貨」はフェイスブックが「リブロ」を提唱し、主要国の
反対で流れたが、あたらしく「ディエム」の発行計画に改めた。
BISの調査報告では、日米欧の中央銀行は導入に慎重だが、新興国のカ
ンボジアは「バコン」を発行した。実験段階にあるのが中国とスウェーデ
ン(eクローネ)。研究が進んでいる段階にあるのが40ヶ国に及んでい
る。中国は北京冬季五輪での使用を想定し、実験を繰り返している。


 ▲コロナが終わらないと長期的展望は見通せないのだが。。。

 長期的予測は、未来学が大きく後退し、経済学的社会学による観察に注
目が集まってきた。
 とくにウォルター・シャイデル(スタンフォード大学教授)の書いた
『暴力と不平等の人類史───戦争・革命・崩壊・疫病』(東洋経済新報
社)が話題となっている。「平等」は「戦争」「革命」「崩壊」「疫病」 の4
つのファクターによる破壊の後にやってくるとする歴史法則的な仮説 で
ある。

 「戦争」は歴史を変え、『平等』という社会をもたらした。第二次大戦
後の日本は若者ら250万人が戦死し、都市は焼かれ、曠野となった。
GHQの農地改革と財閥解体で、富裕層が落剥した。戦争は軍需産業の栄
枯盛衰、軍事技術を民生に転換して、戦後日本は経済成長を遂げた。
 
「革命」は暴力を伴い、政敵を虐殺し、社会を無謀に残酷に変える。ス
ターリンは数千万を粛清した。毛沢東の「大躍進」と『文革』で、
6000万人以上が死亡した。貧富の階級が交替した。

 「国家の崩壊」は、アテネ、スパルタが戦争で疲弊したあと、ローマ帝
国が台頭し、やがて崩壊した。支配層が消滅し、搾取構造は終わり、生活
が向上した次期があった。

「疫病」はペロポネソス戦争から繰り返されてきたし、カミュが書いた
『ペスト』が象徴するように、世界的規模で数千万が死亡した。
 
 こんどのコロナは全世界で数百万人が死亡する。社会が大きく変わり、
投資対象が代わることに間違いはないだろう。
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