2021年02月25日

◆「L字維持」から「K字回復」

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)2月21日(日曜日)
通巻第6806号 

 「L字維持」から「K字回復」などとはしゃいでいる場合か
   中国のV字回復は人為的詐術だが、米国経済は「α」じゃないのか

 日本経済は「K字回復」だそうな。「K」は、一直線に下落したあと、
一部が猛烈に回復、残りは不況の真っ直中という乖離現象を意味する新記
号とか。経済学者もヒマだなぁ。田村秀男氏は、日本株回復を「レ型」と
して、株式暴落懸念を警告する(産経、2月20日)。
 中国が豪語している「V字回復」はGDP水増しの人為的詐術だが、米
国経済は「α」じゃないのか。「α」を混沌の意味でここでは遣っている
が。。。。

 さて話は北米大陸へ飛んで、カナダのバンクーバーはシドニーやNY、
ロンドンと並んで大規模なチャイナタウンがある。香港からの移民が主力だ。

旧チャイナタウンはバンクーバー市内のど真ん中にあるが、いまやシャッ
ター通り、新移民は分散して暮らし、いまでは高級住宅地にも進出してい
る。中華レストランの夥しいこと!

ロスアンジェルスのダウンタウン、日本人町「リトル東京」が栄えていた
頃、ニューオータニホテルも紀伊国屋もあって、数十軒もの日本料亭に銀
座並みのバーもあった。
いまでは半分がコリアンタウン化し、残っているのはじつは旧世代(二
世、三世)の老人ホームか、ケアセンターである。リベラル過激派の多い
日系三世、四世のJACLオフィスも、このリトル東京地区にある。

 バンクーバー市内にも、チャイナタウンで暮らし、ケアセンター入りし
た移民二世、三世らが後期高齢者となった。
 問題は、このケアセンターでおきた。

或る老人ホームで、111名の入居者中、99名がコロナに感染、くわえ
て72名のスタッフの感染し、44名が死んだ」(サウスチャイナモーニ
ングポスト、2月20日)。

 中国本土でも、ワクチン接種に対して「チャンスが来ても打たない」と
する懐疑論が拡がり、もっとも国際情報に敏感な上海に加えて浙江省の複
数の工場を調査したところ、じつに25%が明確に「ワクチンを打たな
い」と回答した。つまり中国製ワクチンを中国人が信用していない。

 米国は武漢コロナ元凶となった中国が作成した報告書を拒否した。

まったく信用できないシロモノというわけで、親中派のバイデンは「戦略
的忍耐」とオバマ時代の標語を復活させたが、EU諸国に対して「中国と
は長い戦いになるので、その準備を」と呼びかけた。

フランスは南シナ海に戦艦を派遣した。「これは日米豪印のクワッドへの
協力強化の表れである」とした。

感染者数がへりつつあり、景気回復の未来が視野にはいってはきたが、世
界の混沌は当面おさまらないだろう。

      
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読 者之声
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   ♪
(読者の声1)「つくる会CH」は、2月11日にスタートしまして、毎日
新しい情報を発信しています。
 <緊急特番>「従軍慰安婦」削除要請、目下省が再び「セロ回答」!破
綻した論理を徹底論破する鼎談、が発信されました。
 是非ご覧ください。 
https://www.youtube.com/watch?v=3hVTepsceko
    (「史実を世界に発信する会」 茂木弘道)


(宮崎正弘)拝見しました。まだ見ている人が少ないようですが、もっと
普及させたいものです。



  ♪
(読者の声2)前号に寄稿された田中秀雄様へ。拙稿、ご笑覧深謝致します。
大観園調査につきましては、香港留学以前の1968,69年当時、佐藤慎一郎
先生から何回かお話を伺う機会がありました。
実態調査の難しさと共に大観園を軸とする人々の生活実態の凄まじさもお
話し戴き、香港での生活につき助言まで賜った次第です。
その際、「報告書に纏めた」とのことでしたので、なんとか入手できない
ものかと探していましたところ、香港から戻った1977、78年頃に日
参していた駒込の東洋文庫で『(極秘)大觀園の解剖 漢民族社會實態調
査第一編』(治安部分室 昭和16年)を手にする機会があり、早速コピー
し、香港で経験した「現代の大観園」とでも言うべき「尖沙咀の重慶大
廈」「香港島北角の五洲大廈」を振り返り、佐藤先生のお話を思い出しな
がら読み進めた次第です。
なお「佐藤慎一郎著、伊達宗義解説」と記された原書房版(復刻)は現在
では入手困難。原本が国会図書館デジタルコレクションに入っているのは
嬉しい限りです。
(樋泉克夫)


(宮崎正弘のコメント)「大観園」といえば、上海郊外にある、宏大な中
国庭園。バス停も「大観園」でしたね。バスで上海の都心から2時間半ほ
どかかりました。ナルホド、日本庭園の美からは程遠い、グロテスクな印
象。日本の大観苑(「苑」は一字違い)は、有名な中華レストランですが。
 それから最後の節にある伊達宗義先生ですが、宇和島・伊達家の菩提
寺、護国寺が近いので、先日もお墓参りに行きました。伊達政宗十六代末
裔の宗義先生も拓殖大学教授でしたが、弟の伊達政之さんともどもお世話
になりました。



  ♪
(読者の声3)貴誌の非常に重要な記事。私の感想、感慨をお伝えします。
 それは、EVブームへの批判です。加藤康子(こうこ)氏とのインタ
ビューの記事です。
氏は「「環境」が金融商品化して今の騒ぎを作っていることが大問題で
す。いかに産業を強くするかという産業政策をしていたけれど、今はいか
にお金を流通させ、投機をいかに呼び込むかという政策をやっています
ね。それに乗ると国民が最後はワーッと、それこそレミング現象みたいな
こと(集団で自殺)になる可能性があるわけです。日本の自動車産業はこ
のままEV推進政策に取り込まれると危険です』(後略)
 
これを言った加藤康子さんが、国文学科を出た方であると知って驚きま
した。国文科を出た方が、こういうことを論じることが出来るのは、よほ
ど人脈に恵まれ、ご本人も知的感性に恵まれたのでしょう。

学問的に言う と、エネルギー問題を論じるには、少なくとも基礎とし
て、熱力学の基礎 を知る必要があり、そこでは、エントロピーとかエン
タルピーといった用 語を知ることになると思いますが、これは文系の方
の多くにとって、未知 の世界だと思います。

私の大学での専門は内燃機関でしたが、2001年に長年いたアメリカ
で、サラリーマンを引退する決意をし、日米の知人に挨拶状を出した際、
「内燃機関を専門とした私が、世紀の変わり目にサラリーマンを引退する
のは感慨深い。次の世紀は、水素他の非石油燃料の時代になるのだろう」
と書きましたが、思ったほど早くは、そこまで変わっておりません。

菅首相は、あまり良く知らずに2050年に、炭素ニュートラルの社会に
すると言っていますが、あまり内容を知らずに自動車は全部EVになると誤
解しているのではないでしょうか。

私は、同窓会の縁で、かつて日産がノートという完全電気自動車を発表す
る前に乗せてもらったことがありますが、私のコメントは、航続距離の少
なさに販路が限定されるのではないかということでした。

総合的な環境負荷は、単に自動車の走行時の環境負荷だけではなく、その
駆動機関やエネルギー源を生産するとき、発電するとき、廃棄するとき、
それぞれの環境負荷を総合したものでなければなりません。

また経済的にも、テスラのような高価な車は、誰でも買えるものではあり
ません。うっかり乗せられて、国民の多数がEVに走ると、上に書きてある
ようにレミングのような集団自殺になるのではないかと警鐘を鳴らしたい
と思います。(関野通夫)


(宮崎正弘のコメント)加藤康子さんは「青嵐会」の暴れん坊だった加藤
六月氏の長女、現在の加藤勝信・官房長官は、妹さんのご亭主です。



  ♪
(読者の声4)2月13日のことです。早朝、私はいつも通り千葉県松戸
市の香取神社に向かって朝の散歩をしていた。神社近くで、急にサイレン
が鳴った。

近所の人が、「家事だ。そこで煙があがっている」と叫ぶ。いつもの通り
の道路から私道の奥を見ると、古いアパートから黒い煙があがっている。
まず、救急車がきた。担架を引いて火元に走る。

続いて消防車がきた。消火栓の前に止まり、ゆっくり作業している。その
内、火柱があがった。いよいよ燃え盛る。それなのに、何とちんたらちん
たらやっているのだ。消防ホースの設置に手間取っているのか。私は野次
馬根性で、火がどんどん燃え盛るのを、歯ぎしりをして見ているだけだ。

その時、担架に乗った90代らしき女性が運ばれたて来た。

その後、一斉に放水が始まった。我が家の2階から見ると、3時間後の
9:30頃、昇る煙がようやくなくなった。

火元の女性は、独り暮らしで不自由な体に、朝食の仕度をしていたのか。
火を消そうとしたができない。119番通報するだけで精一杯のようだっ
たのか。真っ先に来たのは消防車ではなく、救急車だったことが、漸く理
解できた。年寄りの一人暮らしは危ない。願わくばオール電化が望ましい
ものです。(斎藤周吾)


(宮崎正弘のコメント)松戸市にも香取神社があるのですね。初めて知り
ました。祭神は、もちろんフツヌシですよね。

総本山は香取市の香取神宮。JR佐原からタクシーで行くしかないです
が、参道で驚いたのは、出店のテントのデザインが「鬼滅の刃」でした。
いかにも、香取神宮にふさわしい風景でしたが。

 このことは今月号の『正論』にも拙論があります。
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