2021年09月22日

◆思ひて学ばざれば…

   大阪大名誉教授 加地伸行

 相変わらず新型コロナ禍の日々、お年寄りは在宅するのが正しい生活で
ある。

 というのは、治療法がまだ十分に確立されていないからだ。老生に言わ
せれば、ワクチンも呪(まじな)いみたいなもので、いずれ効力が薄れて
ゆくらしい。

 さて、テレビにいろいろな医師が出演して、あれこれ言っているが、似
たような話ばかりで、今後の見通しは、どうもはっきりしない。

 となると、遠い国のアフガニスタンだが、今回の政変の方が、はるかに
大きな関心を与えてくれる。

 もちろん、老生、中近東の諸事情についての知識は皆無。にもかかわら
ず、関心を抱いているのは、イスラム教に基づく宗教政権を成立させた点
にある。

 と言っても、またここに大きな難問が現れてくる。それはイスラム教そ
のものである。

 老生、東北アジアの伝統的文化―それも儒教を中心としての研究者であ
り、残念ながら、イスラム教に関しては無知。

 だから、イスラム教とキリスト教との相違について、よく分からない。
老生、20代のころ、思想に関心が強かったが、雑学的に読書したに過ぎ
ない。しかし、その生活での思い出をひとつ記してみよう。

 一神教すなわち神は、お一(ひと)方(かた)という概念から出発する
宗教がキリスト教やイスラム教などであるが、その出発点で、もう両者は
対立する。すなわち、キリスト教では、イエスは神の子であるとするが、
これに対して、イスラム教は<神に子はいない>として、キリスト教を批
判する。なるほど。

 すると、キリスト教は<神・イエス・聖霊の三者は一体>という三(さ
ん)位(み)一体説を立てて必死になって対抗する。

 この論争、聖霊を論理化しておこなっているのだが、もちろん結論はない。

 こうした論争ひとつを取り上げただけでも、両者(キリスト教・イスラ
ム教)は、冷静に論じあっている。

 もっとも、それが十字軍となってくると、武力抗争の話になる。キリス
ト教・イスラム教両者の抗争は、われわれ東北アジアに住む者にとって根
本的意味が分からない。今回のアフガニスタンの政変も、表向きの話はと
もかく、その根底に在(あ)る宗教的・思想的意味は、われわれ東北アジ
アすなわち儒教文化圏の者には、よく分からない。

 とすれば、まずはイスラム教に関する<初歩的>講義をマスコミが行っ
てはいかがか。新聞は報道だけでいい時代はもう終わった。いい意味での
啓(けい)蒙(もう)的活動に移っていいのではなかろうか。老生、本紙
読者のひとりとして、それを求める。

 もちろん、念のために言うが、それは特定宗教の信者を増やすためのも
のではなくて、異文化理解のためとしてである。

 知らない異文化について、客観的理解がまずないことには誤解するだけ
に終わろう。

 『論語』為政に曰(いわ)く、学びて思はざれば、則(すなわ)ち罔
(くら)し(ぼんやり)。思ひて学ばざれば、則ち殆(あや)ふし(独善
的)と。 (かじ のぶゆき)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 
【産経ニュース】採録

    
  

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◆「新首相は河野太郎」バイデン政権から圧力?
高島 康司

自民党総裁選にバイデン政権から圧力がかかっているとの見方がある。今
のアメリカに「親中」を許す余裕はない。日本にも対中強硬路線を採るよ
うに圧力を強めてきていると見て間違いないだろう。ジャパンハンドラー
が推すのは河野太郎氏だ。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メル
マガ』高島康司)

総裁選は派閥結束なしの混戦模様
自民党総裁選における、バイデン政権の圧力について解説したい。

17日告示、29日投開票の自民党総裁選が過熱している。8日の記者会見で
高市早苗前総務相は出馬を正式に表明した。石破茂元幹事長は立候補を見
送る方向で検討しており、総裁選は、すでに出馬表明している岸田文雄前
政調会長、高市早苗氏、河野太郎行政・規制改革相の3氏が中心になる見
込みだ。

高市氏に対しては、政治信条が近い安倍前首相が支援する意向を示している。

また石破派は国会内で会合を開き、石破氏に対応を一任した。会合では、
石破の出馬を求める声が出た一方、河野氏を支持すべきだとの意見もあっ
た。石破氏は出馬せず、河野氏を支持する方向だ。

一方、河野氏は7日、出身派閥である麻生派の支持固めに動いており、週
内にも正式に出馬表明する方針だ(※編注:原稿執筆時点2021年9月9日。
河野氏は10日に記者会見を開き、自民党総裁選への立候補を正式に表明し
ました)。

また岸田氏は7日の岸田派の総会で、選挙戦を戦う決意を表明している。

野田聖子幹事長代行は、出馬に必要な推薦人20人確保のメドは立っていな
いものの、出馬には意欲的だ。

このように、今回の総裁選はすべての派閥が結束して支持できる統一候補
が存在しないので、混戦状態になっている。

いまのところ、河野氏と岸田氏が一歩先んじているようだが、事態はまた
流動的だ。

CIA系シンクタンクは総裁選をどう読んでいる?
そのようなとき、CIA系のシンクタンク「ストラトフォー」は、総裁選の
結果を予想する記事を出した。ちなみに「ストラトフォー」は、CIAの元
分析官のジョージ・フリードマンが1997年に設立したシンクタンクだ。
CIAほか、米政府機関やアメリカを代表する企業がクライアントになって
いる。歴代の米政権の外交政策立案に、一定程度の影響がある。

そうした「ストラトフォー」だが、9月3日に「菅総理大臣が辞任。次は誰
だ?」という記事を発表し、今後の動きを占った。

その見立てによると、すべての派閥が結束して支持できる統一候補がいる
とすれば、それは前首相の安倍晋三だけであり、彼が出馬表明しない限
り、日本は毎年首相が変わる回転ドア式首相の時代に逆戻りする可能性が
高いとした。

いま自民党には安倍首相が率いる細田派(96名)、麻生太郎副総理の麻生
派(53名)、二階俊博幹事長の二階派(47名)、そして岸田文雄の「宏池
会」(46名)の4大派閥があるが、これらどれかの派閥の支持がないと、
自民党総裁候補の勝ち目はほとんどない。

しかし誰が勝ったとしても、派閥を越えた支持がある安倍首相以外の自民
党総裁は、内閣や派閥の調整に苦労することになるだろう。調整に手こず
り、毎年首相が交替する可能性もある。

また、一部の自民党関係者が示唆するように、自民党が衆議院で絶対多数
を失った場合、与党は公明党に頼って保守連合の多数派を形成することに
なる。

公明党の反核・反武力紛争の考え方は、台湾や米国との戦略的協力や、中
国の海洋進出や台湾への物理的な安全保障上の脅威を回避するための日本
の軍事的改革に対する姿勢を軟化させる可能性がある。

Next: 「親中は許さない」二階おろしも米国の意思か?      



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◆クアッドに併行、将来は再合併?

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)9月17日(金曜日)
通巻第7055号  <前日発行>

 米豪英で「オーカス(AUKUS)」。カナダとNZは見放された
  クアッドに併行、将来は再合併? シックスファイブはどうなるか?

 9月15日、バイデン大統領はホワイトハウスで英国と豪州をつなぎ、
ジョンソン首相、モリソン豪主張とオンライン会談。米豪英の「オーカス
(AUKUS)」結成を決めた。
Aは豪州,UKは連合王国、USは米国。日和見主義的な態度を示してき
たカナダとNZは置いてけぼりを食らう。

遅れじとばかりに艦隊をインド洋から南シナ海へ派遣したドイツは、フリ
ゲート艦の上海寄港を断られた。
フランスと英国は南シナ海海域に空母などを派遣した中国を牽制したが、
これの列にドイツも加わったことにつむじを曲げたらしい。

AUKUSで、とくに目玉となるのは豪への原子力潜水艦技術供与だ。
このために豪はフランスとの契約を破棄する。しかし核兵器を保有しない
豪が原潜を保有して、どれほどの軍事的効果があがるかは未知数。三ヶ国
は「AI技術などの共有と集約化を図る」とする。

台湾の動きが活発化している。
台湾の防空識別県に中国軍機の侵入は2020年に446回。それが9月15日まで
に、482回に及んでいると台湾国防部が発表した。たとえば9月15日、一日
だけで中国空軍機は、9機が台湾流空を侵犯した。偵察機1,殲16型戦闘機
6機、AWACS機1,哨戒機1の合計9機。

台湾南部の屏東県でもAWACS機、戦闘機の発着訓練が高速道路を滑走
路に替えての演習が繰り返された。

加えて、米国から新型戦車X109A6を40両、ハイマースや中距離ミ
サイル自走砲車両11基などの供与を受けるという具体的な予定がある。
艦船の補充も進んでおり、2030年までに新造軍艦は10隻となる。

台湾駐米大使の粛美琴は全米州議会連盟(ALEC)の年次総会に招かれ
て講演し、台湾防衛への協力を訴えた。
第一に断固として国際的に「台湾」と呼称して欲しい。第二に東京五輪で
図らずも中国選手のモラル低下が顕れたように、中国全体の士気低下ぶ
り。第三に全米の大学にいまも展開されている孔子学院への監視強化など
を訴えた。

 バイデンのような親中派の米国も、基本の国益に関しては剥き出しの反
中路線を明らかにしたこと、しかし「同盟国」の筈の日本に、またもや親
中路線を突っ走るのが、次期首相に有力とか。

    
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■読者の声 ■READERS‘OPINIONS ■
どくしゃのこえ■
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  ♪
(読者の声1)15日放送の未来ネット「宮崎正弘の生インタビュー」
(ゲスト室谷克実)を拝見しました。
https://www.youtube.com/watch?v=bYnvr_a8LL0
 韓国情報が満載でしたが、たいへん有益で、しかもメディアにまったく
出ない分析でした。
就中、「韓数字」という新しいタームには驚かされました。中国国家統計
局のGDP発表数字よりも、韓国の統計数字が作為的だということが了解
できました。この対談、もっと拡大しての続編に期待したいと思います。
  (FH生、さいたま市)


(宮崎正弘のコメント)韓国の与野党の大統領候補が決まった時点で、ま
た機会があるかも知れませんが、テレビとは別に二人の対談本が2022
年2月をメドに刊行される予定です。詳細がきまれば、この蘭でも告知し
ます。

   ♪
(読者の声2)「憲法破棄と総理」。
 「憲法改正」には議員2/3、国民投票1/2の賛成が必要、ゆえに現実的
には不可能、だから、、、、は、も出来ない。
という理屈で議論も改善も変化も封鎖されている。いわば万能の言い訳、
責任逃れ。幼児のような「あなたまかせ」が75年続いている。
 しかし、この「日本国憲法」なるものは実は敗戦後、日本がまだ戦勝国
によって占領・支配されていた時代に、GHQが英語で草稿し翻訳されて、
完璧な言論統制下において、即席に一方的に作られた「占領下における統
治のための戦勝国と敗戦国間の不平等国際条約」である。
書面上では総理、内閣、天皇陛下さえも、署名させられ、表面上、当時の
NHK, 朝日などの報道では「主権を持つ日本国民の総意」にもとずく正式
な憲法の公布となっており、そのように国民は信じさせられた。
この違法性、不正を批判することはGHQによって禁止されており、報道は
従属した。いまだにバカな日本の憲法学者の99%は「不磨の大典」を完璧
なものとして信仰し御守りしている。最近ではバイデン氏が副大統領で
あった頃、「あれは俺たちが書いた」と公言している。
 敗戦後、占領中、日本に主権のない1946年5月の第1回国会開会式で2階
の「玉座を見下ろす」参観席には「進駐軍関係180名」が議事を監視して
いた。当然武装していて、予定から外れ、事あれば議会を中止することも
想定していただろう。
この状態を例えれば、悪者に囚われ脅かされ、強制的に契約書に署名させ
られた、事件であり、民事法であっても国際法上でも、明らかに「無効な
契約」となる。
こういう「憲法無効・破棄論」は戦後しばらく多くの国民、論者の間での
認識であった。
自民党も、これこそが党の目的であったが、勇気のある政治家がいなかっ
た。先送りが75年。
 総理が、不平等国際条約とさえ認識すれば、これを「内閣の決議で破
棄」することができる。国会、国民の承認も必要ない。
少し遅いが、自国の憲法と呼ばれる書面を、どう理解し解釈し、尊重しよ
うがゴミ箱に捨てようが、それは「主権を持つ国家」の自由である。75年
前の敗戦国の哀しい秘匿された歴史的経緯を説明すれば、世界のほぼ全て
の国が賛同し、やっと本来の日本が蘇ってきたと喜んでくれるだろう。
如何なる神の計らいか、再び神風が日本を救うことになる。高市早苗総理
にはこの最大の任務が与えられている。
これには一円の費用も必要ないが、一兆円程度の国防軍事費に匹敵する。
故サッチャー氏は「鉄の女」と呼ばれたが、早苗氏は「ヘヴィ・メタル」
のドラムを担当。なにやら相性が良い。
フォークランド紛争では、直ちに軍を送り侵略を阻止した、というサ氏の
教訓を生かして、尖閣島等を守るはずである。
米国が女性大統領を出せず、国連が弾劾する女性蔑視の日本が「お先に」
というのも、いい。
(在米のKM生)


(宮崎正弘のコメント)ネットでは高市さん圧勝の気運ですが、永田町と
いう特殊な場所ではまったく論理が異なります。
           
at 05:54 | Comment(0) | 番外編
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