2021年09月23日

◆習近平が見捨てれば日米株価に激震走る

            今市 太郎

中国「恒大集団」破綻危機はリーマンショック級の大問題。


中国の不動産開発大手「恒大集団」が破綻危機にあり、リーマン・ショッ
ク級の大問題となる可能性が出てきました。しかし、なぜか金融市場では
あまり話題になっていないことが不思議でなりません。(『今市太郎の戦
略的FX投資』今市太郎)


バイデン政権で中国リスクは落ち着いた?
数年前チャイナショックで元安が進んだ時には、金融市場は大騒ぎで、と
くに為替はこの影響を受けて大きくドル円が下落するなどの動きに直面し
たものです。

またトランプが大統領に就任してからは連日、中国と貿易交渉を巡ってや
り合う姿や発言のツイートが登場し、その都度、アルゴリズムが反応して
連日相場の乱高下の材料になったものでした。

しかし、バイデン政権になってからは、それなりに中国と渡り合う姿が見
られたものの、トランプ政権時代と比べれば圧倒的に情報が少なく、相場
もそれにならされるように中国ネタで動くことは極めて少なくなりつつあ
ります。


そんな中で今、中国国内で大問題になろうとしているのが、大手不動産
ディベロッパーである「恒大集団」の破綻危機です。

負債総額30兆円を超える超リスク不動産企業
恒大集団は、1996年に設立された企業で、中国の不動産価格の上昇ととも
に大きく成長してきました。

日本で言うならば往年のダイエーのように、借金をしては不動産投資を行
い、中国各地で高層アパートの販売に勤しみ、それで得られた利益をさら
に再投資するという典型的な高度成長依存の借金雪だるま型の経営を行っ
てきた企業といえます。

この手のバブル系企業は、お決まりの多角経営に乗り出すもの。同社の場
合もその枠組みを踏襲しており、テーマパークからプロサッカーチーム、
ミネラルウォーター、電気自動車開発まで幅広い領域に手をだしています。

しかし、こういったビジネス収益の基本は、借金をして手に入れた不動産
価格の上昇に依存しています。

そのため、マンション価格が大幅に下落する中にあっては、資産も収益も
がた減りで、株価はすでにピーク時から85%下落、なんの価値もなくなっ
て暴落する仮想通貨のような状況に陥っています。

Next: 習近平が見捨てればデフォルト一直線、中国版リーマン・ショック
発生か


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◆雀庵の「常在戦場/86 キリスト教 vs イスラム教/下」
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/366(2021/9/21/火】産経9/19から「真・治安論
 第1部:司法と医療の狭間」シリーズが始まった(関西版では8/27から
連載)。1回目のメインタイトルは「池田小事件を生んだ制度の穴」。

精神疾患の心神耗弱、心神喪失の人による犯罪はこのところ増えているよ
うな気がするが、小生の散歩コースでもカリタス学園の生徒らがテロに
遭った(2019/5/28)。こうした重罪でも犯人は精神疾患を理由にほぼ
「お咎めなし」。読んでいて「それはまずいだろう」と思うと同時に、
「自分も再発しはしまいか」ととても怖くなった。

小生は65歳(2016年)の秋に発狂、「措置入院」で急性期閉鎖病棟に3か
月間、強制的に“保護”され治療を受け、90日間ルールにより“追放的”退院
となったのだが、完治しないビョーキだから未だに「今の自分は本来の自
分だろうか」としょっちゅう思い、不安を感じることもある。

二十歳で刑務所を出てから(人のやらないことする宿命か?)暫くは自虐
的になって酒をあおっていたが、編集者を目指し、それがかなってからは
水を得た魚のように元気に仕事も遊びもしてきたから、酒もガソリンに
なっていた。それがリタイア後は無聊を慰めるための酒になり、やがてア
ル中になって脳みそが壊れて措置入院。Oh, my

今現在の、よたよた歩きの、無口の、精彩も強引さも存在感もない、静か
で大人しい、老犬のような爺さん・・・これが俺なのかなあ、全然、自分
らしくない、別の人格みたい、としょっちゅう変な気分になる。いわゆる
「アイデンティティ」とか「自分色」が薄くて不安な気分になる。とても
嫌な感じ。

<アイデンティティ:自己同一性などと訳される。自分は何者であるか、
私がほかならぬこの私であるその核心とは何か、という自己定義がアイデ
ンティティである。何かが変わるときでも、それへの対処は、普遍のもの
として常に前提にされる統一性、連続性がその機軸、基盤となる。アイデ
ンティティの問題(ブレ、変質、喪失)はとりわけ青年期に顕在化する>
(コトバンクなど)

70歳の老年期になっても「自分探し」「ストレイシープ」って、やっぱり
ビョーキみたいな・・・小生がそういう“老人性青春彷徨的”な孤老から人
生アドバイスを求められたら何と答えようか。

「アナタ、まるで青春時代、人生哲学だね。解はあると言えばあるが、千
差万別だ。考えて考えて考え抜く・・・実に悩ましい。そのうち運良く解
が見つかるかも知れないし、見つからないかも知れない。解があっても人
それぞれで、絶対的な解はない。けれどね、考えることに意味があるわけ
よ。誰しもいずれお迎えが来るけれど、たとえ解が見つからなくても疲れ
果てるほど考えた末なら未練なく従容として受け入れられると思う
ね・・・経験したことがないから分からないけどさ」

歴史を振り返ると、残念ながら「みんな悩んで大きくなった、成長した」
ということはないようだ。技術、モノは発展、蓄積しても人間のマイン
ド、喜怒哀楽は何百万年前と変わっていないだろう。これまでも、これか
らも「戦争→ 平和→ 不信→ 憎悪→ 戦争」のサイクルは続くはずだ。戦時に
あっては敵、平時にあっては友、永遠の戦争も永遠の平和もない・・・
まったくその通りだろう。山あり谷あり平地あり、悩ましいが退屈はしな
い、それが人類の宿命のようだ。ああ、天よ、我らを救いたまえ!

前回に続き、ハッジ・アハマド・鈴木氏の「イスラームの常識がわかる小
事典」を元にした架空インタビューから学んでいこう。

・・・・・・・・・・・・・・・・

――モンゴル帝国の騎馬軍団は1229年にはアフガニスタンやイランに到達し
ている。キリスト教とイスラーム教が争っている場合じゃないと思います
が・・・今ですと世界制覇を目指す中共は世界の自由民主国の共通の敵で
す、小異を捨てて大同につく、そういう場面になった。

「ところが歴史はなかなかそうはならない。火事場泥棒みたいに危機を利
用して躍進しようという勢力はいるもので、1248年、フランス王ルイ9世
がエジプト遠征を再開した(第7回十字軍)。何とモンゴルと同盟してア
ラブ世界を東西から挟み撃ちしようとモンゴル使節団に提案したが失敗。
ルイ9世はモンゴル使節団にキリスト教への入信を進めたが理解されな
かったようだ。

結局、単独でエジプトと開戦したが負けてしまい、ルイ9世は捕捉され、
1250年に莫大な身代金を払うことで釈放された。

一方で、モンゴル大軍団は進むところ敵なし、歯向かう敵に仮借ない鉄槌
を下しながらバグダード(イラン)へ迫る。バグダードはイスラム教の開
祖ムハンマドの叔父系のアッバース朝が統治していたが、1258年、モンゴ
ルの騎馬隊に完膚なきまでに蹂躙され、そして滅亡した」

――ルイ9世は非常に熱心なキリスト教信者でしたが、その分、イスラーム
への憎悪は凄まじかったようですね。ルイ9世は1253年には反イスラムの
同盟国を見つけるためモンゴルへ調査団を派遣した。当時、モンゴルの国
民の半数以上はキリスト教徒(ネストリウス派、支那では景教とも)で、
シルクロードを通じて伝播したのでしょう。仏教徒、ムスリム、道教、儒
教の信者もいた。

モンゴルがキリスト教徒の国だと知って発奮したのか、ルイ9世は再び十
字軍(第8回十字軍)を結成し1270年に進発、イスラーム圏のチュニジア
を攻撃したが、飲用水が劣悪だったことや熱さにより病気がはびこり、ル
イ9世も同地のチュニスでペストに罹患し、陣中で病没した。凄い執念で
すね。


ルイ9世は死後にキリスト教会より聖人の称号を与えられ Saint-
Louis(サン・ルイ、聖ルイ)と呼ばれるようになった。米国のセントル
イス(ミズーリ州)の地名の由来ともなりました。キリスト教徒は今でも
十字軍が好きなんですね、異教徒は許さない、というのが初期設定のよう
で・・・

さて、イランを陥落に追い込んだモンゴルの騎馬軍団はエジプトへ向かい
ますね。

「怒涛の進撃でイラク、シリアの主要都市を占拠し、それに対してエジプ
トはモンゴル使節を殺して決戦に備えた。ところが決戦の前夜、モンゴル
軍の大将フラーグ(チンギス・ハーンの孫)は長兄が故国で死去した報に
接し、軍をまとめて急遽、帰国の途についた。この怒涛の反転によりイス
ラーム世界は救われたのだ、アッラー・アクバル(アッラー は偉大なり)!

エジプト軍は地中海岸に残っていたモンゴル兵を殲滅するとともに、モン
ゴルと和したキリスト勢力を次々に叩き、1291年には十字軍が最後まで占
拠していた港町アッカを奪還し、外国軍勢すべてを一掃した。

これをもって東西からのイスラーム世界への侵略は全て終了し、近代にい
たるまで平和が保たれたのだ」

――基本的にペルシャ湾とティグリス・ユーフラテス川の西はイスラーム
圏、東はモンゴル圏になったわけですね。1271年にはモンゴル帝国の後裔
として「元」が支那本土とモンゴル高原を中心に建国され、何とイスラー
ムを国教とした。

「1370年には(今でもウズベキスタンの英雄とされている)ティムールが
中央アジア全域を制覇、インドからロシア平原までを支配し、イスラーム
法とモンゴル法を採用した。16世紀初めにはティムール直系の子孫、バー
ブルがアフガニスタンからハイバル峠を越えてインド平原へ下り、ムガー
ル帝国を起こした。

また、イスラームは支那大陸の聖域に「清真教」の名称で浸透していく。
中央アジアからシルクロードを通り、ゴビ砂漠を越えて支那に至る街道沿
いにイスラームの地域が伸びていった。かくして支那西域には5000万人以
上の支那系ムスリムが現在も生活している」


――先生、このシリーズは3回でまとめようと思っていたのですが、昨日の
産経に加地伸行先生が「キリスト教とイスラム教の抗争は我々東北アジア
に住む者にとって根本的意味が分からない。まずはイスラム教に関する初
歩的講義をマスコミが行っては如何か」と書いていました。実際、その通
りです。で、あと2回ほど続けたいと思いますので、よろしくお願いします。


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◆王毅外相はなぜアジア歴訪?

「宮崎正弘の国際情勢解題」
 
令和三年(2021)9月16日(木曜日)
通巻第7054号  

 このタイミングで王毅外相はなぜアジア歴訪?
  韓国では対米、対日を牽制させようと中国は内政干渉


習近平は昨年(2020年)1月にミャンマーを訪問して以来、外国へ出
ていない。米中会談も電話で済ませ、ほかの国際会議はすべてオンライン
である。十月末のG20にも、オンライン参加を予定しており、ひたすら
世界首脳との対面を避けている。つまり、国内に難題を抱えているからだ
ろう。

習近平は7月1日の中国共産党創立百年記念日に演説し「次の百年」を
謳ったが、「持続可能な百年」は望めそうにない。
習の名代としてせかせかと諸外国を行き交っているのは、野心満々の傲慢
外交官、王毅である。

王毅外相のアジア歴訪は年が明けた1月16日から6日間。ミャンマー、イ
ンドネシア、ブルネイ、フィリピンを訪れた。これで昨年来のASEAN10ヶ
国全てとの二国間往来という目的を一応は達成したかにみられたが、アジ
ア各国は強面中国の出方を確かめただけだった。

米国は対抗上、シャーマン国務副長官がインドネシア、カンボジア、タイ
を訪問し、八月には中国天津を訪問した。このときの米中会談は、激しい
言葉の応酬だけだった。
 そしてオースティン国防長官がシンガポール、ベトナム、フィリピンを
訪問した。南シナ海の安全保障が議題の中心に置かれた。

八月にはシンガポールとベトナムにハリス米副大統領が訪問したが、呼吸
を合わせるかのように英国は空母クィーン・エリザベスをシンガポールに
寄港させた南シナ海問題で中国への示威である。
 またしても王毅外相の出番となり、9月10日からベトナム、カンボジ
ア、シンガポール、そして韓国の四カ国を訪問した。マレーシア、タイ、
フィッリピン、ブルネイが除かれたが、中国に歯向かうコトもないだろう
という考えが基底にあるからか。

中国は「成果があがった」と自画自賛しているが、どの国とも満足な外交
実績とはならず「戦狼外交」と「マスク外交」で周辺をかき荒らして居る
だけとする酷評が多い。ベトナムでは米国がワクチン100万本供与の三
倍、300万本を供与するとして露骨な対抗ぶりを示した。

王毅のカンボジア、ベトナム、シンガポール、韓国歴訪は、一方でバイデ
ン米政権の主要閣僚が東南アジアを訪問した事実を踏まえて、アジア関与
を強める米国をにらみ、連携にくさびを打ち込む目的があった。

 王毅外相は最後の訪問国、韓国へ15日に入り、鄭義溶(チョンウィヨ
ン)外相と会談した。王は中韓国交正常化から来年で30年になると指摘
し、「持続的発展を実現していかなければならない」と述べた。
米中対立が激化する中、米国が韓国との同盟関係を強化しようとしている
状況を踏まえ、韓国に「中立的な立場を守るよう」にと釘を刺した。これ
は内政干渉である。

 鄭外相は、「今後も韓国政府が進める朝鮮半島平和プロセスを支持して
くれることを期待する」と応じた。
この会談の最中に北朝鮮は巡航ミサイルを発射した。


 ▼歴訪中、台湾は濃厚な軍事演習で応じた

文在寅政権は来年5月で任期満了。そのあとはたぶん刑務所だろうから、
あっても意味はないだろうが、大統領府を訪れ、文大統領や 徐薫(ソフ
ン)国家安保室長らと面談した。
 
文在寅大統領は、「朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和定着のため、
北朝鮮が速やかに対話に復帰するようにすることが重要である」として中
国の協力を求め、また北京五輪への全面的協力を約束した。

 王毅外相は「中国は朝鮮半島の非核化と南北関係進展を常に支持する立
場だ。今後も建設的な役割を続ける」と常套句を述べるに留めた。

 さて、この中国外相のアジア歴訪中、台湾は一週間にわたって東海岸で
軍事演習を展開し、高速道路へのジェット戦闘機発着訓練などを披露した。

    
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■読者の声 ■READERS‘OPINIONS ■
どくしゃのこえ■
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  ♪
(読者の声1)三島由紀夫研究会の「公開講座」はジャーナリスト、河内
孝氏をお招きします。9月21日です。

とき   9月21日(火曜日)午後六時(1730開場)
ところ  市ヶ谷「アルカディア市ヶ谷」(私学会館)
講師   河内孝(元毎日新聞常務。著書『新聞社モデル』がベストセ
ラー。『血の政治、青嵐会という物語』が話題を呼んだ。
演題   「三島由紀夫と青嵐会  時空を超えた絆」。
会場分担金  おひとり2000円(会員は千円)
問い合わせ  (090)1611−9839
     (三島由紀夫研究会)

  ♪
(読者の声2)『土偶を読む』(竹倉史人著、晶文者)が読書界の話題を
浚っているようです。植物や貝などを擬人化して土偶を作り、再度の採集
が出来ること を祈ったとか。
 遮光器土偶はサトイモ、ハート形土偶はクルミ(割ったカラ)、クリ、
トチノミ、ハマグリやカキの貝類、ヒエ。イネ・・・
「縄文神話の謎を解いた」という宣伝はその通りかも知れませんが、考古
学、歴史学界はどのように反応しているのでしょうか。
 宮崎さんは『神武天皇以前』と『一万年の平和、日本の代償』(いずれ
も育鵬社)のなかで、縄文土偶に多くのページを割かれていますが、この
植物デフォルメ土偶作成という説をどうみておられますか。
   (SH生、青森)


(宮崎正弘のコメント)一種の奇論の類いでしょう。遮光土偶は目玉が大
きい。当時の人々は眼に霊力が宿ると信じていました。里芋ではないで
しょう。偶然似ていることは別として。
 縄文土偶は死者を弔う精神的な儀式、魂の交流のセレモニーですから、
信仰の対象だった山、河、水。そして磐座がデザインされて居ないのは、
不思議です。
ともかく左翼中心の歴史学者は反論もせずに沈黙、考古学界は、こうした
解釈は不得手です。

  ♪
(読者の声3)貴誌前号、インドのガンジー記念館のテーマパーク化です
が、モディ首相は確かチャンドラ・ボースを推しておられたはずと思いな
がら読み進めておりましたところ、記念館に両者の本が平積みされるよう
になっていると知りました。
 テーマパーク化は、モディ首相が主体的に推し進められているのか、単
に政府が進めているのか気になるところです。
 聖地とは別の近隣の土地ならわかるとしても、テーマパークにされるの
は、やはり抵抗がある人のほうが多いでしょうね。
   (HT生)
           
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